「ゴジラ×メカゴジラ」の監督が語る2時間ドラマの歴史 同人誌『あなたの知らない2時間ドラマ制作の世界』:司書みさきの同人誌レビューノート
貴重な記録。
そろそろカレンダーの残り枚数も少なくなってきたころ、「一年の計は……」なんて振り返って話すのにはまだ早いでしょうか。今回は、長く映像制作のお仕事をされてきた方の活動にスポットを当て、当時の様子をいきいきとたどるインタビュー本です。
今回紹介する同人誌
『あなたの知らない2時間ドラマ制作の世界』B5 40ページ 表紙特殊紙、黒インク・本文モノクロ
著者:mayoko
撮影前日に犯人役変更!? 制作現場のリアル
この同人誌は、「ゴジラ×メカゴジラ」などで知られる映画監督の手塚昌明氏がインタビューに答えたご本です。監督助手として市川崑作品にも多数参加されています。作者さんは、そんな氏のインタビューをこれまでも同人誌としてまとめてこられました。しかしお話を聞くうち、映画の話だけでなくテレビの話題も「大変面白く、この話は埋もれさせてはいけない」との気持ちになり、今回はテレビの、しかも2時間ドラマに着目して制作されたのだそうです。
2時間ドラマといえば、「●●殺人事件」や「××探偵シリーズ」のようなサスペンスものや刑事もののイメージです。けれど、初期からかかわる手塚氏の発言により、当初は名作や文芸作品もあったことなど、企画立ち上げの頃から、たくさんの人気作品が作られていく時代など、1970年代からの現場の様子が見えてきます。
なかには地方ロケで明日の朝から撮影という差し迫ったタイミングで、監督から「犯人役を変えたい」との大変更が告げられた! というトンデモ現場のエピソードもあり、お茶の間で楽しんでいた2時間ドラマ制作にこんな秘話が、と驚きます。
問いと語りが織りなすインタビューの妙技
撮影現場の慌ただしさや苦労は大変なものがあったと思いますが、当時を振り返る手塚氏の楽しげな口調で、決して重くならずに読み進められます。「あとは魔法のようなスケジュールを頼みますよ、手塚ちゃん」なんて言葉で任せられたのを、くさらず「『あーでもないこーでもない』となんとか場所をはめこんで作り上げました」といえる手塚氏の前向きさ、仕事をやりとげるためにさまざまに手を尽くす姿の、なんとひたむきなことでしょう。
それに加え、インタビュアーである作者さんが、制作に会社がどう絡んでいたか、どこで撮影されたかなど、いろいろな視点からの問いを投げかけてくれることにより、2時間ドラマが企画され、世に出るまでに多様な要因が絡んで作り上げられていくのが感じられます。
問いかけと語りのやりとりは、まるで音楽の掛け合いのようです。これまでもインタビューを重ねてこられ、深堀りができる間柄を築いてこられた双方とものお力が働いているのではないでしょうか。
記憶をたどる、人をたどる面白さ
このご本では手塚氏の語りが中心となっており、そこに2時間ドラマの放送時期の変遷や制作会社についてなど、要所要所に作者さんによる説明が入ります。
実は個人の体験に基づく振り返りは、どこまでが主観で、どこまでが事実かの線引きが難しいところで、ご本で手塚氏も「もう何十年も前の事ですから、思い違いや記憶違いもあると思います」と触れられています。しかし、貴重な体験を思い出だけでしまっておくのは、いかにももったいないお話ではないですか! あれ? これって作者さんが当初に感じていた気持ちと同じでは……? 個人が主観で話すからこその面白みをメインに、当時の状況や傾向の客観的部分をさりげなく補うバランスの良さも光ります。
経験を積み重ねてこられた語り手と、それを残そうと動いた聞き手のお気持ちが、しっかりと読み手にも伝わってきたご本でした。
今週の余談
興味深いお話を記録に残すことが、その次の検証や確認のステップにもつながります。同人誌という形での記録、まだまだいろいろな可能性がありますね。さて、この連載も次回からちょっとだけ新展開の予感……?
みさき紹介文
図書館司書。公共図書館などを経て、現在は専門図書館に勤務。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えたあたりで数えるのをやめました」と語る。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「全てが完璧」 無印良品の“1990円バッグ”に称賛続出 「やっぱりこれ」「文句なし」「使い勝手抜群」
福袋に入ってた“定価3万円”の高級魚を大事に育てたら…… 「やりやがったな」涙する結果に「すごい」「ほんと感動」
普通のクリップを2つつなげるだけで…… あると助かる“便利グッズ”に大変身 「マジで!」「素晴らしいアイデア」【海外】
「全色買いしてしまった」 ユニクロ“新作2990円ベルト”に称賛続出 「これは買い」「1万円以上に見える」
捨てるしかないトイレットペーパーの芯をそのまま通すだけで…… 目からウロコの簡単ライフハックに「天才!」「素晴らしいアイデア」【海外】
パパに抱っこされる娘→30年後…… 同じポーズで撮影した“現在の姿”に驚き「私もお父さんが恋しくなった」【海外】
6年間外につながれひとりで取り残されていたワンコ、あれから半年後…… 別犬のような姿に「嬉しすぎて泣きそう」「只々感動です」
「これでいいんだよ」 ユニクロ新作“2990円バッグ”に高評価続出 「こんなの待ってた」「多用しそう」
ホテルで使ったタオル、どこに置く? ホテル従業員が「こうしてもらえると助かる」とアドバイス【“ホテル従業員の本音”記事3選】
20代で貯蓄1000万円、30歳女性ミニマリストの部屋をのぞくと…… “驚きの光景”に「家具数違いすぎて笑った」「憧れます」
- 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
- Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
- 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
- プロが本気で“アンパンマンの塗り絵”をしたら…… 衝撃の仕上がりが550万再生「凄すぎて笑うしかないw」「チーズが、、、」 話題になった作者に話を聞いた
- ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
- ニットで口元が隠れた赤ちゃん、そっと脱がせてみると…… “想像を超える”表情が2300万再生「心に刺さった」「今まで見た中で1番!」【海外赤ちゃん記事3選】
- 水族館のイカに“指でハート”をしてみたら… “まさかのお返し”が190万表示「こ、こんなことあるのか」
- 「ひどすぎ」 東京ディズニーランドで“約100人のドジャースファン”が一斉に“迷惑行為” 「やめてほしい」と物議
- 19万8000円で購入した超高級魚を、4年間育てたら…… ド肝を抜く“大変化”に「どんどん色が」「すごい」
- 初めて夫の実家に挨拶した妻、初々しかった表情が9年後…… “そうはならんやろ”な変わりっぷりが1150万再生
- 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
- コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
- パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
- 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
- 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
- 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
- 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
- “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
- ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
- 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に