宇都宮の老舗駅弁屋さんが語る、駅弁を未来へ繋ぐためのカギとは?宇都宮「駅弁発祥の地宇都宮 御弁当」(1500円)(2/3 ページ)

» 2022年12月04日 12時00分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送
駅弁発祥の地宇都宮 御弁当 駅弁発祥の地宇都宮 御弁当

【おしながき】

  • うるち玄米ともち玄米と大豆の味噌焼おにぎり
  • 刻み岩下の新生姜入りプレミアムヤシオマスの高菜おにぎり
  • たくあん2切れ
  • プレミアムヤシオマスの柚庵焼き
  • 玉子焼き
  • とちぎ霧降高原牛とごぼうのしぐれ煮
  • 焼目付き巻きゆば
  • 茄子の乳茸出汁含め煮
  • かんぴょうの梅マヨネーズ和え
  • 蓮根の酢漬け
駅弁発祥の地宇都宮 御弁当 駅弁発祥の地宇都宮 御弁当

ひと足早くいただきましたが、なすの煮浸し、とても美味しかったです!

齋藤:ありがとうございます。あと、栃木の食材といえば「かんぴょう」です。この新作では、甘くクタクタに煮る和風の調理法から脱却して梅肉とマヨネーズという味付けを試みました。かんぴょうの白さを活かした、ポップな仕上がりになっています。今回は、その歯ごたえも含めて、かんぴょうの“新たな食べ方”のご提案が実現できたのではないかなと自負しています。この駅弁は「駅弁味の陣2022」にも参加しています。

松廼家の駅弁製造風景 松廼家の駅弁製造風景

地産地消と子どもたちへの食育で、「駅弁」を未来へ!

「駅弁作り」で、最も大切なことは何ですか?

齋藤:「衛生」ですね。安全な駅弁を提供できないと、弊社だけの問題にとどまらず、駅弁業界全体の問題に発展してしまいますので。そして海のない県としてハンデはありますが、地元の食材をもっと発掘して面白い弁当を作りたいです。駅弁はもともと、地産地消です。私たちがやるべきことは身近なところにあると考えています。駅弁各社がしっかり地域密着を実践していくことが、駅弁全体の盛り上がりにもつながると思います。

「駅弁」を次の時代につなぐためにどんなことをすべきですか?

齋藤:子どもたちへの「食育」です。昔、幼稚園に提供した玄米のお弁当を、子供たちが憶えていてくれたということもありますが、「宇都宮の弁当は、やっぱり松廼家だよね」と、憶えていてもらえる取り組みを継続していきたいです。今後、益子に移転するにあたっても、まずはそういったところから、町民の皆さんと交流を深めて、地元の味として受け入れて貰えるように努力していきたいです。

E131系電車・普通列車、日光線・日光〜今市間 E131系電車・普通列車、日光線・日光〜今市間

日光、那須の山並みを眺めて、宇都宮の駅弁を!

齋藤社長お薦め、松廼家の駅弁を“美味しくいただくことができる”鉄道の車窓は?

齋藤:列車に乗って、改めてその良さに気づいたのは、栃木の山並みですね。青い空に白い雪がのった日光や那須連山がとてもきれいです。ゆっくりと走る列車に乗りながら、お弁当をいただいたら、とても美味しいと思います。日光線や黒磯方面は、紅葉も美しいですし。あと、栃木・茨城・群馬・埼玉の県境が入り組んだ東北本線の利根川を渡る辺りののどかな風景もいいですね。こちらはグリーン車も連結されているので、駅弁もいただきやすいのではないでしょうか。

E233系電車・普通列車、東北本線・宇都宮〜雀宮間 E233系電車・普通列車、東北本線・宇都宮〜雀宮間

 宇都宮のまちをあとに、東北本線(宇都宮線)の普通列車がスピードを上げていきます。鉄道草創期から鉄道文化の一翼を担ってきた宇都宮駅の駅弁。鉄道駅の前で、駅弁を作り続けてきた駅弁屋さんもいま、高速道路での物流を考慮した立地へと、大きな変化の時を迎えています。駅弁文化を次の世代へ伝えていくために、できることは何でもやる。鉄道150年の秋、そんな駅弁の魂が詰まった宇都宮の駅弁を、じっくりと味わってみてはいかがでしょうか。


(初出:2022年10月28日)

連載情報

photo

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史

昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。

駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/


「駅弁膝栗毛」バックナンバー



おすすめ記事

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. /nl/articles/2411/16/news077.jpg 大谷翔平、インスタ最新投稿で活躍シーンのハイライト公開 一瞬映る“妻・真美子さんと母・加代子さんの笑顔満開ハイタッチ”に注目
  3. /nl/articles/2411/16/news007.jpg まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  4. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  5. /nl/articles/2411/16/news039.jpg 「ディズニーのそういう所だよ」 1歳息子、初ディズニーで言われた“まさかの一言”は…… キャストの愛ある“神対応”が656万表示
  6. /nl/articles/2411/14/news169.jpg 「ちょっと怖い!!」 ミニトマト“1粒”を土に埋めて1カ月育てたら…… → “予想外の光景”に驚がく 「そうなるとは」
  7. /nl/articles/2411/15/news162.jpg 「とんだ裏切りwww」 整骨院が休業→店舗の張り紙を見たら…… “まさかの理由”にツッコミ殺到 「これは仕方ない」
  8. /nl/articles/2411/15/news187.jpg 「2度とライブ来るな」とファン激怒 星街すいせい、“コンサート演出の紙吹雪”が「3万円で売買されてる」 高値転売が物議
  9. /nl/articles/2411/16/news014.jpg 330円で買ったジャンクのファミコンをよく見ると……!? まさかのレアものにゲームファン興奮「押すと戻らないやつだ」
  10. /nl/articles/2411/11/news056.jpg 大量のハギレを正方形にカット→つなげていくと…… “ちょっとした工夫”で便利アイテムに大変身! 「どんな小さな布も生き返る」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた