〈24時間営業再開か〉すかいらーくジョナサン店舗で店長に骨折させられる“壮絶なパワハラ”と大きな闇(1/3 ページ)
「人件費をできるだけ抑え、未払いで長時間労働をさせる。そのために、暴力や恐怖で支配していたのではないか」。
すかいらーくホールディングス(以下、すかいらーく)が店舗の営業時間を伸ばし、一部では24時間営業の再開を検討している、と朝日新聞が1月5日に報じました。対象は「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」などで、まずは2月中旬〜3月ごろに延長するとのこと。
SNS上では24時間営業の再開を歓迎する声もある一方で、「しわ寄せは店員さんの負荷になっちゃう」「少ない客層のために営業する店舗の負担を考えると複雑」など、店員の労働環境を心配視する声も寄せられています。
すかいらーくでは2020年9月から2022年4月までの約1年半、「ジョナサン芝公園店」で、店長(当時)が社員を殴打して肋骨(ろっこつ)を骨折させるなど傷害事件を含むパワハラが継続的に発生していました。問題の根源はどこにあるのか。社員の壮絶な日々とその背景にある労働問題について報じた記事を再公開します(初出:2022年07月22日。記事内の情報は公開時のままです)。
「死ね、殺されてえのか」「土下座だな」──。すかいらーくグループが運営する「ジョナサン芝公園店」で、店長(当時)から継続的にパワハラを受けていた社員が、記者会見で壮絶な被害を明かしました。
総合サポートユニオンが7月22日に実施した記者会見によると、パワハラを受けていたAさんが被害に遭ったのは2020年9月から2022年4月までの約1年半。暴言を吐かれるだけではなく、殴打されて肋骨(ろっこつ)を骨折するなどの傷害事件も発生していました。未払いの長時間残業も多くあり、同組合の調査によると、残業が月190時間におよぶ月もあったようです。
右助骨を骨折した
Aさんがパワハラの告発になかなか踏み切れなかったのは、2021年4月に起きた“事件”がきっかけです。Aさんはヘルプとして行った「ジョナサン台場デックス店」で、芝公園店での休日出勤で賃金が支払われないことについて口を滑らせませした。
そのことを受け、後日店長は「何言ってるんだよ」「俺に辞めさせたいのか、それとも芝(店舗)を移動してえのか」と言い、Aさんを殴ったのです。誰かにパワハラや長時間労働の実態について明かすと、また同じような報復に合うのではないかと考え、Aさんは沈黙を余儀なくされました。
店長に胸ぐらをつかまれたり、頭をはたかれたりといった暴行は日常的で、ふくらはぎを蹴られることも複数回ありました。なかでも、被害が深刻だったのは、東京都が緊急事態宣言中だった2021年8月10日に起きた“事件”です。
当日、他のアルバイト店員が注文用タブレットで酒類の提供を中止する設定を忘れたことを理由に、店長はAさんのネクタイを引っ張り、控室の壁に押しつけて「どんだけ、ムダなことやっているか分かっているのか」と怒り、Aさんを殴打。Aさんは右助骨を骨折しました。この際の骨折については、医師による診断書でも確認できています。
店長はこれらの暴行について反省の色を見せず、骨折について知った後も「おまえは喉元すぎれば忘れるから、痛みを与えないと覚えない。いい勉強になったな」と言い放っています。Aさんの同僚が暴力について苦言を呈した際にも、店長は「こいつは動物だから、痛みを与えねえとわからねえから」と吐き捨てたそうです。
Aさんによると、暴行を受けていたのは社員歴が長いAさんだけでした。一方で、物やゴミ箱を投げつけられたり、「てめえ」「死ね」などの暴言を受けたり、といったパワハラは他の社員やアルバイトも受けていたといいます。
残業が月190時間におよぶ月も
問題はパワハラだけにはとどまらず、未払いの長時間残業にもおよびます。芝公園店は利用客だけではなく、近隣住民からのテイクアウトや宅配の注文も多く、非常に忙しい店舗です。従業員は正社員が店長を含む3人体制ですが、人手が足りていませんでした。
店長は早朝・深夜・休憩時間・休日に勤怠記録をつけずに働くことを事実上指示しており、Aさんは勤怠記録をつけずに働くことが多くありました。閉店が23時30分までだった期間には、Aさんは週2日ほど深夜1時過ぎまで働き、そのまま店に宿泊。翌朝にシフトがある場合は、6時ごろから勤務を再開する生活を送っていました。
例えば、同組合の調査では2022年2月には残業が月190時間におよぶほど、長時間労働が状態化していたことが明らかになっています。しかし、勤怠記録がないこともあり、すかいらーくはこれらの論点については事実と認めていません。
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