すかいらーく、客からのパワハラ告発にも対応せず ジョナサンで店員が殴られ骨折させられた“壮絶なパワハラ” 社長は謝罪を拒否(1/3 ページ)

「人件費をできるだけ抑え、未払いで長時間労働をさせる。そのために、暴力や恐怖で支配していたのではないか」。

» 2022年07月22日 18時30分 公開
[上代瑠偉ねとらぼ]

 「死ね、殺されてえのか」「土下座だな」──。すかいらーくグループが運営する「ジョナサン芝公園店」で、店長(当時)から継続的にパワハラを受けていた社員が、記者会見で壮絶な被害を明かしました。

 総合サポートユニオンが7月22日に実施した記者会見によると、パワハラを受けていたAさんが被害に遭ったのは2020年9月から2022年4月までの約1年半。暴言を吐かれるだけではなく、殴打されて肋骨(ろっこつ)を骨折するなどの傷害事件も発生していました。未払いの長時間残業も多くあり、同組合の調査によると、残業が月190時間におよぶ月もあったようです。

右助骨を骨折した

すかいらーくグループが運営する「ジョナサン芝公園店」でパワハラ被害の告白 Aさん(撮影:上代瑠偉)

 Aさんがパワハラの告発になかなか踏み切れなかったのは、2021年4月に起きた“事件”がきっかけです。Aさんはヘルプとして行った「ジョナサン台場デックス店」で、芝公園店での休日出勤で賃金が支払われないことについて口を滑らせませした。

 そのことを受け、後日店長は「何言ってるんだよ」「俺に辞めさせたいのか、それとも芝(店舗)を移動してえのか」と言い、Aさんを殴ったのです。誰かにパワハラや長時間労働の実態について明かすと、また同じような報復に合うのではないかと考え、Aさんは沈黙を余儀なくされました。

 店長に胸ぐらをつかまれたり、頭をはたかれたりといった暴行は日常的で、ふくらはぎを蹴られることも複数回ありました。なかでも、被害が深刻だったのは、東京都が緊急事態宣言中だった2021年8月10日に起きた“事件”です。

 当日、他のアルバイト店員が注文用タブレットで酒類の提供を中止する設定を忘れたことを理由に、店長はAさんのネクタイを引っ張り、控室の壁に押しつけて「どんだけ、ムダなことやっているか分かっているのか」と怒り、Aさんを殴打。Aさんは右助骨を骨折しました。この際の骨折については、医師による診断書でも確認できています。

 店長はこれらの暴行について反省の色を見せず、骨折について知った後も「おまえは喉元すぎれば忘れるから、痛みを与えないと覚えない。いい勉強になったな」と言い放っています。Aさんの同僚が暴力について苦言を呈した際にも、店長は「こいつは動物だから、痛みを与えねえとわからねえから」と吐き捨てたそうです。

 Aさんによると、暴行を受けていたのは社員歴が長いAさんだけでした。一方で、物やゴミ箱を投げつけられたり、「てめえ」「死ね」などの暴言を受けたり、といったパワハラは他の社員やアルバイトも受けていたといいます。

残業が月190時間におよぶ月も

 問題はパワハラだけにはとどまらず、未払いの長時間残業にもおよびます。芝公園店は利用客だけではなく、近隣住民からのテイクアウトや宅配の注文も多く、非常に忙しい店舗です。従業員は正社員が店長を含む3人体制ですが、人手が足りていませんでした。

 店長は早朝・深夜・休憩時間・休日に勤怠記録をつけずに働くことを事実上指示しており、Aさんは勤怠記録をつけずに働くことが多くありました。閉店が23時30分までだった期間には、Aさんは週2日ほど深夜1時過ぎまで働き、そのまま店に宿泊。翌朝にシフトがある場合は、6時ごろから勤務を再開する生活を送っていました。

 例えば、同組合の調査では2022年2月には残業が月190時間におよぶほど、長時間労働が状態化していたことが明らかになっています。しかし、勤怠記録がないこともあり、すかいらーくはこれらの論点については事実と認めていません。

ホットライン

  • 主催: 総合サポートユニオン
  • 長時間労働・パワハラ無料相談ホットライン
  • 日時:2022年7月24日(日)13時から17時
  • 電話番号:0120-333-774(通話無料・相談無料・秘密厳守)

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2503/22/news007.jpg ディズニーランドがオープンした1983年当時、カップルだった2人→37年後…… 目頭が熱くなる現在の姿に感動
  2. /nl/articles/2503/22/news033.jpg ガンダムのイラストにしか見えないのに…… “意外すぎる正体”に脳がバグる「理解が追いつかない」「目を疑います」
  3. /nl/articles/2503/22/news032.jpg スーパーで売れ残った“1匹300円のエビ”を水槽に入れたら…… 「マジすげぇ!!」興味深い姿が220万再生「はじめて見た」
  4. /nl/articles/2503/22/news098.jpg すき家、みそ汁に「ネズミ」混入で謝罪 クチコミの写真が拡散…… 「管理体制の一層の強化に努める」
  5. /nl/articles/2503/21/news067.jpg 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」 投稿者に話を聞いた
  6. /nl/articles/2503/22/news085.jpg 「昔のミスド食べたい」 15年以上前の“ミスドのドーナツ”に根強いファンの人気 「あ、これおいしかった」
  7. /nl/articles/2503/23/news026.jpg お顔そっくり“一卵性”の三つ子赤ちゃん→5年後の現在は…… 驚きの姿に「見入っちゃいました」「ほんと奇跡」
  8. /nl/articles/2503/23/news052.jpg 冷たい海に捨てられた子猫を保護→10カ月後…… 「めちゃくちゃ美猫」驚きの現在に「感動しました」
  9. /nl/articles/2503/23/news040.jpg スルスルスルスルッ! ジャガイモの皮を驚くほど簡単に剥ける方法に「50年前に知っておきたかった」の声
  10. /nl/articles/2503/23/news039.jpg 「即買いでした」 無印良品の“6990円ワンピース”に称賛続出 「長く着たい」「とっても良かった」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  2. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  3. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  4. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】
  5. ペットのカエルを土に埋め、約半年間放置→掘り返してみたら…… 「すげぇ」予想外の結末に「ほんと不思議」
  6. 「絶対当たったわこれ」→「は?」 ガリガリ君の棒に書かれていた“衝撃の文章”に「そうはならんやろ」 投稿者に当時の思いを聞いた
  7. コメダ珈琲店で「軽い食事」を注文 → 出てきた“まさかの実物”に思わず大仰天 「逆詐欺ですね」「軽食という名の主食」
  8. 最恐雑草“ヤブガラシ”根元をハサミでチョキッと切ると…… “驚愕の結末”に「すごい」「知りませんでした」
  9. 「笑い過ぎて涙が」 小学生次男、宿題で先生に不正を疑われる→まさかの原因が530万表示 「じわじわくる」 投稿者に話を聞いた
  10. 大阪梅田駅で撮影された“奇跡のような光景”に「今まで見たことない」「本当に贅沢な眺めだ」 全ホームにマルーンカラーが整列
先月の総合アクセスTOP10
  1. 最初に軽く結ぶだけで…… 2000万再生された“マフラーの巻き方”に反響「これは使える」「素晴らしいアイデア」【海外】
  2. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  3. パパに抱っこされる娘、13年後の成人式に同じ場所とポーズで再現したら…… 「お父さん若返った?笑」「時止まってる」2人の姿に驚き
  4. 和菓子屋で、バイトの子に難題“はさみ菊”を切らせてみたら……「将来有望」と大反響 その後どうなった?現在を聞いた
  5. 古いバスタオルをザクザク切って縫い付けると…… 目からウロコの再利用に「すてきなアイデア」【海外】
  6. 「14歳でレコ大受賞」 人気アイドルがセクシー女優に転身した理由明かす 家族、メンバー、ファンの“意外な反応”
  7. 希少性ガンで闘病中だったアイドル、死去 「言葉も発せないほどの痛み」母親が闘病生活を明かす
  8. “きれいな少年”が大人になったら→「なんでそうなったw」姿に驚がく 「イケメンの無駄遣い」「どっちも好きです!笑」
  9. ドブで捕獲したザリガニを“清らかな天然水”で2週間育てたら…… 「こりゃすごい」興味深い結末が195万再生「初めて見た」
  10. 芸能界引退した「ショムニ」主演の江角マキコ、58歳の近影にネット衝撃「エグすぎた」 突然顔出しした娘とのやりとりも話題に