丸亀製麺には“激レアな麺職人”がいる!? 青い制服の職人、どうしたらなれるか聞いてみた(1/2 ページ)

麺職人だけど「かき揚げ」をおいしく作れる理由も回答。

» 2023年01月28日 11時00分 公開

 うどんチェーン「丸亀製麺」に青い制服を着た“激レアな職人”がいる――そんなTwitter投稿が先日話題になりました。激レア職人はいったいどんな人なのか、丸亀製麺に聞きました。

丸亀製麺麺職人 麺職人は紺(青)が入った制服が目印(丸亀製麺の麺職人たちより)

 話題になった投稿は、近所の丸亀製麺で青い(紺色が入った)制服を着たスタッフの作ったかき揚げが飛び抜けておいしく、調べてみたらレアな「一つ星麺職人」だったという内容。Twitterでは、同様に青い制服の職人を発見して珍しく思ったというコメントや、かつて「一つ星麺職人」を目指したことがあるといった反応が寄せられていました。

 青い制服を着たスタッフは、丸亀製麺の「麺職人」制度で認定されたスタッフ。2022年12月末時点で1069人おり、「一つ星」職人は1065人で「二つ星」職人は4人、「三つ星」「四つ星」は0人と、レベルアップはなかなか厳しいようです(丸亀製麺の麺職人たちより)。いったいどんな制度なのか、麺職人にはどうやったらなれるのかなど、丸亀製麺に聞いてみました。

「麺職人」を目指すには

 丸亀製麺では、常においしい状態のうどんを提供するため、画一的なマニュアルではなく、各々の判断を伴う職人技としての製麺技術を教えているとのこと。スタッフの技術力向上と教育システムの一環として、「麺職人制度」を2016年に導入。この制度は、麺づくりへのこだわりや想いを継承していくための存在だとも述べています。

丸亀製麺麺職人 技術力や経験によって麺職人を4つにレベル分け(丸亀製麺の麺職人たちより)

 技術力や経験によって「一つ星」から「四つ星」までの4つにレベル分けされている「麺職人」。その称号を得るには、いくつかのハードルを越えなければいけません。登竜門である「一つ星」の試験では、100を超えるチェック項目の実技試験と筆記試験を実施。「二つ星」麺職人試験は、自分以外の新たな「一つ星麺職人」を育成する条件など、厳しい複数の条件をクリアした麺職人のみが選抜され、二つ星講習会を受講し、試験に挑戦できます。

丸亀製麺麺職人 麺職人は1069人

 職人は事前の講習会で学んだ内容を自身の店舗に持ち帰り、約2〜3カ月間かけて「習得した知識と技術、心」をより一層磨き込んで、店舗の仲間の協力を得て試験に挑むとのこと。ランクアップ試験では、お客さんからの意見や指摘の数も評価の対象になるそうです。

 ちなみに都内には(77店舗中)26店舗に麺職人が在籍しており(2022年12月末時点)、将来的に全店の麺職人の在籍を目指していると丸亀製麺は述べています。

<都内麺職人在籍店舗>

サンシャインシティアルタ、渋谷メトロプラザ、神田小川町、イオンモールむさし村山、上野中央通り、千歳船橋、新宿御苑前、ThinkPark、町田金井、環八平和台、イオンモール日の出、小平、府中ル・シーニュ、光が丘IMA、あきる野、羽田空港第2ビル、足立加平、青梅、イオンモール東久留米、足立鹿浜、石神井公園駅前、立川若葉、八王子、イオンモール多摩平の森、JR亀有駅、西葛西メトロセンター


ベテランでなくてもなれる?

 「一つ星」の時点で知識と技術が厳しく問われ、「二つ星」では人材を育成し、仲間と協力し、お客さんを満足させられる接客力なども必要とされる「麺職人」。難易度が高そうなため、ベテランでないとなれないようにも思えます。

 しかし、麺職人の受験資格は受験に必要な基準をクリアすれば得ることができ、麺づくりの知識と技術、そして「おいしいうどんを提供したい」という想いを持っていれば、入社1年目で麺職人になる人もいると丸亀製麺は説明しています。とはいえ、麺職人の登竜門となる「一つ星」の試験は2022年度時点最新の合格率が4割程度と厳しい内容のため、シビアな条件をクリアしなければなれないそうです。

 ちなみに、話題になった投稿には“麺”職人の“かき揚げ”がおいしかったと書かれていましたが、麺職人は他の調理にも優れているのでしょうか? 丸亀製麺によると、麺職人はお店のリーダー的な存在でもあり、天ぷらやおむすびなど他のポジションができる人も多くいるそうです。投稿者が出会ったのは、かき揚げもおいしく作れる麺職人だったのでしょう。

 現在、0人の「三つ星」「四つ星」の職人について、今後現れるか聞いたところ、麺職人試験内容を構築中の段階とのこと。「どの麺職人も麺に対する愛情や探求心が旺盛な人ばかりなので、試験制度が整った際は今後、『三つ星』『四つ星』の麺職人が生まれると思います」と回答しました。

 いくつものハードルを越えて得る、麺職人の称号。幸運にも紺が入った制服を着た麺職人を見かけたら、うどんのおいしさへの期待が高まるだけでなく、そこに至るまでのドラマを想像してしまいそうですね。

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