ド真ん中をやると異質になる――超学生、メジャー1stアルバム「超」制作で込めた“狙い”とは(2/3 ページ)

» 2023年02月20日 20時00分 公開
[斉藤賢弘ねとらぼ]

“本当に大変”だった収録曲

―― アルバム中盤に位置している「Let’s go」「Give it to me」についてもうかがいたく思います。この2曲に限り、楽曲提供が海外作家であることに加えて、歌詞もしっとりした感じに仕上げられていて少し異質だと感じました。この2曲を歌うにあたって気を配った点は?

超学生 これも最初の話とつながりますけど、指摘いただいた2曲は目的が先にかなりでっかくあったんですよ。

 例えば「Let's go」は、Maroon 5みたいなポップな洋楽をやりたい、MONKEY MAJIKさんみたいなキラキラポップのド真ん中をやりたいっていうのがあったり。

 また「Give it to me」でいうと、僕が普段から大好きなK-POPのような楽曲のド真ん中をやりたいと考えていました。

 ただド真ん中をやると、結果的に超学生の中では異質になる、っていう不思議な現象がありまして(笑)。

―― 本当にそうなんです!(笑) アルバム全体でもここだけ空気感が違うので、お話をうかがいたくなったんです。

超学生 特に気を付けたことや意識したことでいうと、直球を目指す意図があったので、基本的にはセオリーをたくさん勉強しました。洋楽だったらこういう音のときにどういう技法で歌っているとか、どういう音の重ね方をしているとかそういった視点からとにかく研究して、「それっぽく」やろうっていうのを気にしたんじゃないかなと。

 加えてK-POPだったらエッヂボイス、日本に比べて息をすごくたくさん混ぜて均一に流して歌ってる部分があるなって分析していたので、そういう要素をなるべくマイクに乗せられるようにしましたね。

 この2曲はどちらも宅録だったんですけど、普段全くやらないことだった分、本当にいろいろと気を配って録音したから本当大変でした。

―― 聞いているだけで圧倒されそうです……。そこまで力を注いでメジャー感を狙ったのはなぜですか? こうした狙いはアルバム制作の最初からあったのでしょうか?

超学生 別にこの2曲に限らず、アルバム全てがいうなれば思いつきですね。「ルーム No.4」は、すりぃさんと一緒に何かストーリーのある曲を作りたいっていうのがあったり、「けものになりたい!」は、ピノキオピーさんに「何が好きですか?」って聞かれたところから始まったりと、その都度僕の好きなものをいっぱい詰め込んだ曲をやりたかった。

※6 ピノキオピー……2009年活動開始のボカロP。「神っぽいな」が5000万回以上再生されている他、「魔法少女とチョコレゐト」「ねぇねぇねぇ。」「ノンブレス・オブリージュ」などがYouTubeで1000万回以上再生されている。

 だから、新しい曲で洋楽っぽいこと、K-POPっぽいことをやろうというのは最初から決まっていたというより、相手に作曲をお願いする段階で生まれた要望だったと思います。

―― なるほど……。好きなものを詰め込んだという意味で、「超」は自画像というか、挨拶状みたいな感じなんですね。

超学生 そうですね。「こういうことがたくさんできますよ」っていう自己紹介のようなアルバムが今回作れたので、もしまたアルバムを作る機会があったらそのときは逆に一貫したテーマに沿って作ってみたいなと思っています。

夢は「韓国でライブしたい」「アメリカで音を録りたい」

―― 過去のインタビューで、「自身の世界観が明確になっている方が好き」だという趣旨の発言を拝見しました。歌にとどまらず作詞作曲で、ご自身を表現したいという欲求はあったりしますか?

超学生 あります。何年も前に趣味で曲を作ってはいたんですけど、しばらくなかったので、今年こそは何とか時間を見つけて作詞作曲、できたら編曲やMIXも含めて丸ごと何か作ってみたいなと。

―― そうした際に憧れていたり、漠然と目標にされていたりする人は?

超学生 要素要素で違ってきますが、例えばボカロPのMARETU(※7)さんは本当に昔からやりたいことがずっとブレずに1個あって、それをずっとやり続けている方だなと感じています。やりたいことを見つけて世界観を徹底的に突き詰めていくこと、オリジナル楽曲を作るという点において、目標というとMARETUさんになります。

※7 MARETU……2011年活動開始のボカロP。「マインドブランド」「ホワイトハッピー」「うみなおし」などの楽曲が1000万回再生突破を記録する他、多数の楽曲がYouTube上で数百万回再生されている。なお、超学生は「うみなおし」「ぴんく」「コウカツ」などを取り上げて歌っている。

 また、サウンド面でいうとK-POPが好きなので、Stray KidsさんやSEVENTEENみたいに現在の流行りをちゃんと押さえつつも、自分たちがやりやすい音を追求していきたいですね。両グループともダンスするから、動きやすいサウンドを目指すとか。

 こうした特長をふまえた上で、僕の目的にあった音を目指していけたらなと思っています。

―― 「メジャーデビュー」「ファーストアルバム完成」「3月のワンマンライブ」という3つの夢が今回かないました。現在見据えているさらなる夢は?

超学生 映画の主題歌です。映画が好きでよく見にいくので、劇場で自分の歌を聞きたいなっていうのが、今抱いている一番大きな夢ですね。

―― ご自身で作詞作曲した歌だったらもう最高では?(笑)

超学生 どうですかね!?(笑) そうなるともう何年か必要な気がしてきちゃいますけど、確かにそれもすてきですね!

 細かい夢でいうと、お話のとおりワンマンライブがありますが、今年はいろんなところを回りたいなっていう希望があって。僕のリスナーさんにも「ここに来て」「あそこに来て」って、昔からありがたいことにたくさんお声掛けいただいているので、なるべく多くのところを巡って会いに行きたいなって思っています。

―― リスナーといえばSNSを見た限り、海外のファンも目立ちますね。

超学生 YouTubeチャンネルに関しては、国外からのリスナーさんも本当にたくさんいらっしゃいます。海外でもライブできる機会があったらなって。

―― 海外でライブできるとしたら、最初の場所はどこにしますか?

超学生 やっぱり韓国でライブしたいです!

―― やっぱりそうなりますよね。

超学生 韓国のリスナーさんも純粋に多いので、そういう意味でもぜひ韓国でやってみたいです。

 あとはアメリカに行って音を録りたいな。日本とは機材や湿度、それこそ電源なども違ったりするみたいなので、ぜひ行って試してみたい。

―― 現地のプロデューサーやエンジニアとも組んでみたいと?

超学生 はい。レーベルの方にうかがったんですけど、音の作り方が日本と全く異なるって。そういうのもいい経験になるんじゃないかなと思うので、ぜひいつかやってみたいです。

リリース情報

メジャー1st Album「超」(ポニーキャニオン)

リリース日:2023年2月15日(水)

詳細はこちら

超学生のメジャー1stアルバム「超」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/14/news189.jpg 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  4. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  5. /nl/articles/2411/15/news016.jpg 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  6. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. /nl/articles/2411/15/news009.jpg 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. /nl/articles/2411/15/news058.jpg 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. /nl/articles/2411/14/news023.jpg “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声
  10. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた