「インド映画にも出ようかな」 大和田伸也、70代でゲーム実況動画デビューできた“挑戦し続けるコツ”:私の人生が動いた瞬間(2/2 ページ)
自分を打破するきっかけになった高倉健の言葉
――大和田さんは、長いキャリアの中で不安や挫折をしたことはありますか?
大和田 僕は、NHK連続テレビ小説「藍より青く」(1972年)で国民的なブレイクをした後、いろいろな作品の主役を多くいただくようになったのですが、どれもそのときのイメージを引っ張っているような、誠実な日本青年の役だったんです。
僕は、そういう似たような役ばかりをやるのではなくて、もっといろいろな役に挑戦したい。役者として、これからどんな成長をしていこうか、どうしたら自分を打破できるか悩んだことがあるんです。
――試行錯誤されていたんですね。
大和田 そんなときに昔から大ファンの高倉健さんが東映を退社されて、映画「君よ憤怒の河を渉れ」(1976年)を作られるというので、健さんと一緒に映画をやりたいと思ってですね、マネージャーを通さず自分で映画会社まで行って、プロデューサーと監督にお会いしたんですよ。
そこで、監督が台本を持ってきて、<老刑事>と書いてあるところを消して、<若い刑事>にしてくださって、出演することになったんです。
――その場で変更されたんですか。すごいですね
大和田 そのとき健さんに「僕は、木であったら枝葉のようにいろんな役をやっていきたい」という話をしたんです。そうしたら健さんから、「伸也さん、役者っていうのは、枝葉だけをやろうと思ってもできない。大きな幹になりなさい。全てを、内包するような、大きな幹になりなさい」と教えていただいたんです。
そこでハッと気が付いて、俳優だけではなく人間としても大きな幹になろうと、そこからはいろいろやりましたね。今思えば、朝ドラのヒロインの相手役でブレイクしたけど、「カムカムエヴリバディ」(※)ではヒロインのおじいちゃんの役までやって、ひとつの終結かなと思ったくらいでした。もういいやと思ったくらいうれしかったですね。
※カムカムエヴリバディ: 2021年11月から2022年4月まで放送された連続テレビ小説第105作。大和田さんは、御菓子司「たちばな」の創業者で、ヒロイン・橘安子(上白石萌音さん)の祖父・橘杵太郎役を演じた。
――大和田さんがいろいろなことに挑戦されているのは、健さんのそのお言葉がきっかけだったりするのでしょうか?
大和田 あぁ、そうかもしれないね。もともと好奇心が旺盛ということもあるかもしれませんが、舞台の演出をしたり、映画をつくったり、「ライオンキング」で声優をやったり、オペラまでやっちゃったしね。そういうのを、大変だなというよりも、全部ワクワクしながらやっていたんです。
もちろん、大変なこともたくさんあります。オペラなんかはドイツ語を覚えるところから始めないといけませんし。でも、好奇心で満たされるのが楽しいですよ。
――「ぐるナイ」で金髪にされたのも好奇心からですか……?
大和田 金髪は1回やってみたいと思っていたんですよ。そうしたら、外国の俳優さんみたいだって言ってくださる人もいてね、僕も自分の姿を見てびっくりしましたけど、「以外と似合うじゃん」と思ってね(笑)。
――バラエティーにもたくさん出演されていましたよね。特に、「絶対に笑ってはいけない新聞社24時」でのシーンは、世代的にすごく刺さっています。
大和田 バラエティーはもともと、「何か面白いことを言わなければ」と思って苦手意識があったのですが、「環境野郎Dチーム」(※)のプロデューサーが「大和田さんは面白いことを言おうとしなくていいんです。そのまま、自然に発する言葉が面白いんだ」と言ってくださってから、自然体で楽しくやれています。言われるがままにね(笑)。
※環境野郎Dチーム: 2007年4月〜9月までフジテレビ系列で毎週月曜深夜に放送されていた情報バラエティー番組。60歳前後の俳優たちが出演し、「環境問題」をテーマにさまざまな問題を討論し、コントも披露するシュールな演出が特徴的。
まだまだやりたいことはたくさんある 「インド映画にも出ようかな(笑)」
――新しいことに挑戦し続けるコツはありますか?
大和田 僕は20代から色紙などを頼まれたとき、夢と情熱という言葉を必ず書くんです。大きな夢じゃなくたっていいです。情熱を傾けることが大事で、それがあれば、夢が大きくても小さくてもかなわなくても、それがある限り、年齢は関係なくその人の青春は続くという考えでずっと生きてきたんです。それを続けていれば楽しくやっていけるんじゃないかな。
僕は基本いろいろなことに興味があるから、まだまだ挑戦したりないことがたくさんありますよ。
――現在挑戦したいと思っていることはありますか?
大和田 若いころから外国映画に出演したいという思いはずっとあります。ドイツ映画とか中国映画にも出たことありますし、まだまだアメリカ映画にも出たい。インド映画にも出ようかな(笑)。
――インド映画! 躍りますか!
大和田 躍りましょうかね(笑)。そうやって、自分が面白いと思うものを見つけて、そう感じたのならやってみるということが大事なんじゃないですかね。年齢関係なく新しいことにチャレンジしていくということは、そういうことなんじゃないかな。
取材協力
「アソビバ Toys Cafe STUDIOKENSUKE」
住所:神奈川県横浜市港北区新横浜3-16-15 磯栄ビル新横浜 4F B
営業時間:13:30〜17:30
※営業日については、店舗ホームページやTwitterでご確認ください。
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制作はアニメ「鷹の爪」などで知られるディー・エル・イー。
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