京都から佐世保まで“歩いて”帰省 31泊32日で868.1キロを踏破した旅人が「偉業」「昔の人の苦労が分かる」と話題(1/2 ページ)

長旅を終えたそううんさんに話を聞きました。

» 2023年03月20日 17時35分 公開
[沓澤真二ねとらぼ]

 京都府から長崎県の佐世保まで、徒歩で帰省した大学生が「偉業」「なんて健脚」と話題です。総距離868.1キロ、31泊32日の壮大な旅……! ねとらぼ編集部では、話題の大学生に話を聞きました。

旅人 話題の大学生による壮大な移動
旅人 京大のクスノキからスタート!
旅人 それから約1カ月、故郷の佐世保駅へ到着

 投稿者のそううん(@soun142857)さんは、徒歩や鉄道の旅が好きな京大生。この春休みを利用して、2月12日に故郷の佐世保を目指し、京都をたちました。

 大阪に着いてからは主に国道2号線を通り、兵庫から岡山、広島へと歩む日々。節約のため、宿泊先はほぼネットカフェで、3日に1回はビジネスホテルを使っていたそうです。

 食事もネットカフェのサービスやファミレスの平日ランチ、スーパーの割引弁当で節約しつつ、地域の名物を堪能するそううんさん。ただ、1日に30キロ近くも歩くため4食でも足りず、費用対カロリーの高い食パンで補っていたといいます。

 

 

 歩き続けること約3週間、そううんさんはいよいよ山口県へ到達。関門トンネル人道で関門海峡を渡り、九州へ上陸しました。

 

 

 

 博多に着いてからは太宰府や鳥栖を通って佐賀へ。歩き続けて32日目、そううんさんはとうとう故郷のある佐世保駅までたどり着きました。

旅人
旅人

 かかった旅費の総額は約17万円。うち約11万円が宿泊費で、食料費は約4万7000円。新幹線を使用した場合に比べ、費用は9倍、時間は135倍かかっているそうです。

 困難を達成したそううんさんには、「お疲れ様でした」と、多くのねぎらいの言葉がかけられました。その一方で、「昔の人の苦労がしのばれる」「江戸時代のお伊勢参りってぜいたくだったんだな」「参勤交代の諸大名の力を削る効果をあらためて認識した」といった意見も見られます。

投稿者「またお金を貯めて東海道五十三次を歩きたい」

 ねとらぼ編集部ではそううんさんに取材し、道中の苦労など詳細を聞きました。

――なぜ京都から佐世保まで歩こうと思ったのでしょうか。

そううんさん地理と地学が好きで、いろんな街を巡ってみたいのと、「無駄」とみなされるがゆえに誰もやろうとしない非合理なことを、時間があるうちにやりたいという思いからです。

――1日約27キロのペースでしたが、お休みした日もありましたか? また、最長1日何キロ移動したのかも教えてください。

そううんさんまったく歩かないという休みの日はありませんでしたが、1日15キロしか歩かないような日を定期的に作って休憩していました。また、1日の最長距離は広島県竹原市から呉市までの43キロです。

――疲れたり足が痛くなったり、身体への負担はありませんでしたか?

そううんさん事前に京都から名古屋まで歩くなどして、無理なく自分が歩き続けられるペースをつかんでから行ったので、疲れや負担は多少あれど平気でした。ただ、足のマメは大敵でした。

――道中で寄り道や観光はしましたか?

そううんさん神戸や広島の街中を観光したり、太宰府天満宮に行ったりと、歩く距離が伸びない範囲で観光しました。観光にかかった費用は、食費で計上しているご当地グルメを除いて3000円くらいだと思います。

――道中で印象に残った出来事などありましたら教えてください

そううんさん地域の人と話す機会が何度かあったのですが、京都から歩いてきたと明かしたときの驚き方が皆同じで面白かったです。それが西へと歩くにつれ、皆さんの方言が関西弁から広島弁、九州弁へとグラデーションのように変わっていったのが興味深く、同時に自分が旅した距離の長さに気付かされました。

――最後に、旅を終えての感想はいかがでしょうか。

そううんさんここまでの長旅は初めてだったので、刺激的な経験を得られ、やって良かったと心から思いました。また、日本の交通網のありがたみを身をもって再認識しました。地理好きの感想としては、訪れるその町その地域のそれぞれの良さを感じられた一方、過疎化した地方が寂れている現実も非常に気になりました。とても費用はかかりますが、得られる経験は多いので、またお金を貯めて東海道五十三次を歩きたいと思います。

画像提供:そううん(@soun142857)さん

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