黒澤明「どですかでん」原作を宮藤官九郎が映像化 「季節のない街」Disney+で8月独占配信
原作は山本周五郎さんの小説。
ドラマ「季節のない街」(全10話)が、8月9日に動画配信サービス「Disney+」の「スター」で一挙独占配信されます。同作の企画と監督、脚本を手掛けるのはドラマ「池袋ウエストゲートパーク」などの作品で知られる宮藤官九郎さんです。
原作は山本周五郎さんが手掛けた同名小説。1970年公開の黒澤明監督作品「どですかでん」の原作となっており、誰もがその日の暮らしに追われる、裕福とは言えない“街”を舞台に弱さや狡さを隠さずたくましく生きる住人たちの悲喜を描いた物語です。
宮藤さんによる「季節のない街」では、舞台となる「街」を、12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある「街」へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失い「街」にやってきた主人公が、住人たちの姿に希望をみつけ人生を再生していく青春群像エンターテインメントとして描かれます。
配信情報と合わせて、同作の第1弾ティーザービジュアルも公開。壁に大きく電車が描かれた仮設住宅と、住人たちの決して裕福ではなさそうな暮らしぶりがうかがえる生活感にあふれた物をコラージュしており、中央でたなびく大きな「大漁旗」と合わさって、この「街」に住む人々の生命力あふれる姿を象徴したビジュアルとなっています。
宮藤さんとともに監督を務めるのは、「いとみち」(2021年)などで知られる横浜聡子さんと、「ドライブ・マイ・カー」(2021年)に監督補として参加した渡辺直樹さん。同作の音楽を大友良英さんが手掛け、撮影として近藤龍人さん、美術として三ツ松けいこさん、衣装として伊賀大介さん、照明として尾下栄治さん、編集として宮島竜治さん、録音として山本タカアキさんが参加します。
原作『季節のない街』に20歳で出会って以来ことあるごとに同作を読み、また「どですかでん」への愛着を明かしながら“映像化するとしたら、自分ならどうするか”を長年考えていたという宮藤さん。「今回は自信がある。紛れもなく、一番やりたかった作品で、これを世に出したら、自分の第2章が始まるような気がしています」とコメントで手応えを伝えています。
企画・監督・脚本:宮藤官九郎さんコメント
黒澤明監督作品の中で「どですかでん」が一番好きで、その原作小説『季節のない街』に20歳で出会い、その高ぶりのまま演劇を始めました。以来、こといあるごとに原作を読み、なぜ黒澤さんはこのエピソードを削除し、あのエピソードを膨らませたのだろう、という疑問が沸き始めました。そもそも短編集なので1話完結の連続ドラマになるんじゃないか?(…と思ったら60年前に森繁久彌主演でドラマ化されてました)とか、現代に置き換えるなら、舞台は仮設住宅かな?とか、電車ばかの六ちゃんは誰がいい?とか、伴淳三郎さんの役はあの人? 田中邦衛さんの役はアイツしかいないとか、そんな妄想を抱きつつ30年、無理だよな、無理なんだろうな、と諦めかけていたところに、ディズニープラスさんが面白がってくれて日の目を見ました。びっくりするくらいすばらしいキャスト、最高のスタッフ、びっくりするくらい寒暖差の激しいロケ地、怖いほど条件がそろってしまったので、失敗は許されないというプレッシャーと闘いながら、2カ月半のロケは夢のようにすぎていきました。どうしよう。今回は自信がある。紛れもなく、一番やりたかった作品で、これを世に出したら、自分の第2章が始まるような気がしています。世界中の人に観てほしいので拡散お願いします。
STORY
“ナニ”から12年――この街には、“ナニ”で被災した人々が身を寄せる仮設住宅があった。今もまだ、18世帯ものワケあり住人が暮らしていたが、月収12万超えると「即立退き」とあって、みんなギリギリの生活を送っていた。主人公の田中新助こと半助は、街で見たもの、聞いた話を報告するだけで「最大1万円!」もらえると軽い気持ちで、この街に潜入する。だが、半助こそ“ナニ”によって何もかも失い、ただ生きているだけの男だった。しかし、ギリギリの生活の中で、たくましく生きるワケあり住人らを観察するうち半助は次第に、この街の住人たちを好きになっていく。そんな中、仮設住宅が取り壊されるといううわさが街に流れはじめるのだが……。
ドラマ「季節のない街」作品情報
- 原作:山本周五郎『季節のない街』
- 企画・監督・脚本:宮藤官九郎
- 監督:横浜聡子、渡辺直樹
- 音楽:大友良英
- 撮影:近藤龍人
- 美術:三ツ松けいこ
- 照明:尾下栄治
- 編集:宮島竜治
- 録音:山本タカアキ
- 衣装:伊賀大介
- 配信:Disney+「スター」で8月9日から全10話一挙独占配信
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