ワーナーCEO、ボストン大卒業式で「作家に金を払え!」の大合唱&ブーイング浴びる 笑いこらえる教授たちも話題に

全米脚本家組合のストライキを支持する学生たち。

» 2023年05月22日 16時50分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーのCEOであるデヴィッド・ザスラフが、5月21日(現地時間)に行われた米ボストン大学の卒業式でスピーチした際、盛大なコールとブーイングを受けるという事態が発生。これは5月2日から開始された、全米脚本家組合(WGA)がワーナーやディズニーを含むテレビや映画製作会社を代表する全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)との交渉が合意に至らなかったため決行したストライキに起因するものです。

ボストン大学卒業式でワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフCEOへブーイング ボストン大学の卒業式(画像はボストン大学のInstagramから)

 卒業式でザスラフCEOが壇上へ立ちスピーチすると、学生たちやオーディエンスからは「作家に金を払え!」の大合唱が巻き起こり、あまりの勢いに思わずスピーチを中断せざるをえないというひと幕も。

 前職の弁護士ではあまり情熱を感じられなかったことを語ったザスラフCEOが「私はお金をたくさん稼いでいたし、本当にいい気分だった」と述べると学生たちの声は最高潮に達しました。ザスラフCEOは黒いサングラスをかけ表情はみえませんが、それでも動揺していることが伝わってくるほどです。

 この動画をWGAのメンバーや支持者らがTwitterで拡散。米深夜トーク番組「レイト・ナイト・ウィズ・セス・マイヤーズ」のライターであるマイク・スコーリンズが「ボストンで“作家に金を払え”の合唱に殴られるザスラフ。すごくいいな」とコメントした他、同じ動画を脚本家のトッド・スペンスも投稿し、やはりボストン大学の卒業生である民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員が引用リツイートして声援を送りました。さらに当該投稿を全米脚本家組合のアカウントがリツイートしています。

 また、リプライ欄では「このスピーチ誰が書いたんだよ」とライターたちはストライキ中であるためザスラフCEOのスピーチを書く人がいないという指摘や、「ボストン大学の卒業生たちを誇りに思うけど、ザスラフをスピーチに呼んだのは誰だよって感じ」と卒業生からの声などが寄せられています。

 さらにザスラフCEOがボストン大学の学長であるロバート・A・ブラウン博士から紹介を受けた際、やはり一斉にブーイングを受けてしまう動画も拡散されています。大きなブーイングのなか、後ろに控える教諭らがパラパラと拍手を送りますが、彼らもまた笑いを必死でこらえる表情を隠しきないもよう。

 リプライ欄ではそれに対する指摘が相次ぎ、「この先生に卒論みてもらいたいな」「先生たちも楽しんでるみたいだよね」などのコメントが並びました。

ボストン大学卒業式でワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーのデヴィッド・ザスラフCEOへブーイング ブーイングを受けてしまったデヴィッド・ザスラフCEO(画像はボストン大学のInstagramから)

 WGAによる前回のストライキは2007年から2008年に決行され、今回は約15年ぶり。その間に作家を取り巻く環境は大きく変化しており、ストリーミングサービスの普及やAmazon Prime、Netflixなど配信会社がオリジナル作品を製作しはじめたことなどで、多くのライターたちは労働時間は増え収入は減るという危機的状況に。

 WGAは1作品につき雇用する作家の人数や雇用期間の保証、ストリーミング放送に対しどれだけ視聴されたかに応じた報酬などをAMPTPに対し交渉。またAIに自身の仕事を奪われる可能性という新しい脅威も出現しており、WGAはChatGPTなどの人工知能に脚本を書かせたりリライトさせないことや、彼らが書いたものをAIに学習させないことなども要求しています。しかし両者はいまだ合意に至っておらず、ストライキは続行されています。

 今回のWGAによるストライキには、米ドラマ「フレンズ」「セックス・アンド・ザ・シティ」などへの出演で知られる米俳優ジェニファー・クーリッジも支持を表明。

 還暦を超え「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル」などへの出演で再ブレイクした彼女は5月7日に開催された「MTVムービー&TVアワード2023」でコメディック・ジーニアス賞を受賞した際、WGAによるストライキに言及。

 「ほとんど全てのすばらしいコメディはすばらしい作家からはじまるもの。全米映画俳優組合の光栄なるメンバーとして、私はWGAの兄弟姉妹の味方です」とし、「彼らは今、世界中の作家たちのために戦っているんです」と今回のストライキは彼らだけではなく全ての作家への権利につながる動きであると述べました。

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