加藤未唯、相手ペアの猛抗議により全仏ダブルス失格で同情と怒りの声 賞金&ポイント没収には「ありえない」(1/2 ページ)
最初は失格じゃなかったのに……。
6月4日の全仏オープン女子ダブルス3回戦で、日本の加藤未唯選手とインドネシアのアーディラ・スーチャディ選手が失格となった問題で、相手ペアが審判へ抗議し失格にさせたものとしてテニスファンから批判が巻き起こっています。テニス関係者からも決定に疑問を呈する声が相次ぐ中、加藤選手とスーチャディ選手は試合についてコメントを出しています。
第2セットの第5ゲーム中、加藤選手が自コートに落ちていたボールをバックハンドで軽く相手コートに返球したところ、ボールガールの頭部へ当たってしまい、泣かせてしまうという出来事が発生。
加藤選手はすぐにボールガールへ謝罪し、審判も失格ではなく警告を与えました。しかしこのあと、「REUTER」が報じたところによると、相手ペアであったスペインのサラ・ソリベス・トルモ選手とチェコのマリエ・ブズコバ選手が審判へ抗議。
一部報道によるとボールガールが泣いていることやケガをしていることの深刻性を訴えたとされており、審判は抗議を受けたあとボールガールと話し、加藤選手とスーチャディ選手を失格に。涙を流す加藤選手をスーチャディ選手が慰めつつ、2人はコートを去ることになりました。
加藤選手は試合後、Instagramにコート上の自身を写したセピア色の写真を投稿。そして「今日、ダブルスの試合で起こった不幸な事故について、ボールガール、パートナーのアーディラとそのチーム、ファンのみなさんへ、心からお詫び申し上げます。全く意図しなかったことであり、本当に申し訳ありません」と英語で謝罪のコメントを添えました。続けて「明日は混合ダブルスの試合があるので、前に進み、ベストなプレーができるように頑張ります。多くの応援に感謝いたします」と混合ダブルスへの意気込みを伝えています。
中国のジェン・サイサイ選手はこのコメントへ、「動画を見たけど、彼らの下した決定には全然同意できないよ。混合ダブルス頑張ってね」と審判の決定に賛同できないとし、拳の絵文字を3つ添えて加藤選手を鼓舞しています。ほかにもファンからは、「あなたが謝ることは何1つないよ!」「全くもって不当なことでした。審判は警告を与えるだけでよかったんです。あなたはとても良いプレーをしてました」と加藤選手をサポートする声が並んでいます。
また、加藤選手はTwitterで先のコメントに加え、全仏から賞金とポイントの没収というペナルティを受けたことも伝えています。このツイートを加藤選手とも対戦経験のある土居美咲選手が引用し、「賞金とポイント剥奪。。ありえない。。」と絶句。
試合の動画を見た感想を「これで失格は可哀想すぎる。動画を見てもボールを渡しただけにしか見えない。当たっちゃったのは事実だけど。ボールガールがキャッチできてたら、泣かなかったら、相手が抗議してなかったら、失格ではないの? 他の試合で同じ様な状況でも警告で済む事は沢山ある。じゃあ、基準は何?」とツイートし、やはり決定は疑問の残るものであるとしています。
過去、2020年の全米オープン男子シングルスではセルビアのノヴァク・ジョコヴィッチ選手がコート後方に打ったボールが誤って線審の女性の喉元へ当たり、失格になるという出来事がありました。このときにはジョコヴィッチ選手は故意ではないと主張したものの、あきらかに試合中のいらだちをボールにぶつけた様子がみてとれ、「軽率」であったと判断されたケースとなりました。
加藤選手のペアであるスーチャディ選手も同時刻、自身のInstagramへコートを去る2人のモノクロ写真を投稿。「みなさん、今日は私たちへの愛と応援をありがとう(涙ぐむ顔文字)。とてもタフな1日で、私はまだ今日起こった出来事に言葉を失っています。ただのテニスの試合であったはずなのに、ドラマチックな話になってしまいました。ファンのみなさんには試合がこんな終わり方になってしまい申し訳なく思います。私たちは正しいことのために戦います」とつづり、加藤選手は5日、スーチャディ選手は6日に試合のある混合ダブルスでベストを尽くすと結んでいました。
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