細谷佳正「声優を志すようになってから23年」 山寺宏一と共演がかなった「ザ・フラッシュ」吹替インタビュー(2/2 ページ)
細谷佳正に細谷佳正がツッコむ 複雑だったマルチバースの役作り
―― 細谷さんは今回、これまで演じてきたバリーに加えて、別のユニバースのバリーを担当しています。同一人物ではあるものの一人二役を演じるということで、演じ分けや役作りはどう進めましたか?
細谷 主人公のバリーをバリーA、マルチバースの方をバリーBとすると、バリーAをやっている時は「母親を救いたい」「父親の無罪を証明したい」って思いがすごく強くて、途中でバリーBが出てきた時に、もう今までのようにおちゃらけることができない。めちゃくちゃ酔っぱらっている人が横にいるから、自分は全然酔えないみたいな感じにバリー自身もなってるんです。それを見た時に、バリーが主人公になっているなと。
「ジャスティス・リーグ」や「スナイダーカット」の時は、ただおちゃらけてるオタクの少年みたいな印象が強かった。けど今回は、自分は思いを果たさなきゃいけないし、母親を救いたいし父親の無罪を証明したいし、だけどこの言うことを聞かない自由すぎる少年の要求に耐えないと、へそを曲げられたらいけないって大人になっていく様子があったんですね。そういう意味ではバリーAの方が自分のパフォーマンスが今どういう風に組み上がっていて、何が効果的なのか分かりやすかったっていうか、やりやすかったです。
Bの方はその反動で、責任感だったり耐えたりとか秘密をずっと持ってるとか影を持ってるっていうのが全くない。せりふを相手に言う時も、相手にちゃんと言うっていうよりもこの辺に散らかってるみたいな。言いたいことばっかり言っているみたいな感じだったので「大丈夫なのかな?」っていうことはありました。
ただ今回特殊なのは、バリーBが発した言葉にリアクションするのも自分なので、2人を使って1人でシーンを作っている感覚があって、面白くかみ合うように自分で考えながらやってました。Aを先に撮って、後からBを撮る中で、自分が撮ったバリーAのせりふを流してもらいながらBを収録できたし、Aを収録するときはBを流してもらいながらできたので、スタッフに助けられました。
―― 山寺さんは1992年公開の「バットマン リターンズ」以来、約30年ぶりにマイケル・キートンが演じるバットマンをご覧になっていかがでしたか?
山寺 声を聞いて、年をとったなって(笑)。当然ですけどね、あそこから30年ぐらいたってるわけですもんね。もちろん役柄としてももうヒーローは引退した、そういう年齢の人ですし、同じ時間軸を生きてるわけですから僕も年をとりました。マイケル・キートンさんは僕より10歳くらい上なんです。昔やった時はちょっと背伸びした感じだったんですけど、ここまで来ると年齢は関係ないのかな。61歳だろうが71歳だろうが。
それよりブルースは今までどういう経験をしてそこに至ったのかを想像して、その上でマイケル・キートンは芝居しているわけですから、マイケル・キートン本人の芝居に寄り添うことが一番。あくまで吹替ですからきめ細かく表情を、目を、眉毛を見て、声を聞いてどんな感じで言ってるのか、なるべくそれを日本語で再現する。吹き替えはいつもそのやり方でやっています。
もしタイムスリップして過去を変えられるとしたら?
―― 映画にちなんだお話も。もしフラッシュのように、過去に戻ってやり直す能力があったとしたら使いたいでしょうか?
細谷 めちゃくちゃ面白くない答えですけど、僕はないですね。今の自分が嫌いではないし、好きなんでしょうね。だから過去に戻って何か変えちゃったら今が変わっちゃうって思うと、そうする必要はないなっていうタイプです。
山寺 でも本当そうですよ。都合よく何でも変えちゃったらキリがない。反省や後悔なんて何個もあるし、失敗したとか言わなきゃよかった、言えばよかったなんてことはいっぱいありますけど、それがあって今の自分ですから。細谷くんと全く同じで変えたくないってのは一緒です。
ただ真面目な話をすると、この映画では母親の命を救うため過去をやり直そうとするじゃないですか。世の中仕方ないことがあると同時に、なぜ死んでしまったのかという命はいっぱいあって、それを食い止められるんだったらね。特に大勢の人が亡くなった大災害なんて、何か自分にできることがあったんじゃないかとずっと思っています。何日か前に戻ってこうすればよかったと真剣に考えたことがある。でもそうできないのが人間、生きるもの全て。
個人的なことだと、この間新しいベッドのマットレスを買ったんですよ。
細谷 話の規模が……。
山寺 相当いいやつを買ったんですよ。1年以上吟味して、人に聞いたりいろんなネットで調べたり横になったりして買ったんです。そうしたら、次の日から腰が痛い。
細谷 (爆笑)
山寺 ちょっと柔らかすぎた。でも受注生産で特別に作って、値段もしたし悔しいし……。その上に何か敷こうかなと思っています。固いやつを。だから時間をさかのぼって、もうちょっと固めにすればよかったなってのはのはあります。
細谷 貴重な話でした。
―― ぜひマットレスがどうなるのか、Twitterなどで続報を楽しみにしてます。
山寺 分かりました!
細谷 報告の義務が生じてしまった(笑)。
『ザ・フラッシュ』
6月16日(金)世界同時公開
吹替版同時上映 IMAX(R)/4DX/Dolby Cinema(R)/ScreenX(一部劇場を除く)
監督:アンディ・ムスキエティ(『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(17))
出演:エズラ・ミラー/ベン・アフレック/マイケル・キートン/サッシャ・カジェ/マイケル・シャノン
配給:ワーナー・ブラザース映画 (C) 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (C) & TM DC
公式サイト:flash-movie.jp Twitter:@dc_jp Instagram:@dcjapan TikTok:@dcuniversejp 映画 公式ハッシュタグ #ザフラッシュ
プレゼントキャンペーンのお知らせ(応募は終了しました)
ねとらぼエンタの公式Twitterをフォローし、本記事を告知するツイートをRTしてくださった方の中から抽選で1名に細谷佳正さんと山寺宏一さんのサイン入り写真をプレゼントするキャンペーンを実施します。リプライでの感想もお待ちしています!
Twitterキャンペーン応募方法
(1)ねとらぼエンタ公式Twitterアカウント(@itm_nlabenta)をフォロー
(2)本記事の告知ツイートをRTで応募完了
リプライでの感想もお待ちしています!
注意事項
- 締切期限は6月25日正午
- 当選者には編集部よりDMにてご連絡いたします。DMが解放されていない場合には当選無効となりますのでご注意ください
- いただいた個人情報はプレゼントの発送のみに使用し、送付後は速やかに処分します
- ご応募完了時点で、アイティメディアのプライバシーポリシーへご同意いただいたものと致します。応募前に必ずご確認ください
関連記事
- 宮野真守、最近は「混乱しています」 多忙でも多様なキャラを演じこなす原動力 「シャザム!〜神々の怒り〜」インタビュー
宮野さんが持つ6つのスーパーパワーについても聞きました。 - 「今度は沖縄で怪獣と戦いたい」見た目はオトナ、中身はコドモの異色ヒーロー演じるザッカリー・リーヴァイ 「シャザム!〜神々の怒り〜」インタビュー【ネタバレ追記あり】
ザッカリー・リーヴァイを構成する「S.H.A.Z.A.M」とは?【ネタバレ追記あり】 - ヘンリー・カヴィルがスーパーマン交代を発表 「衛兵の交代は起こるもの」
DCスタジオ共同CEOのジェームズ・ガンが新たなスーパーマンにヘンリーを起用しないことを明らかにしていました。 - 「(オファー)来なかったら声優やめるわ」 山寺宏一が明かす、再びの「アラジン」ジーニー吹替えに秘めた思い
エゴサ駆動の“Mr.ジーニー”が胸中を告白してくれました。 - ここで言えない何かがある劇場版『攻殻機動隊 SAC_2045』 田中敦子、大塚明夫、山寺宏一のオリジナルキャスト3人に聞く本音
押井守版『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』から四半世紀以上、作品世界をともに創り上げてきた3人の実像と本音に迫りました。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」