窓の外から話しかけてくるガリガリの猫、心配だけど「外飼いの子?」 発見時のリアルな葛藤描いた漫画に反響「保護してと気軽には言えない」

もし目の前に野良猫が現れたら……。

» 2023年08月20日 21時00分 公開
[あだちまる子ねとらぼ]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 ガリガリに痩せ細った猫が庭に現れ、葛藤する思いを描いた漫画がX(Twitter)に投稿されました。漫画は記事執筆時点で5万8000件以上のいいねを獲得、584万6000件以上の表示数を突破しています。ねとらぼ生物部では作者のAKR(@bou128)さんにお話を聞きました。

猫漫画1 庭に現れた猫ちゃん、やけに人懐こくて……

 投稿者は「ろん」くん、「まめ」ちゃん、「みたらし」ちゃんという3匹の愛猫たちと暮らすAKR(@bou128)さん。ある日、AKRさんは自宅の庭にいる野良らしきキジトラの猫ちゃんを発見しました。

猫漫画1 めっちゃ話しかけてくる猫ちゃん

 猫ちゃんは数日後も庭に現れ、窓越しにろんくんとおしゃべりをするように。その後も毎日のように現れ、ついには“24時間ほぼ”庭にいるようになりました。

 とても人懐こく、AKRさんに「ニ゛ャー」「ニ゛ャーン」と話しかけてくる猫ちゃん。窓に体を押し付け、家の中に入ろうとする行動を見せるようになり、AKRさんは猫ちゃんが人馴れしている様子から「外飼いの子なのか……?」と疑問を抱くようになります。

猫漫画2 よく見ると体がガリガリ! どうしよう……

 見守ることさらに数日、猫ちゃんがガリガリに痩せていることに気付いたAKRさん。「ずっと同じところで寝てるし」「君とてもなつこいし」「狩りできないぽいし」と、脱走した飼い猫である可能性を疑い始め、迷子猫として届け出がないか、警察と保健所へ問い合わせることにしました。

 しかし、猫ちゃんに関する届け出はなく、近所の動物病院や掲示板を調べても情報が見つかりません。AKRさんはテレビから流れる猛暑や台風のニュースを聞き、葛藤の末、猫ちゃんの保護を決意します。

猫漫画3 AKRさんの覚悟と行動力に感服です

 キャリーバックへすんなりと入った猫ちゃんを動物病院へ連れて行き、健康面などを確認したAKRさん。猫ちゃんは推定1歳半の男の子で、血液検査の結果は陰性、またマイクロチップと避妊手術の形跡がないことから、“居候”として猫ちゃんを自宅へ迎え入れることにしました。

保護猫漫画2 すでに家猫の自覚が……!
保護猫漫画3 現在、下痢と嘔吐は治ったとのこと。よかった!
保護猫漫画4 ろんさんは客間を気に入った

 現在、猫ちゃんこと「居候」くんは体調面を考慮し、用意した隔離部屋で過ごしているとのこと。相変わらずとても人懐こく、しばらくの間は下痢と嘔吐が続いたものの、順調に体力を取り戻しているそうです。今後は回復次第、AKRさんの弟さんが居候くんを迎え入れる予定とのこと。

 リプライ欄や引用リポストには、「優しいお宅に巡り会えて良かった」「素敵な人…」と、居候くんとAKRさんとの出会いに感謝する声や、「すごいなこんなこともあるんか……」と、居候くんとの突然の出会いに驚く声のほか、「うちもこれで家族が増えてしまったよ」と、同様の保護エピソードを持つ人からの声も寄せられています。

 ねとらぼ生物部では、居候くんと先住猫ちゃんたちとの様子や、猫ちゃんを保護するかどうか迷っている人へのメッセージなど、AKRさんにお話を伺いました。

―― 居候くんの保護当時の体重と現在の体重が分かれば教えてください

 保護当時は体重3.4キロで、現在は3.55キロとちょっとだけ増量しました。保護して3日くらいは下痢や嘔吐などの症状があったため、動物病院からの指示のもと食事量を減らしておりましたが、今は症状がなくなり普通の量を食べられるようになりました。これから徐々に増えてきてくれればいいなと思います。

 体長や足の大きさを見るに、ろんに迫るくらいの大きさなので、正常な体形になれば5キロ近くになるのではないかと想定しています。

―― とても懐っこいとのことですが、特に驚いた懐っこい行動などがありましたら教えてください

 保護するとき、餌でおびき寄せてケージへ入れようとしたのですが、餌にはほぼ見向きもせず人間の足元にすりより、「頭をなでてほしい」というように手に頭を擦り付けてきました。だっこも喜んでされてくれたので、かつてないほど保護がラクチンでした。動物病院でもスタッフさんや先生に甘えまくり&話しかけまくっていて笑われていました。

―― 居候くんのお名前は決まりましたか?

 引き取り先、第一候補の弟が「しんばにする」と言い張っているので、「しんば」になると思います。ちなみになぜしんばかというと、弟の先住猫「むーちゃん」がライオンキングの父王「ムファサ」からきているからだそうです……。

―― 居候くんと先住猫ちゃんたちの様子はいかがでしょうか?

 ろんは歓迎している様子です。隔離部屋のドア越しで元気に大きな声でお話ししている様子が聞こえてきて、たたき起こされます(笑)。

 みたらしは最初はちょっと警戒していましたが、今は興味津々のようです。みたらしの母・まめは気にはなっている様子で、ちょっと離れたところからバレないようにそ〜っとのぞき見ています。

―― 今回の保護を通して気付いたことや、同じく猫ちゃんを保護するかどうか迷っている人へメッセージをお願いします

 まめとみたらしを保護したときもそうですが、先住猫がいる場合は本当に保護のハードルが高いと思いました。なんなら猫を1匹も飼っていない人より、保護のハードルがはるかに高いです。保護した猫が病気を持っていたら大切な先住猫を危険にさらすことになるので、隔離できる環境などが必要になってきます。

 しかし、「何匹もいるならもう一匹家族に入れちゃってあげてください!(笑)」くらいのふんわり軽いリプライとかが届くので、動物と暮らすということと遠いところにいる方との意識の剥離におおお……と面食らうこともたまにあります。

 なので私も「困ってる子がいたら保護しちゃってください!」と気軽には言えないのですが、もし保護したい! という状況になったら、動物病院へ連絡し、「全て自分でやらなきゃ」と気負わずに人の手や知恵を借りても大丈夫なので、安全に保護してあげてくださるとうれしいです。

 そして「この子は迷い猫かも!?」と思ったときは警察や保健所に連絡してあげてください。迷子猫の可能性がある子を保護したときは、1週間以内に届け出が必要です。相談するとちゃんと教えてくれるので、こちらも気負わず電話で聞いてみるとOKです。

(了)

 もし実際、目の前に助けてあげたい猫ちゃんが現れたら――。経済状況や先住猫への病気の感染、里子に出す手立など、リアルな問題がたくさん出てきます。飼養または一時保護する場合は、それらを全てクリアした状態で迎えてあげたいですね。あらためてAKRさんの決断と行動に感服します。

 AKRさんと猫ちゃんたちの日常を描いた漫画「ろんの絵日記」や写真は、Xアカウント(@bou128)Instagramアカウント(@akr_neko)で見られます。また書籍『黒猫ろんと暮らしたら』5巻が販売中です。

画像提供:AKR(@bou128)さん

オススメ記事

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/17/news105.jpg 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  2. /nl/articles/2410/17/news048.jpg 「その手があったか!」 ほぼ卵焼きだけの弁当?→“まさかのサプライズ”が800万再生 「天才すぎて泣いた」
  3. /nl/articles/2410/15/news079.jpg 「ボットン便所を簡易水洗にしたい」→「どれどれ……」 建設会社スタッフが驚がくした“歴史的遺物”に大反響 「相当貴重なもの」
  4. /nl/articles/2410/17/news023.jpg 「かわいいってこういうこと」 生後1カ月の子猫が暖をとる場所は……幸せしかない姿に「この角度から見るのが最幸」
  5. /nl/articles/2410/17/news022.jpg 「嘘だろおい……」 ペットのイグアナが産卵→食べてみた “衝撃の食リポ”が1700万表示 「驚愕してる」「勇気に脱帽」
  6. /nl/articles/2410/17/news032.jpg 目からウロコの“クリップ活用法”5選! まねしたくなるアイデアに「え、天才」「こんなに便利になるとは……」
  7. /nl/articles/2410/17/news040.jpg 「なんじゃこれ!」 JA全農が教える「さつまいものメープルバター」がおいしそう 簡単レシピで「とってもおいしい!」「これヤヴァイ」
  8. /nl/articles/2410/17/news056.jpg “本物のシンデレラ”にガラスの靴を見せるはずが…… まさかの珍事が428万再生「おもろい」「7回くらいリピートした」
  9. /nl/articles/2410/16/news017.jpg 目を付けていた“川のスポット”にワナを仕掛けたら…… 大量にとれた”生き物”に「俺も捕まえてみたいです!」「おめでとう!!!!」
  10. /nl/articles/2410/16/news020.jpg 「で、で、で…でっっっっっか!」 日本最大級のクモ「オオジョロウグモ」を手と比べてみると…… 大迫力のビッグサイズに「軍曹さんより大きいですね」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  2. 東京駅で“あるはずのない落とし物”が見つかり話題に 深まる謎に「未使用なのか」「すげぇ」「意味が分からない」
  3. 「太ももの筋肉が段違い」 “すさまじい完成度”の春麗のコスプレに「ご本人ですか?」と21万いいねの反響
  4. 「数やば」 ハードオフで目撃した“まさかの光景”が124万表示 「初めてみた」「いってみたい」
  5. 授業参観のたびに「かっこいい」と言われた父が10年後…… 「時間止まってる?」驚愕の姿が1100万再生 大バズリしたモデルに話を聞いた
  6. フリーアナウンサー、13歳娘が“超難関国家資格”に合格したことを報告 「ひー! すごすぎます」「おめでとうございます」
  7. 人気日本人TikToker、タイ滞在中に交通事故で意識不明の重体 「サトミを信じてる」家族と友人が詳細や現状を報告
  8. 「諦めてて草」 マクドナルドが「大切なお知らせ」投稿→“あまりの内容”に騒然…… そして予想外の展開に
  9. 元“顔ぽっちゃり”のグラドル、ダイエットは「1番の整形」! 衝撃の“別人級ビフォーアフター”で遂げた「ミラクル変身」
  10. 天皇皇后両陛下、“195センチのタレント”とのショットに注目 そのインパクトに「遠近感バグった」「デカすぎて……」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声