8割が「子ども欲しい」婚活市場 “子どもを望まない婚活男性”が逆境を乗り越えてつかんだ幸せ(2/3 ページ)
“子どもを望まない婚活男性”が逆境を乗り越えてつかんだ幸せ
さて、「子どもを望まない」ことを掲げて活動したヨシオさんだが、成婚までの10カ月間の活動期間のなかで、10人以上の女性とお見合いできた。担当カウンセラーによると、お見合いすると、ほとんどの人とプレ交際に進めたようだ。
プレ交際とはお見合いの後に入る交際のこと。その期間は複数と交際できるし、新たなお見合いをしても良い。そのなかで真剣に結婚を考えたい相手が出てきたら、1対1で向き合う真剣交際へと進むのが、結婚相談所のシステムだ。
ヨシオさんの場合、お見合いをすればプレ交際に進めるものの、1度か2度お茶を飲むと決まって交際終了になった。
「自分から終了を出したのは2人で、あとは女性側からのお断りでした。『結婚観が合わない』というのがお断りの理由に書かれていましたけど、私はそもそも結婚観を持っていなかった。その漠然としていた感じが、女性たちに受け入れてもらえなかったのかもしれません」
「そろそろ活動もやり尽くしたか」と思っていたころに、後に妻となるシオリさんとお見合いをした。これまで明確な結婚観を持っていないことが、お見合いした女性たちには受け入れてもらえなかったのだが、シオリさん自身の考え方がどこかヨシオさんと似ていた。
2人の交際を見守ってきたカウンセラーは言う。
「シオリさんと会っていくなかで、ヨシオさんの気持ちがどんどん変化していっているのを私は感じました。『笑顔がかわいい』など、それまでの交際では言ってなかったことも口にするようになっていました」
ヨシオさんは取材時、シオリさんの話をするときは決まって照れくさそうな笑顔を見せていた。どこか不器用ながらも、彼女のことを思うピュアな気持ちがほほえましかった。
そして、2人はプレ交際から真剣交際へと進んだ。
「お互いを苗字で呼び合っていたのを名前で呼ぶようになったり、LINEも頻繁にするようになったりして、親や友達を好きという感情とは違う『好き』が生まれたと感じました。結婚相談所での出会いなので、結婚という形を取らないと交際を終了することになる。シオリさんと2度と会えなくなるのが嫌だった」
ただ1つ、確認しておかなければならないことがあった。それは「子どもを望んでいない」ということだ。
「彼女は子どもに関しては、『どっちでも良い』と思っていたようです。4つ上で43歳だし、年齢的にも『子どもが絶対』ではなかった。私が『望んでいない』と言ったら『じゃあ、それで良いよ』と」
2人が同じ方向を向いていると分かり、2人で食事した後、散歩しているときにプロポーズ。その後、結婚相談所を成婚退会して、その1カ月後にシオリさんの誕生日があり、その日に結婚をした。
結婚生活は半年になる。結婚したものの同居はしておらず、1週間に1回、10日に1回会うという“別居婚”を続けている。シオリさんは結婚後も現在の仕事を続けることを当初から望んでいた。互いの職場の場所を踏まえ、2人が話して決めた結婚の形だ。
「お互いの家と家は車で30分くらいの距離なんです。だいたい彼女がウチに泊まりにきてくれます。夜は寝室に布団を2つ並べて敷いて寝ています。子どもは欲しくないけれど、夜の夫婦生活は普通にしていますよ。大切な夫婦のコミュニケーションだと思っているので」
最後に、ヨシオさんにとって「結婚とは何か?」を聞いてみた。
「『今後の人生を一緒に生きていきたいな』という人と一緒にいるのが結婚だと思います。だからと言って、同じ家に住まないといけないというこだわりはない。自分が結婚できる人間だとは思っていなかったし、いつ嫌われてもおかしくない。ただそうならないように日々努力だけは続けていこうと思っています。
と言うのも、結婚して人生が今までより楽しくなった気がするから。これまでずっと1人で生きてきたので、一緒に人生を共にしてくれる人が出来たのがうれしいのだと思います」
それまでまったく違った環境で育ってきた2人が夫婦になり、人生を共にするのが結婚だ。もし「子どもを望まない暮らし」を互いに希望しているとしたら、2人にとっては、それが理想の結婚、幸せの形なのだろう。照れくさそうな笑顔がそれを物語っていた。
(取材・文:鎌田れい 企画・編集:上代瑠偉)
※この記事は、アイティメディアとYahoo!ニュースの共同連携企画です(協力:IBJ)
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