住宅地近くの湧き水で発見したヨコエビの正体は…… 真っ白で目が退化した神秘的な姿に「ロマンあってワクワク」

地下水中にすむ美しい生き物の世界へ。

» 2023年08月28日 20時30分 公開
[宮原れいねとらぼ]

 神秘的な見た目の地下水生生物を求めて、住宅地や小川沿いの湧き水を調査する動画がYouTubeで公開されています。再生回数は77万回を突破し、視聴者からは「こんな生き物いるの初めて知った!」「ロマンがあってワクワクする」など興奮する声が上がっています。

住宅地の湧き水でついに地下性のヨコエビを発見した…!

 投稿者は、昆虫や虫に寄生するキノコ(冬虫夏草)の調査・観察をメインに投稿している、YouTuberの「うごめ紀」さん(チャンネルX:@UgomekiMushi)。以前には古井戸の水から地下水生生物「メクラミズムシモドキ」を発見して話題を呼びました(関連記事)。

 調査のターゲットである「ヨコエビ」は、いわゆるエビとは別のグループの甲殻類でたくさんの種類があり、まだ学名が付いていない新種が多く存在すると考えられている生き物。今回はそのうちの地下水中に生息する“真っ白なヨコエビ”の発見が目的です。

 うごめ紀さんは、許可を取って住宅地にある湧き水を調査。とてもきれいな地下水が溜まった集水マスの底からポンプで水を吸い出し、自作の目の細かい網に出して生き物を採集します。

住宅地にある湧き水 住宅地にある湧き水。許可を取って調査
発見したミズムシ ここではミズムシや
発見したナミウズムシ ナミウズムシが生息していることを確認

 1カ所目では、通常の(地下水固有ではない)ミズムシ、再生能力が高くて一般的にプラナリアとして知られているナミウズムシ、水生ミミズを発見。残念ながら目的の生物とは出会えず、次は住宅街を抜けた先の湧き水ポイントに向かいます。

 2カ所目はより地下水生生物が生息していそうな雰囲気で、彼らが溜まっていそうな根っこなどを手で持ち上げ、湧き水と一緒に網へと流して探していきます。すると、カワゲラやゲンゴロウの幼虫を見つけるなかで、ついに浮いているヨコエビを発見……!

2か所目の湧き水 2カ所目のポイント
真っ白なヨコエビ発見 ついに真っ白なヨコエビを発見

 肉眼で見たところ、地下水生のヨコエビの可能性が高く、思わず「やったぁ!」と喜びの声を上げるうごめ紀さん。1度ちゃんと顕微鏡で種類を調べるため、慎重に採集して最後のポイントへ。

採集する画像 顕微鏡で調べるために採集

 日が暮れてきたので少し急ぎながら山を歩き、3カ所目の湧き水にやってきました。さらにいい感じの雰囲気で、うごめ紀さんも「(奥の方を)スモールライトで小さくなって探検してみたいですよね」とワクワク。ここでは光を嫌って隠れている地下水生生物を見つけるため、丹念に石をめくっていきます。ただでさえ小さくて見つけにくいのに、ひたすら石の下を探すのはかなり大変な作業だ……。

3か所目の湧き水 3カ所目はさらにいい感じのポイント

 そしてふいに「いたいたいた!」「いま白いのが走った!」と声が上がります。見つけたのは、真っ白で透明感があり、地下水に生息していると思われるヨコエビ。これまで地下鉄やトンネルに井戸など、さまざまな場所を探すも出会えずにいたうごめ紀さんは、生きて動いている姿が見られたことに感動。その興奮ぶりに、見ているこちらもうれしくなります。

動くヨコエビを発見 動いているヨコエビを発見して思わず声が
動いているのを確認 小さいので分かりにくいですが、動いているのが確認できます

 持ち帰ったヨコエビを調べた結果、やはり目が完全に退化した地下水生ヨコエビで、体は透き通っているのが確認できます。なお、後日確認したところ、2カ所目でゲットしたのは、恐らく「シンヨコエビ科のコジマチカヨコエビ」ではないかとのこと。3カ所目で見つけたヨコエビも同種の特徴があったことが触れられています。

 「地下に特化した生き物って本当に美しいと思いませんか?」とその素晴らしさを呼びかけるうごめ紀さんに、コメント欄では「ヨコエビ真っ白で本当に綺麗です」「日の光が届かない所の生物って別世界みたいで良いですね」「見てて一緒に興奮してしまった」など共感する声が寄せられ、普段見る機会のない世界に「うごめ紀さんと出会ってなければ一生見ることのなかった」「新しい世界を教えてくれたうごめ紀さんに感謝」なんて声も上がっています。

コジマチカヨコエビと見られる生物 2カ所目で見つけたのは、恐らくコジマチカヨコエビとのこと
3か所目で見つけたヨコエビ こちらは3カ所目で見つけたヨコエビ
目が退化したヨコエビ 目が退化していて、体色が薄くなっています。神秘的な見た目で興味深い……
洞窟を流れる地下水脈にもエビがいる
トンネルの中で変なエビが大量発生している
マングローブの穴にホースを入れて捕獲する

画像提供:YouTubeチャンネル「うごめ紀」さん

オススメ記事

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた