キラキラOL→メンタル崩壊→今では小説家、さらに実写映画化 “残高10万円だった”元アイドルがぶっちゃけるリアル【大木亜希子インタビュー】(2/2 ページ)
何者でもなかったとしても“人には愛される価値がある”ということ
――作中ではアイドルから会社員に転身して多忙なセカンドキャリアをスタートさせながら、プライベートでは必死に恋活して男性に積極的なアプローチを取るなど、人生への焦りにも見える姿が描かれていました。一方、現在の大木さんは作家として歩みを進めている訳ですが、これまでの心境の変化について教えてください。
大木 私自身、10代の早い時期から芸能活動をしていたこともあり、普通の女性が25歳までに経験しているようなことを経験せずに生きてきてしまいました。そして、アイドルを卒業して、仕事も恋愛も頑張りすぎた結果、心のバランスを崩し、人生を詰んでしまった過去をこの作品では描いています。
小説を上梓して以降は、作家としての道が開けたと感じています。かつての自分だったらとても想像ができないような大きな世界に導かれている気がするんですよね。
ただ、自分の能力の全てをかけないと淘汰(とうた)されてしまうだろう、とも感じています。だから、「映画化、すごいね!」と声をいただくことはうれしい反面、読んでくださる方々が、この作品に出会えてよかったと思ってもらえるような作品を作り続けていかなければという気持ちでいっぱいです。
――マインドの変化に自覚的、ということですね。では、かつての自分と比べて心の中に新たに生まれたもの、なくなったものは何ですか?
大木 (少し考え込む)……生まれたものは、「私は、文章の世界で生きていくんだ」という気概。なくなったものは見栄や、虚栄心ですね。
――昔は見栄、虚栄心があったと思いますか?
大木 はい。恥ずかしながら、当時は虚栄心の塊だったと思います(笑)。
――最後に、映画で印象的だったシーンについて教えてください。
大木 たくさんあるんですけど、夜道で安希子が、結婚のタイミングや職業などバラバラで、人生のステータスが全く違う同年代の親友2人と一緒に、真冬の橋の上から「幸せになりたい〜!」と叫ぶシーンですね。あのときに、安希子が精神的に救われたのはササポンによる力だけではなくて、友人らの存在も大きかったのだと再認識しました。安希子が(アイドルも会社員も辞めてしまって)“何者でもない存在”になっても、1人ではないと実感できるシーンは、心に迫るものがあります。お気に入りのシーンです。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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