“IWGP”から23年、窪塚洋介の現在地 民放から20年離れている理由も明かす、最新作は日韓共作「ナックルガール」(1/2 ページ)

「自分探しって、どんどん自分に近づいていく作業なのかな」

» 2023年11月02日 12時00分 公開
[小西菜穂ねとらぼ]

 2000年放送のTBS系ドラマ「池袋ウエストゲートパーク(以下IWGP)」が2023年早々にストリーミング開始。20年以上前の作品ながら配信サイトで視聴ランク上位に入るヒットを記録し話題になりました。キングこと安藤崇役を演じた窪塚洋介さんは現在44歳。今ではテレビから離れ、国内外を問わず映画や配信作品で活躍しています。

 俳優業以外にも、持ち前の個性を生かしてファッションの分野でも頭角を現し、レゲエDeeJayとしてのキャリアは17年超。今ではSNSを通じてプライベートな一面も広く知られるようになり、特に妻のPINKYさんや、長男・窪塚愛流さんとの家族共演でたびたび世間を賑わせています。

 ねとらぼでは、さまざまなフィールドで活躍し続ける窪塚さんにインタビュー。「IWGP」配信ヒットへの思いや、また父親と同じく俳優デビューした長男への親心など幅広く聞きました。

窪塚洋介さん 窪塚洋介さん ヘアメイク:佐藤修司(Botanica make hair)

「どんどん自分に近づいていく」 デビューからもうすぐ30年、窪塚洋介の仕事観

―― 多様な活動をされている窪塚さんにとって、それぞれの仕事に取り組む上で共通理念のようなものはあるのでしょうか?

窪塚洋介(以下、窪塚) 音楽に関しては5年止まっちゃっていて、最近はグラスを作ったり、まだ言えないプロジェクト(※インタビューは9月上旬)も動いていたり、“表現”っていうものからちょっと離れた活動もしています。

 音楽と役者については「同じ種、同じ根っこから生えている違う花」とよく説明していました。自分にとってはどっちも同じ“表現”だけど、別の見え方をしていて、地面の下では1つになっているイメージです。

 最近は心のままに、胸がドキドキワクワクするような楽しいことをしていたいのでそれに従っているだけ。もちろんバランスを取ることも必要だし我慢することもあるけど、なるべく自分に素直に。自分に“向かい合う”ではなく“寄り添う”感じで歩いていますね。

―― 自分に素直にという姿勢は、当初からずっと変わらないのでしょうか?

窪塚 デビューして、俳優としてドラマに出始めてからずっと。あと2年で30年になります。芯の部分は変わらないと思うんですけど、年輪みたいにしてそこへ身が付いてきた。細かった芯が太い幹になった感覚は体感としてあるけど、目指すところや、向かっていく先は変わっていない気がします。どこかにたどり着くとか、アカデミー賞を取る、ハリウッドの映画に出る、そんなことじゃなくて“より自分らしくなっていく”っていうか。

 だからさっきの言い方と矛盾するけど、上へ、先へ進んでいるんじゃなくて“奥に入っていってる”。若いころは自分探しとか自分の外側に答えを求めがちだけど、そうではないと分かってる。自分探しって、どんどん自分に近づいていく作業なのかなと思います。

「おっさんなりの上がり方、やり方で」 IWGP再ヒットに思うこと

窪塚洋介さん ヘアメイク:佐藤修司(Botanica make hair)

―― 20周年も見えてきた今のタイミングで、デビュー間もない時期に出演した「GTO」や「IWGP」の配信が始まり、特に後者は当時リアルタイムで知らなかった世代の間でもヒットになりました。ご自身でいい流れが来ている感覚はありますか?

窪塚 元旦から「IWGP」の配信が始まって、急にInstagramのフォロワーが増えたなと。ただの数字といえばそれまでだけど、なんかこう……20数年前と同じとは言わないけど「いい流れなのかな?」って感覚は年始からちょっとあります。ただ自分自身はいつの時代も変わらなくて、さっき言ったように芯も変わっていない。進化して成長してはいても、それと時代やタイミングがマッチするかは絶対的に自分でコントロールできないことだから。

 当時は本当に若かったし、経験値もすごく低くて頭でっかちだったから、浮わついて浮き足立っていた。そこから1周回って気付いたら昔、俺がガキのころ思っていた“おっさん”の年になってる。今ならおっさんなりに相応の上がり方、やり方でやれるんじゃないかな。

―― CMでキングを再度演じられたときには、全然変わっていない、まだまだやれそうだといった反響がありました。

窪塚 自分的には体を張ったギャグだった(笑)。あの格好をしたら戻ってくる感覚はちょっとあったけど、「もう1回やれ」と頼まれても答えは「いやいや(笑)」でしょう。20数年たった今のキャラだったらあり得るかもしれないけど、当時の年齢設定でそのままはできないから。そこは20年って歳月が隔てたものもあるし、さっき話したように変わらない部分もあれば、自分自身で変えた部分もあるから。

―― ちょうど長男・愛流さんの今の年齢が当時の窪塚さんと同じくらいですね。当時の自分と比べるとどうでしょう?

窪塚 彼は彼だから、特に比べなくていいと思ってます。中身も全然違うし、背も俺より大きいし、きっと見ている夢、求めている場所も違うから。だけど「もっと本を読んだ方がいいんじゃない」とは思う。当時の俺に比べると言葉を知らなすぎて、演技という意味の表現ではなく、自分自身を言葉で表現することが圧倒的にできていない。この間ちょっとそういう話はしました。漫画も読まなかったんでね。

 もう家を出ちゃって一緒に住んではいないから頻繁に顔を合わせているわけじゃないけど、一緒に住んでいた時は俺が飲んでいると、あいつが聞きたいことを聞いてきて、しゃべりだしたら止まんなくなっちゃうことがよくあった。向こうはもう飽きて「もう寝たい」「こっちは寝させない」と(笑)。酒のアテにしていた。

窪塚洋介さん ヘアメイク:佐藤修司(Botanica make hair)
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  2. /nl/articles/2411/20/news049.jpg 高校生の時に出会った2人→つらい闘病生活を経て、10年後…… 山あり谷ありを乗り越えた“現在の姿”が話題
  3. /nl/articles/2411/20/news222.jpg ディズニーシーのお菓子が「異様に美味しい」→実は……“驚愕の事実”に9.6万いいね 「納得した」「これはガチ」
  4. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  5. /nl/articles/2411/20/news054.jpg 「防音室を買ったVTuberの末路」 本格的な防音室を導入したら居住空間がとんでもないことになった新人VTuberにその後を聞いた
  6. /nl/articles/2411/20/news050.jpg プロが教える「PCをオフにする時はシャットダウンとスリープ、どっちがいいの?」 理想の選択肢は意外にも…… 「有益な情報ありがとう」「感動しました
  7. /nl/articles/2411/21/news083.jpg 間寛平、33年間乗り続ける“希少な国産愛車”を披露 大の車好きで「スカイラインGT-R R34」も所有
  8. /nl/articles/2411/21/news085.jpg 「もしかしてネタバレ?」 “timeleszオーディション”候補者がテレビ局を退社 ディズニーの“船長”としても話題
  9. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
  10. /nl/articles/2411/21/news018.jpg グルーミングが出来ない生まれたての子猫、とんでもない体勢になり…… 想像以上のへたくそっぷりに「どこにも届いてないww」「反則級」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた