お金配りに応募→特殊詐欺の出し子にされた 銀行口座情報から考え始める「セキュリティの一歩」(1/2 ページ)
「口座情報を教えたら、特殊詐欺の受け子に使われてしまった」――。セキュリティを考える最初の取っかかりについて考えてみたいと思います。
先日、SNSで「口座情報を教えたら、特殊詐欺の受け子に使われてしまった」という話が盛り上がっていました。ここから、セキュリティを考える最初の取っかかりについて、知っておいてほしいことを挙げていきます。
あらゆる情報は無意味に公開しないほうが無難な時代へ
“個人情報”という考え方があります。一般的には氏名、住所、連絡先などを想定するかもしれませんが、これは現代においては「個人を特定するデータ」と考えてみてください。一見なんの変哲もない、悪用できなさそうな情報も、悪意ある攻撃者にとっては貴重な「個人を特定するデータ」であり、十分金になるものだったりします。
冒頭で触れた事件は、SNSでよくある「お金をプレゼントします!」といった投稿に反応したことがきっかけだったと言います。これに反応すると、振込先の口座情報を教えたら金銭を振り込むと称し、実際に教えてしまうと本当に少額が振り込まれるか、ある日突然大金が振り込まれるということが起きるそうです。
実はその大金とは、振り込め詐欺にだまされた人が、あなたの口座情報を基に振り込んだというもの。これを「間違えて振り込んだので、お礼をするのでこれを引き出して今から指定する場所に持ってきてくれませんか?」という誘いに乗ると、あなたも特殊詐欺に「出し子」として加担したことになるかもしれません。
もしこのように、ある日突然大金が誤振り込みされた場合、冷静になって金融機関に問い合わせるか、もし振り込みした人から連絡が来たら組み戻し処理を依頼して、決して自ら引き出して誰かに手渡ししないようにしてください。
セキュリティを難しく考える前に「自分のお金を守る」ことを考えよう
とかくITセキュリティというと、あれをやれ、これをやるなと厳しい言葉が飛び交いがちです。加えて「自分なんか、何も持ってないから狙われないよ」と思うかもしれません。しかし、セキュリティはそんなに難しくない上に、少しでもお金を持っている誰しもが被害に遭う可能性がある、極々身近なことです。あなたも自分のお金は絶対に盗まれたくないでしょうし、誰かにだまされるのもイヤだと思います。まずは、自分の身を守るための、最初の第一歩を考えてみましょう。
いま、お金を盗もうと銀行強盗をする人はほぼいません。しかし、クレジットカードの不正利用や、オンラインバンキングの不正な操作など、お金を巡る犯罪は“サイバー”にその場所を移しています。普段皆さんもスマートフォンを活用していると思いますので、犯罪が行われているすぐ近くにいることを、少しだけ意識しなくてはなりません。
そこで、今回はお金を守るため、自分を守るためにすべきポイントをまとめておきたいと思います。
自分に関する情報はSNSに公開しない!
本名や住所はもちろん、上記のような口座情報を始めとする、自分にひも付く情報は簡単に人に教えないこと。何気ない1枚の写真からも、あなたの居場所や誰と一緒にいたか把握することもできてしまうかもしれません。今の時代だからこそ、十分に気をつけましょう。
銀行だけはID/パスワードを工夫してみよう
パスワードは絶対に、どんなことがあっても他人には教えないこと。サービスごとに異なるパスワードを使うことが望ましいですが、難しければ銀行や証券、ECサイトなどお金やクレジットカード情報に関係するサイトだけは、個別の長いパスワードを付けておくことをお勧めします。できれば、銀行だけはID(多くの場合はメールアドレス)も、普段使っていないメールに変更しておくことをお勧めします。
SMSやメールのリンクをクリックしない
お金に関するサイバー攻撃は、基本的にメールやSMSのリンクから始まります。そのため、特にSMSに書かれたURLはタップしないこと。最近では銀行のお知らせや荷物の受け取りを装って、悪意あるサイトへ誘導することがほとんどです。銀行のID/メールアドレスを別のものにしておくと、普段使っているメールに届くお知らせがすべて偽物であることが分かるかと思います。
「このサイトは本物かな? 偽物かな?」という判断方法は、攻撃者が学んでいずれ使えなくなるので、急かすようなリンク付きSMSを見たらいったん落ち着いて、ブックマークからサイトに飛び、同じお知らせがないかを確認しましょう。
セキュリティは難しく考えない!
自分の身を守るためのテクニックは、さほど難しい技術は必要ありません。まずは「自分のお金」を守るために、余計な情報は公開しないこと、銀行だけでもパスワードを使い回さないこと、そしてフィッシング対策のための知識を付けることをお勧めします。ぜひ、皆さんのご家族にも、こんな話をしてみてください。お金を守ることならば、みんなで一致団結できるはずです!
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