お金配りに応募→特殊詐欺の出し子にされた 銀行口座情報から考え始める「セキュリティの一歩」(1/2 ページ)

「口座情報を教えたら、特殊詐欺の受け子に使われてしまった」――。セキュリティを考える最初の取っかかりについて考えてみたいと思います。

» 2023年11月07日 11時30分 公開
[宮田健ねとらぼ]

 先日、SNSで「口座情報を教えたら、特殊詐欺の受け子に使われてしまった」という話が盛り上がっていました。ここから、セキュリティを考える最初の取っかかりについて、知っておいてほしいことを挙げていきます。

あらゆる情報は無意味に公開しないほうが無難な時代へ

 “個人情報”という考え方があります。一般的には氏名、住所、連絡先などを想定するかもしれませんが、これは現代においては「個人を特定するデータ」と考えてみてください。一見なんの変哲もない、悪用できなさそうな情報も、悪意ある攻撃者にとっては貴重な「個人を特定するデータ」であり、十分金になるものだったりします。

 冒頭で触れた事件は、SNSでよくある「お金をプレゼントします!」といった投稿に反応したことがきっかけだったと言います。これに反応すると、振込先の口座情報を教えたら金銭を振り込むと称し、実際に教えてしまうと本当に少額が振り込まれるか、ある日突然大金が振り込まれるということが起きるそうです。

 実はその大金とは、振り込め詐欺にだまされた人が、あなたの口座情報を基に振り込んだというもの。これを「間違えて振り込んだので、お礼をするのでこれを引き出して今から指定する場所に持ってきてくれませんか?」という誘いに乗ると、あなたも特殊詐欺に「出し子」として加担したことになるかもしれません。

 もしこのように、ある日突然大金が誤振り込みされた場合、冷静になって金融機関に問い合わせるか、もし振り込みした人から連絡が来たら組み戻し処理を依頼して、決して自ら引き出して誰かに手渡ししないようにしてください。

お金配り 適当な現金の写真を使用し「お金配り」をするアカウントはあとを絶たない(関連:togetter

セキュリティを難しく考える前に「自分のお金を守る」ことを考えよう

 とかくITセキュリティというと、あれをやれ、これをやるなと厳しい言葉が飛び交いがちです。加えて「自分なんか、何も持ってないから狙われないよ」と思うかもしれません。しかし、セキュリティはそんなに難しくない上に、少しでもお金を持っている誰しもが被害に遭う可能性がある、極々身近なことです。あなたも自分のお金は絶対に盗まれたくないでしょうし、誰かにだまされるのもイヤだと思います。まずは、自分の身を守るための、最初の第一歩を考えてみましょう。

 いま、お金を盗もうと銀行強盗をする人はほぼいません。しかし、クレジットカードの不正利用や、オンラインバンキングの不正な操作など、お金を巡る犯罪は“サイバー”にその場所を移しています。普段皆さんもスマートフォンを活用していると思いますので、犯罪が行われているすぐ近くにいることを、少しだけ意識しなくてはなりません。

 そこで、今回はお金を守るため、自分を守るためにすべきポイントをまとめておきたいと思います。

自分に関する情報はSNSに公開しない!

 本名や住所はもちろん、上記のような口座情報を始めとする、自分にひも付く情報は簡単に人に教えないこと。何気ない1枚の写真からも、あなたの居場所や誰と一緒にいたか把握することもできてしまうかもしれません。今の時代だからこそ、十分に気をつけましょう。

銀行だけはID/パスワードを工夫してみよう

 パスワードは絶対に、どんなことがあっても他人には教えないこと。サービスごとに異なるパスワードを使うことが望ましいですが、難しければ銀行や証券、ECサイトなどお金やクレジットカード情報に関係するサイトだけは、個別の長いパスワードを付けておくことをお勧めします。できれば、銀行だけはID(多くの場合はメールアドレス)も、普段使っていないメールに変更しておくことをお勧めします。

SMSやメールのリンクをクリックしない

 お金に関するサイバー攻撃は、基本的にメールやSMSのリンクから始まります。そのため、特にSMSに書かれたURLはタップしないこと。最近では銀行のお知らせや荷物の受け取りを装って、悪意あるサイトへ誘導することがほとんどです。銀行のID/メールアドレスを別のものにしておくと、普段使っているメールに届くお知らせがすべて偽物であることが分かるかと思います。

 「このサイトは本物かな? 偽物かな?」という判断方法は、攻撃者が学んでいずれ使えなくなるので、急かすようなリンク付きSMSを見たらいったん落ち着いて、ブックマークからサイトに飛び、同じお知らせがないかを確認しましょう。

お金配り 日本サイバー犯罪対策センターによる注意喚起「不正送金被害に遭わないために」

セキュリティは難しく考えない!

 自分の身を守るためのテクニックは、さほど難しい技術は必要ありません。まずは「自分のお金」を守るために、余計な情報は公開しないこと、銀行だけでもパスワードを使い回さないこと、そしてフィッシング対策のための知識を付けることをお勧めします。ぜひ、皆さんのご家族にも、こんな話をしてみてください。お金を守ることならば、みんなで一致団結できるはずです!

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  2. /nl/articles/2412/10/news133.jpg 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  3. /nl/articles/2412/12/news089.jpg フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. /nl/articles/2412/14/news081.jpg 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  5. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  6. /nl/articles/2412/15/news002.jpg 毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
  7. /nl/articles/2412/14/news038.jpg 「釣れすぎ注意」 消波ブロック際に“カツオを巻いた仕掛け”を落としたら…… 驚きの結果に「これはオモロい!!」「こんなにとは」
  8. /nl/articles/2412/14/news063.jpg 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  9. /nl/articles/2412/14/news002.jpg 【今日の難読漢字】「男衾」←何と読む?
  10. /nl/articles/2412/15/news024.jpg おじいちゃん「昔はモテた」→孫は信じていなかったが…… “今では想像できない”当時の姿が140万再生「映画スターのよう」【米】
先週の総合アクセスTOP10
  1. イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
  2. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  3. パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
  4. 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
  5. 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
  6. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
  7. 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
  8. 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
  9. コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
  10. 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」