旧帝大卒アイドル「学歴の暴力」が読み解く、アイドル×高学歴の方程式 恥じらい・プライド・不安定、なぜ高学歴女子とアイドルは相いれないのか(1/3 ページ)
日本一平均偏差値の高いアイドルに聞きました。
人生100年時代といわれる現代、「何歳からでも新しいステージに踏み出すのは遅くない」という考え方が広がっています。著名人も例外ではなく、ある分野で成功を収めた人が転機を経験し、別のフィールドで奮闘する姿は多くの人に勇気を与え、モチベーションやインスピレーションを与えています。
インタビュー連載 「私の人生が動いた瞬間」
「学歴の暴力」は、名前の通り歴代メンバー全員が暴力的なまでに立派な学歴を誇る異色のアイドルグループ。なつぴなつさんは東京大学工学部卒で同大学院工学系研究科修了、あろえあろさんは京都大学文学部卒、あずきあずさんは名古屋大学大学院情報学研究科卒、りりりかりさんは九州大学工学部卒と、並の学歴ではかなわない国内トップクラスの高偏差値を誇ります。
経歴が表すように、10代が一般的なアイドルに比べると年代も上で、また普段は会社員という顔も持つ“がくぼ”メンバー。圧倒的な安定を望める条件がそろいながら、なぜ不安定なアイドルという道を選んだのか。高学歴の4人に聞きました。
旧帝出身メンバーだけ 異色アイドル「学歴の暴力」のプロフィール
―― まずは学歴と、普段はどんなお仕事をされているかから教えてください。
なつぴなつ(以下、なつぴ) 私は東京大学工学部卒で、今はIT企業で企画系の仕事をしてます。
あずきあず(以下、あずき) 名古屋大学の情報学研究科を卒業して、今は製造業の社内SEをしています。よろしくお願いします。
あろえあろ(以下、あろえ) 京都大学文学部卒のあろえあろと申します。今は人材系の企業で財務職をしております。
りりりかり(以下、りりり) 九州大学工学部卒のりりりかりといいます。今は住宅業界のメーカーで、マーケティング職としてデジタルマーケティング領域の業務を行っております。
―― 卒業校だけでなく、職種もバラバラなんですね。ちなみに高学歴の方って、普段はどんな会話をされているのでしょうか? 高学歴ならではの一般庶民には分からないような領域の話とか……?
なつぴ メンバー間では、昼休みのOLみたいな話をしています。「このコスメかわいい」とか「仕事面倒くさいな」とか、もちろんアイドルについて、今の「学歴の暴力」についての話もします。難しい話ばかりではないけれど、漢字が多めだったり、横文字が普通の人より出てきやすかったりという気はします。あと財テク。最近はふるさと納税の話をよくしていますね。(※インタビュー時期は9月末)
―― 差し支えなければどんな内容かお聞きしたいです。
あろえ 還元率でいえばホタテとかイクラの高級食材を狙うのが一番お得。でも私は1人暮らしなのでホタテが1キロも届いても食べるのが大変で、トイレットペーパーとか自分で買って家まで運ぶには重いものを届けてくれるものとして使っています。あと鶏肉は元の値段が安すぎてスーパーで買う方がお得らしいので、豚肉からがお勧めです。
―― お役立ち情報ありがとうございます。今度はアイドルとして、「学歴の暴力」の特色を教えてください。今どきの社会人として“差別化”は何かと意識するポイントかと思います。
なつぴ もちろん学歴は他のアイドルグループにないポイントです。だから歌詞にも連想させるものを入れてみたり、ライブ中のMCも頭が良さそうな感じにしたり、クイズ大会のように学歴を連想させるイベントも行っています。
ファンにも比較的高学歴の人は多くいますね。でもそればかりではないですし、男性に限らず女の子のファンが来てくれることもあり、年齢層も大学生くらいからちょっと上の世代の人までさまざまです。
―― 衣装には数式もあしらわれています。これも学歴のアピールですか?
なつぴ 私も理系なんですけど、正直何が書いてあるかよく分からないし無意味な数字や英字の羅列もあり、深く突っ込まれるとちょっと困っちゃいます(笑)。あろえあろちゃんは文学部卒だから、源氏物語をあしらうといった方向性も今後はあるかも。何かしら生かしていければと思う反面、普通にかわいいアイドルがやりたい気持ちもあるので、バランスは難しいところですね。自分たちの特性を生かしつつ、やりたいことをやっていければ。
―― ライブでは“学歴ビーム”という独特のパフォーマンスがあるそうですね。今回インタビューを申し込んだのも、元メンバーのえもりえもさんのパフォーマンスに関する投稿がきっかけです。
なつぴ 高学歴パワーを濃縮したビームです。だから低学歴の人は当たるとちょっと痛いという(笑)。最初は私たちがビームを放つと、お客さんが「わーっ!」と倒れるシンプルな流れでしたが、ある時からファンの方が自分の卒業した大学の学位記を掲げてビームを防ぐようになったんです。
今ではビームを防ぐため、ファンの皆さんがそれぞれ学歴や何かを示すものを持ち込むようになりました。私たちメンバー全員のサインが入ったグッズを掲げられた時には「はね返されてる!」って思いましたね。あとは「暴力」って書かれたタオルとか。もうシンプルに暴力で対抗しようって。
あずき 医師免許みたいなものを掲げてくる方もいましたね。
なつぴ 東大模試のA判定の結果を掲げてる人もいました。
―― 将来はそちら側へ行くかもしれない?
なつぴ 現時点ではこっちの勝ちだと思うんですけど、将来的に(笑)。
なお、なつぴさんはインタビュー後の10月16日に11月5日のライブをもって活動休止すると発表(11月26日開催の母校・東京大学駒場祭でのライブにのみ限定出演)。インタビューは9月末実施のため、ねとらぼへ向け新たに下記のコメントをメールで寄せてくれました。
なつぴ 「2年半アイドルを続けてきて、人目に晒され続けることに少し疲れてしまいました。いつ頃復帰になるかはわからないのですが、やっぱりライブが恋しいと感じるようになったら帰ってこようかなと思います」
社会人だからかなえられるアイドルがある 「真に自分の好きなことをやれる」
―― 「学歴の暴力」結成までのいきさつを教えてください。なぜ社会人兼アイドルという選択肢だったのでしょうか。
なつぴ まず私が昔からずっとアイドルに憧れていて、でもその夢がかなわなかったという背景があります。諦めて就職して社会人になって、けれどそれでもアイドルの夢が諦めきれずに悶々とした毎日を過ごしていたところで元メンバーで京大卒のえもりえもちゃんが「一緒にやらない」って声をかけてくれました。
もともと社会人だったこともありますし、学歴もあるいい大人。ここで正規の職を捨てるのは精神的にも経済的にもよろしくないと、最初は本当に趣味で「楽しいことができたらいいな」くらいの気持ちでした。
―― なつぴさん以外は追加メンバーとしてグループ加入。動機はまた異なるのでしょうか?
あずき 私もなつぴちゃんと同じで、昔からアイドルになりたくて、でも社会人になってしまったので諦めていました。けれど「学歴の暴力」のメンバー募集を見て、条件に合うのと、最後にちょっと夢を追いかけられたらという気持ちで加入しました。会社員という基盤があった方がお金も潤沢に使えるし、実は真に自分の好きなことをやれる。リスク回避の意味もあって社会人を辞めてまでアイドルをやろうとは思えませんでした。
あろえ 私はもともと関西で働いていたのですが、東京に比べるとあんまりアイドル文化が発達していなくて、やってみたい気持ちはあるけど入れるグループもないし諦めていました。コロナ禍がきっかけの転職で上京して、アイドル活動をしている知り合いが増えてきたこともあり、自分もと思っていたタイミングで募集を見たんです。
本業を辞めてアイドルになる子も周囲にはいたけれど、私には他にもやりたいことがあるし、あずきちゃんが言っていたように安定した生活を捨てたくない。アイドル以外のやりたいことをやれる基盤がほしいから、本業を辞めずにアイドル活動ができる場所という自分の希望に「学歴の暴力」が一致していました。
りりり 私は他のみんなとベクトルが違って、今までアイドルに特別な興味はなかったし、そもそも解像度も高くないんです。副業やキャリアのための勉強、趣味でバンドと社会人になってからもいろいろなやってきたのですが、どれも続かなくてどうやったら気分が上がるんだろうと次を探している時にメンバー募集を見ました。うまく言語化できないんですけど「ちょっと興味あるな」と思って、活動を始めたら分かるかなって好奇心から今も続けています。
―― だんだん分かってきましたか?
りりり いろんな世界があって、いろんな人がいるんだなって。最近は「みんな何でこんな一般OLに興味があるんだろう?」ってこの空間というか、アイドルの世界を大人の社会化見学と思って活動をしています。
なつぴ 新しくメンバーを増やすにしても、「同じような境遇にある子たちの方が楽しくスムーズにできるよね」って。社会人で旧帝大を卒業していて、アイドルをやりたい子を募集し、今も働きながら週末アイドルみたいな形で楽しくやっています。
―― メンバー全員が会社員ということにアドバンテージはあると思いますか? セルフプロデュースされているとのことで、本業の経験が生きる場面もあるのでは。
なつぴ みんなで話し合いをするにしても、要点を分かりやすく伝えてくるのでスムーズに進みます。外部とのやりとりも、メールの宛名がしっかりしていて文章も言葉遣いがなっていますし、そのあたりは社会人スキルが生かされているのかな。
ライブのブッキング、金銭まわりといった事務作業は気付いた人がやる決まりです。私はあんまり仕事をしていなくって、SEのあずきちゃんがデジタル系に強いのでサイトや告知画像を作ってくれます。あろちゃんはこの前、グッズを作って通販サイトで売ってくれました。りりりちゃんは今、新曲を制作中です。
関連記事
- 東大院卒アイドル、アニメ「推しの子」巡って“まあまあしんどくなった” 過去に危機感じるレベルの口撃の嵐 「100倍くらいブスって言われた」
作品自体には「意味のある放送だと思う」 - 「整形女!」「詐欺やめろ」 YouTuberきりまる、二重整形後に受けた誹謗中傷に言及 動画にした理由も明かす
「おまえは作った顔だろ」と心ない言葉を受けたことも。 - スマイリーキクチ、ネスレ日本とのエピソード明かす デマ被害が“1番酷かった時期”も「契約期間を延長してくれた」
ネスカフェ缶コーヒーのCMに出ていたキクチさん。 - 富田望生、出待ちファンの“非常識なつきまとい”に恐怖 「電車の中やタクシーのドアが閉まる寸前まで……」
富田さん「非常識に後を付けるのはやめてください」 - 「テニミュ」三津谷亮、突然の引退発表で“2週間前のラスト投稿”に反響 精神的攻撃の存在訴えて「僕も限界です」
本人は決断に至った理由を「色々な要因が重なって」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ヤフオクで出品されていた「20万円の引退品」→開封すると…… “まさかの中身”に賛否 「ゾッとしたわ…」「しゃーない」
-
辻希美&杉浦太陽、家族6人でクリスマスに豪華料理 長女・希空が作った“プロ級のケーキ”も…… 「凄くいい時間だった」
-
「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
-
毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
-
「思わず泣きそう」 シャトレーゼの“129円クリスマスケーキ”に衝撃 「すごすぎない!?」「このご時世に……」
-
そば屋の看板のはずが…… 雪で“別の店”みたいになってしまった光景が北海道の豪雪のすさまじさを物語る
-
若かりしころの父と母→36年後…… 苦楽をともにしてきた“現在の姿”に「泣いた」「本当に素敵」と1700万再生突破【海外】
-
幼少期から“ディズニー”大好きな2人→25年後…… まさかまさかの“現在”が話題 「映画のワンシーンのよう」
-
大型ワンコが猫に育てられた結果…… 驚きの行動連発に「自分を猫だと思っていないっw?」「かわいすぎる!」
-
妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」される夫婦の苦悩……“年の差33歳差”カップルに反響【個性的なカップル特集2024】
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- 新1000円札を300枚両替→よく見たら…… 激レアな“不良品”に驚がく 「初めて見た」「こんなのあるんだ」
- 家の壁に“ポケモン”を描きはじめて、半年後…… ついに完成した“愛あふれる作品”に「最高」と反響
- 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に【大谷翔平激動の2024年 「お菓子」にも注目集まる】
- 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
- “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
- 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
- 「昔モテた」と言い張るパパ→信じていない娘だったが…… 当時の“驚きの姿”が2900万再生「おおっ!」「マジかよ」【海外】
- トイレットペーパーの芯を毛糸でぐるっと埋めていくと…… 冬に大活躍しそうなアイテムが完成「編んでるのかと思いきや」【海外】
- “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」