【マンガ】ツンデレ過ぎるマフィアはボスの威厳を保てるのか……? 親に売られた少女とのラブコメ『世話焼きマフィアと薄幸少女』がキュンキュンする(1/2 ページ)
2人ともかわいい。
2022年にX(旧Twitter)で約16万いいねを集め、「見事なツンデレ」「なんだかんだでこのマフィアのボス、めちゃくちゃ善人なのでは」と好評の声が寄せられたラブコメマンガ『お世話焼きマフィアと薄幸少女』。
本記事では、1月15日にコミックス第1巻が刊行されたことに合わせて、同作の作者・久遠アユムさん(@kudo_ayume)にインタビュー。マンガ本編も掲載します。
『お世話焼きマフィアと薄幸少女』作品紹介
「彼氏に猫をプレゼントするため」という理由で、母親に売られてしまった不幸な少女。マフィアのボス・ヤンシンロン(楊昇龍)は、将来、高級娼婦にすると宣言して少女を預かることにします。
「おまえを売るのは18になってからだ」「それまでに精々仕込んでやるから覚悟しておけ」と脅しながら、少女を高級ブティックに連れて行って似合う服を買ったり、彼女に桜都(おと)という名前を与えたり、お茶の作法を教えたり……。
かいがいしく世話してくれる姿を見て、桜都が「本当はシンさんって優しかったり……」と尋ねると、シンは怖い顔で「私からの施しはお前を高く売るため」。ですが、内心では「こ こいつ可愛すぎる」とときめいているのでした。
本当は、不幸な過去を背負いながらも素直でけなげな桜都にデレデレなシンは果たして、ボスとしての威厳を保ち続けることができるのか。そして、今後の2人の関係は……?
『お世話焼きマフィアと薄幸少女』作者・久遠アユムインタビュー
――― 本作品の成立のきっかけは?
元は短めでサラッと楽しめる読み切り作品を作りたくて。Xで公開したところ、ありがたいことに大きく反響があり、「COMICポラリス」での連載がスタートしました。
「極道者が少女を拾って育てる」という設定自体は、読み切り用に大量に作った案の1つです。
数年前にフランスのベルサイユ宮殿で撮った写真を何となく見ていたときに、調度品の中に日本の陶磁器や中国のびょうぶなどを見つけ、17世紀にシノワズリ(中華趣味)が貴族女性のあいだで流行したことを思い出しました。
読み切りを考えていた当時は西洋ファンタジーと中華後宮ものが流行っていて、そこから「ミックスしてシノワズリをモチーフにしてはどうか」と着想を得ました。そして若い女性のあいだで中華コスメやファッションが流行っているので、親しみやすいよう時代設定は現代にしました。
ただニッチではあるので、ストーリーを王道に読みやすく運ぶことでようやく成立したと思います。
――― 本作の制作で特に力を入れている、こだわっているポイントは?
初見はライトに楽しい読み味で、かつ読み返したときには味変して楽しめるよう、小さな設定にギミックを仕込んだり、背景と装飾品などの作画に力を入れたりしています。
例えば、本作の舞台・横波間(ヨコハマ)の区画は19世紀末ごろの横浜がモデルで、外国人居留地がそのまま現代まで残っている想定です。
ただし現地の建物は採用していません。過去にパリに住んでいたころに撮りためた写真から、同年代に建てられたであろう建物をアレンジして描いています。
パリにも中華風の建物や中国人街がありますが、日本で生まれ育った自分にはない感性に血の通ったファンタジー性を感じて、どうしてもこれを表現したくて。シノワズリの発祥はフランスですしね。
もちろん背景用素材を購入することもありますが、自分で集めきれなかったものを補填する目的という感じです。基本的なことですが、自分の世界が広がるほど史実を調べることがおざなりになりがちなので忘れないようにしたいです。
――― 自身の中で「シン」はどんなキャラクター?
子どものころ、お父様が任侠一家の組長という友人がいて、その組長さんがとても穏やかで良い方で、子どもながらに人の性根は職業や肩書に左右されるものではないのだと思いました。シンさんはそのときの体験を元に膨らませたキャラクターです。優しいけれど、そこはかとなく治安の悪さを感じるところも。
そうしたギャップが魅力のキャラなので、中性的な男の色気があるビジュアルにしました。体の線や所作は柔らかく、タトゥーとアクセサリーでハードさを足して二面性を表現しました。今まで描いてきた作品ではたくましくワイルドな男性をヒーローに据えてきたので新しい挑戦です。
細い筋肉の動きを描くのが苦手だったのでK-POPアイドルのMVを見て研究して、その過程で「表情管理」という単語を知り、演出として採用しました。そこから良い表情を描く研究がまた始まって……シンさんは私に常に新しい課題を与えてくれるキャラクターなんだと思います。ほぼ毎話アクセサリーのデザインを変えていて描くのに時間がかかります……が、楽しいです。
――― ご自身の中で「桜都」はどんなキャラクターでしょうか?
読者の方が共感しやすいヒロインにしようと作ったキャラクターで、今のご時世的にニュートラルな雰囲気の女の子が親しみやすいのでは? とショートカットで少し少年にも見えるようなビジュアルにしました。
実は作中の誰よりも謎が多く、(桜都はシンさんが付けたので)元の名前や出自も明かしていません。シンさんに出会うまでどこにも根を張れなかった境遇を表現するにもうまく合致したデザインにできたと思います。
また過去を明かさない理由として、桜都ちゃんが未来への希望を込めたキャラクターだからというのもあります。
桜都(おと)は、古い中国語で虎を指す於菟(おと)から来ていて、古くは災いが多いとされる五黄の寅年に産まれた男の子に厄除けで付ける名前だそうです。読み切り作品として発表した2022年はその五黄の寅年。この数年間、誰もがつらい思いをしたし、これから先もどうなるか分からないけれど、桜都ちゃんと一緒に新しい一歩が踏み出せたら、と願いを込めて名付けました。
第1話にある名付けのシーンはそういった願いを託した背景がありましたが、特に反響がありました。そんな感じなので、作品を作る上でも桜都ちゃんをすぐかわいがってしまいがちで、よく担当に指摘されます。気を付けないとなぁと思いつつ、たぶんまたやってしまいます。かわいいので。
――― 読者へのメッセージをお願いします
この度は目を留めていただきありがとうございます。『世話焼きマフィアと薄幸少女』は父娘にも兄妹にもなれない、本来接点のない2人が同居することで、お互いに振り回されつつも孤独な心を癒やされて、やがては相手が大切な人になっていくお話です。
自分の人生にとってマンガは癒やしと学びのきっかけで、私も心地よい距離感で誰かに寄り添える作品が作れたら、と日々思いながら執筆しています。「読んで元気が出た」と思っていただけたら何よりも幸せです。最後まで楽しんでいただけますように。どうぞよろしくお願いします。
(C)久遠アユム/COMICポラリス
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