「キャプテン・マーベル」「スタートレック」出演俳優、難病ALSにより49歳で逝去 5年半の闘病生活耐え「1日1日が贈り物」(1/2 ページ)
お悔やみ申しあげます。
SFドラマシリーズ「スタートレック:ディスカバリー」やマーベル映画「キャプテン・マーベル」(2019年)などで知られるカナダの俳優ケネス・ミッチェルが2月24日に49歳で逝去しました。難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)との闘病の末に亡くなったと家族が発表しています。
ケネスの訃報を家族が発表
ケネスの家族は2月25日、X(Twitter)やInstagramで「最愛の父、夫、兄弟、叔父、息子、そして親愛なる友であったケネス・アレクサンダー・ミッチェルの死を謹んでお知らせいたします」と長文を投稿。娘のライラと息子のカラムから両頬にキスを受け、輝くような笑顔を見せるケネスの写真とともに公開しました。
家族はケネスのこれまでの経歴、俳優として築いたキャリアやその人となりに触れ、「5年半ものあいだ、ケン(ケネス)はALSによる恐ろしい試練に直面していました」「彼は1日1日が贈り物であり、人間は決して1人では歩まないという主義を貫いてきました。彼の人生は、愛と思いやり、ユーモアと包容力、そして共同体とともに生きれば、人はどれほど満ち足りることができるかという、輝かしい一例です」とコメント。ケネスが闘病生活のあいだも一瞬一瞬が充実し楽しいものになるよう努力してきたとし、愛にあふれる言葉をつづっています。
そして「ケンは、この旅路で共同体から受けた大いなる愛情と限りないサポートへ永遠に感謝しています。特に彼の並外れた妻、家族、友人が示した勇気、回復力、強さにです」とケネスが長い闘病生活において自身を支えてくれた人たちへ深く感謝していたこと、また彼の死後いかなる贈り物も、ALS研究か、子どもたちへの支援へ向けてもらうよう希望していたことを伝えました。
ALSは日本では「指定難病2」に認定されている、運動のための神経系が変性し筋肉が徐々に縮み衰えていく病気。「難病情報センター」によると、この病気は原因不明で男性にやや多く見られ、発症から2〜5年で亡くなることが多いとされています。ケネスは2018年に診断を受けたのち2019年から車いすを使った生活をスタートさせ、2020年には病気を公表していました。
今回家族が発表した声明では、「ひとたび彼の軌道に取り込まれれば、ケニーはその前向きさ、思いやり、思慮深さ、楽しさで包み込み、とても愛されてると感じさせてくれました」と、家族として友人として何ものにも代えがたい愛情深い人柄についてもコメントしています。
スタートレック公式も追悼文を掲載
多くの人気ドラマや映画に出演してきたケネスは、特に2019年のマーベル映画「キャプテン・マーベル」で演じた主人公キャロルの父ジョセフ・ダンヴァース役や、人気SFドラマ「スタートレック」の実写ドラマ第6作目となる「スタートレック:ディスカバリー」への出演でよく知られています。
「スタートレック」公式サイトはケネスの訃報に際し声明を発表。「StarTrek.comは、『スタートレック:ディスカバリー』でクリンゴン人のコルや、コルシャ、テナヴィク、アウレリオを演じたケネス・アレクサンダー・ミッチェルの訃報を深く悲しんでいます」「『スタートレック:ローワー・デッキ』(※スタートレックのアニメシリーズ第2作目)のエピソードでは、複数のキャラクターの声を担当しました」「2024年2月24日、ミッチェルは49歳でこの世を去りました」と述べています。
さらに、コル役を演じた際にケネスは「クリンゴン人の文化に新しい視点をファンにもたらすことを願っていた」とし、「誰が善人か悪人か、全ては視点であり、文化を理解すること」との故人の言葉を伝えました。そして「スタートレック・ファミリーは、ミッチェルの家族、友人、愛する人、そして世界中のファンへ哀悼の意を表します」と追悼しています。
この訃報に多くのファンは、「大変な喪失、ご家族とご友人のみなさまへお悔やみを申しあげます。今はお悔やみの言葉がホワイトノイズのように感じられることかと存じます。しかし、彼の魂はたくさんの人々の心の中で生き続けることでしょう」「私も多くのファンと同じように、この日を恐れていました。彼と彼の家族がこの旅路で経験したこと、想像もつきません。この残酷な病気の中、喜びと美しい思い出の日々がいくつもあったことを願います」など、彼の人柄に心を慰められた経験をつづっています。
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