81歳ポール・マッカートニー、名曲「イエスタデイ」に込められた亡き母への“後悔” 「あんなこと言うんじゃなかった」(1/2 ページ)

世界でもっともカバーされた曲としてギネスに。

» 2024年03月01日 11時35分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 20世紀を代表するロックバンド「ビートルズ」の元メンバー、ポール・マッカートニーがポッドキャスト「A Life in Lyrics」2月21日配信のエピソードで1965年の楽曲「イエスタデイ」に言及。歌詞「I said something wrong(僕は何か間違ったことを言ってしまった)」のもとになった、亡き母への後悔について語りました。

ポール・マッカートニー、「イエスタデイ」が誕生したエピソードについて語る 1965年に発表された「イエスタデイ」について語る(画像は「A Life in Lyrics」のInstagramから)

ラブソングと見なされていたが…… 「イエスタデイ」誕生秘話

 ポールの母メアリーは、ポールがまだ14歳だった1956年に乳がん手術後の塞栓症のため47歳の若さで死去。これはポールが「イエスタデイ」を書く約10年前のことでした。

 歌詞にある「I said something wrong, now I long for yesterday(僕は何か間違ったことを言ってしまった。今となっては昨日が恋しい)」というフレーズについて、長らく恋愛関係についての後悔と考えられることが多かった同曲ですが、2001年にポールは母との関係からインスピレーションを得たことを明かしています。

 そして今回の番組ではそれが母のしゃべり方をからかったことから生まれた歌詞のように思えると明かしたポール。「ときに、あとから振り返ってみて初めてその良さがわかることがある。僕は母に恥をかかせたことがあって、ある日、自分がとても恥ずかしい気持ちになったことを覚えている」と語ります。

「あんなこと言うんじゃなかった」 母への思いと後悔

名曲「イエスタデイ」

 その日、親子で一緒に裏庭にいたというポールは、「母はとても気品のあるしゃべり方をしていた」と回想。「母はアイルランド系で、看護師で、ストリートレベルよりも上だったんだ」とし、「だから母はちょっと違ったところがある人で、ちょっと気取っているようなしゃべり方をしていた。母の叔母ディリスはウェールズ人で、ちょっとウェールズ訛り風でもあった」と母の話し方や振る舞いについて説明しました。

 母はそのときポールへ「ポール、彼が行くかどうか尋ねーて(ask)くれない?」などと言い、それを聞いたポールは「尋ねえええて! 尋ねえええて! “尋ねて”だよ、ママ」と“ask”のアクセントを強調するようにからかったといいます。

 子ども時代のこととはいえ、自分の口にしてしまった言葉はなかったことにはできないもの。ポールは続けて、「母はちょっと恥ずかしそうにしていた。あとから『ああ、あんなこと言うんじゃなかった』と思ったのを覚えてる。それが心に残っているんだ。母が亡くなったあと、『ああ、くそっ。本当にあんなこと言うんじゃなかった……』って」とその後悔の深さを明かしました。

 「こういうのは、大ごとじゃないからみんな許してくれるとわかっている」としつつも、「ほんのささいなことなんだけど、でもその瞬間を消しゴムで消してしまえればもっと良くなるのに、と考えてしまうようなことがあるんだ」と「イエスタデイ」に織り込まれている“昨日に戻ってなかったことにしたい”と多くの人々が持っているような小さな後悔を、自身もいくつか抱えているとしました。

「知れて良かった」との反応多数 エピソードへの反響

ポール・マッカートニー、「イエスタデイ」が誕生したエピソードについて語る 現在も多くの人にインスピレーションを与えるポール(ポール・マッカートニーのInstagramから)

 英盤公式オリジナル・アルバム5作目となる「ヘルプ!」に収録された「イエスタデイ」は、世界中のミュージシャンによってカバーされており、「世界で最も多くカバーされた曲」としてギネス世界記録に認定。1997年にはグラミー賞殿堂入りを果たしています。

 哀愁を帯びたメロディーと歌詞に多くの人が心を揺さぶられてきた「イエスタデイ」。このエピソードを聞いたファンからは、「20世紀最高のソングライターだよ」「この曲の存在はまさに奇跡だ。ただ3分間立ち止まり、そのメロディーと歌詞のすばらしさ、偉大さに耳を傾けたい」「いつも彼の曲がどこからやってくるのか話しているのを聞くのが好きだ」「この曲は、神から授かったのかと思っていたよ」など曲を愛する人々からのさまざまなコメントが寄せられています。

 また、「サー・ポール・マッカートニーの美しい夢、彼の愛する母がやってきて曲を授けてくれるのさ、レット・イット・ビーとかね」など、やはりポールの母メアリーが夢に現れ口にした言葉がそのままタイトルになった名曲「レット・イット・ビー」(1970年)について語る人も見られました。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた