「冷凍食品を使う後ろめたさを払拭したい」 宅配冷凍弁当サブスクに参入する味の素の思い(2/3 ページ)

» 2024年03月09日 11時00分 公開
[谷町邦子ねとらぼ]

どんな人が購入しているのか

 さて、1月末の発売からの約1カ月間で、どれくらいの注文があったのか。羽藤さんによると具体的な数はまだ発表できないものの、当初予想していた2〜3倍だったとのこと。売り上げは好調のようです。金澤さんはお弁当についても好評だと言います。

 「品質には高い評価をいただいておりまして、『おいしい』『野菜がここまでたくさん入っているのか』との声が多く、『食べていて健康になった気がする』というご感想もいただいております」

 「野菜については、お弁当に入っているくらいの品目数を家庭で準備しようとすると買い物も大変ですし、1人暮らしの方だとロスも出てしまうと思うんですよね。使いきれず、腐らせたり、変色してしまうとことも想定されますが、こちらの商品は賞味期限が1年間ですので、フードロス削減にも貢献できているんじゃないかなと思っています」

 特に人気のメニューは「ギョーザ、枝豆と干しえびのまぜご飯」。その理由について金澤さんは、味の素グループの冷凍食品には売り上げ日本一(※2003年度〜2022年度市販用冷凍食品単品売上金額ベース、味の素調べ)の「ギョーザ」という商品があるので、「味の素と言えば餃子」のイメージがあるからではないかと推測します。

「あえて、」インタビュー 一番人気の「ギョーザ、枝豆と干しえびのまぜご飯」

 今後、メニューを拡充する予定はあり、「最終的には今の倍以上にしていきたいと思っております」とのこと。サービスについても、要望があれば変更を検討するとしています。

 もともと「あえて、」は30代・40代の共働き家庭をメインターゲットとしていましたが、50代・60代の人、独身の男性からの購入もあり、幅広い年齢層で、属性に関わらず忙しい人、便利な商品を利用してみたい人が購入していると言います。

 「週に1回から2回、これに置き換えている感じ。ほとんどの方がたぶん、普段手作りをされているのかなと思ってます。若い方よりも普段料理をされている方のほうがウケているようです」(羽藤さん)

 3つのコースの中では、「一番バランスがいい」という理由で「味の素」も推している「12食お届けコース」が最も多く選択されているそうです。とは言え、週に何回も利用する人、冷凍庫のスペースを同商品のために空けられる人は「20食お届けコース」を選び、「まずは6食から試してみたい」と「6食お届けコース」を選ぶ人もいるとのこと。

 多くの人が購入した「あえて、」ですが、価格が「高い」というコメントも。羽藤さんは、初回だけでなく2回目以降の注文でも20%オフになる割引キャンペーンがあるのに伝わっておらず、初回だけ安いと伝わっているという現状があると言います。2回目以降も利用できるキャンペーンを伝えるという課題とともに、価格設定についての思いも語ってくれました。

 「キャンペーンとは関係なく、純粋に高いという声もあると思うので、われわれもそこはちゃんと価値を伝えていくのが大切だと思います。世の中には安いものはいろいろあると思いますが、過剰に安くすると良いものを安定して届けられなくなるので、価格を下げることは考えてないんですね」

 「商品やサービスは味の素だけで作っているのではなく、農家の方とか物流の方とか、いろんな方がビジネスに関わっているから、過剰に安くすると、どこかにひずみができたり、事業が続けられなくなったり、商品のクオリティーを落とさざるを得なくなったりして、結果的にお客様のためにならないと思ってます。だから、価値に見合った価格にするということは大事にしたいし、価値はしっかりお伝えするなど、コミュニケーションしていきたいと思っています」

 便利なだけでなく、おいしさや栄養バランスに食の安全、さらに環境負荷や業界のあり方まで考えてサービスを開発したことが伝わってきます。最後に、読者へのメッセージをお願いしました。

 「『味の素』が作っているのでおいしさはもちろん、なかなか伝わりにくい部分なんですけど、安心・安全の部分に関しては、他社さんに絶対負けないこだわりが詰まっています。ブランドに恥じないような製品とか味を自信をもってお届けしています。忙しい生活の中に、積極的に取り入れていただいて、お役に立てればなというのが、私からの願いでございます」(羽藤さん)

 「お得なキャンペーンをいろいろやっているので、それを使用してぜひ一度試していただきたいなと思います。トレーの開けやすさや、環境対応、パッケージのコンパクトさ、冷凍庫への収納しやすさなど、PCの画面上ではなかなか伝わらないこともありますし、かなり細かいところまでこだわっているという自負があります。当然、健康・栄養・美味しさと言うのも相当力を入れていますので、ぜひ、一度使っていただけると良さを体感していただけるんじゃないかと思います」(金澤さん)

「あえて、」インタビュー 容器にもこだわりが! 確かにコンパクトだと冷凍庫にたくさん入りますね

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた