「X-ファイル」スカリー役俳優、帝王切開から10日で撮影復帰 当時の“罪悪感と恐怖”振り返りながら現在も変わらぬ問題指摘(1/2 ページ)

人気ドラマ出演の代償

» 2024年04月04日 18時05分 公開
[城川まちねねとらぼ]

 超常現象をテーマにしたドラマシリーズ「X-ファイル」のFBI捜査官ダナ・スカリー役で知られる米俳優ジリアン・アンダーソンが、現地時間4月3日にテレビ番組「TODAY」へ出演。 1993年から2002年まで放送された同シリーズに出演中、出産からわずか10日で撮影に戻った決断を振り返り、“後悔”を口にしています。

ドラマ「X-ファイル」のスカリー捜査官役で人気だったジリアン・アンダーソン 帝王切開から10日で撮影現場に戻った「スカリー役」時代に言及(画像はYouTubeから)

罪悪感や恐怖 30年たっても変わらない感情

 ジリアンは1994年、同シリーズでアシスタントアートディレクターを務めていたクライド・クロッツと最初の結婚をしました。そして同年9月に第一子となる長女パイパーを帝王切開で出産。「X-ファイル」がスタートして1〜2年の間に結婚・妊娠・出産を経験したことになります。

 ドラマに穴をあけないようジリアンは出産から10日で撮影現場に復帰。一般的に帝王切開は自然分娩よりも回復に時間がかかるとされ、わずか10日での職場復帰に、当時26歳であったジリアンが気力を振り絞って耐えただろうことは想像に難くありません。

 番組で、この決断について現在ではどう感じているか質問されたジリアン。すると彼女は「もし、最初のシーズンで妊娠したことに罪悪感を感じていなかったら、もっと自分を大切にして、そのとき自分の最善な利益にとって何が必要か、もっと思慮深くなっていたかもしれません」と、決断にはシーズン中に妊娠したことへの罪悪感が関係していたと明かしました。

 さらに「でも私は、『クビになりかけてる』『私が台無しにしてしまう』『彼らの言うことを何でも聞こう』っていう考えにとらわれていたんです」と罪悪感に加え、仕事を失う恐怖や、自分の妊娠・出産が周囲に迷惑をかけてしまうと考え自身にむちゃを強いてしまったとのことです。

 そして「でも私たちはまだ同じ話をしてますよね? 面白いですよね。30年前がどうだったにしろ」と女性が仕事に穴をあけないよう妊娠・出産に際して罪悪感を感じたり無理をしてしまうことは、現在でも起こり続けていることだと指摘しました。

第二子以降の出産時には産休や育休を取ったジリアン

ドラマ「X-ファイル」のスカリー捜査官役で人気だったジリアン・アンダーソン 「X-ファイル」ではモルダー捜査官役のデイヴィッド・ドゥカヴニーとのコンビが人気に(画像はジリアン・アンダーソンのInstagramから)

 ジリアンは最初の夫クライドと1997年に離婚したあと、2004年に作家のジュリアン・オザーンと再婚するも、2006年に別居を発表。交際していたビジネスマンのマーク・グリフィスとの間に、長男オスカーを2006年に、2008年には次男フィリックスを出産しています。

 オスカーの出産後は産休を取っており、次男を妊娠中に米People誌のインタビューで、「かわいそうなパイパーは、生まれてから9年間、私のトレーラーで暮らしていた」と長女の場合は産後10日で仕事に復帰したことや、そのあとも「X-ファイル」が人気シリーズとして長く続いたことが関係し、子ども時代の多くを撮影現場で過ごすことになってしまったと回想。

 「パイパーの妊娠中はずっと働いていたから、今は妊娠の終盤で仕事をしない選択ができることや、オスカーのときには産後6カ月仕事をしない選択ができたことは、とてもすばらしいことでした」と第一子出産のときにはできなかった産前・産後に母体をいたわる選択が可能になったことへの喜びを明かしていました。

 「X-ファイル」はシーズンを通して人気が高く、ジリアンはスカリー捜査官役でエミー賞ドラマシリーズ部門主演女優賞、ゴールデングローブ賞テレビシリーズドラマ部門主演女優賞など数々の賞を受賞。彼女のキャリアを語るうえで欠かせない作品となりましたが、55歳となった現在、それと引き換えに失ったものの大きさも赤裸々に明かしています。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた