ある年齢以上ならスラスラ言える「爽健美茶」の原材料 でもその記憶、本当に正しいですか?(1/3 ページ)
はとむぎ、玄米、月見草〜。
「紅麹」問題が起きたことで、あらためて原材料が気になって購入した商品の成分表を見た、なんて人いませんか? いつも食べたり飲んでいる商品に何が入っているかをしっかり覚えているなんて人は少ないかもしれません。しかし、そんな普段原材料なんて気にしていない人でも、なぜかスラスラと言える商品があることをご存知でしょうか? そう、「爽健美茶」です。
「ある一定の年齢以上の人って爽健美茶の原料、ハトムギ・玄米・月見草・ドクダミ・ハブ茶・プーアルまでスラスラ言えるらしい」――。Xユーザーのカシシさんの投稿は400万件以上表示され注目を集めました。投稿にもあるように、確かになぜか原材料を言えてしまう自分がいます。
「爽健美茶」は日本コカ・コーラが販売するブレンド茶。1994年に“爽やかに、健やかに、美しく”をコンセプトに「茶流彩彩 爽健美茶」として全国で販売されました。30周年を迎えた2023年には新「爽健美茶」としてパッケージデザインやブレンドを加えるなどフルリニューアルを果たし今に至っています。
前述した「爽健美茶」の成分は、1995年から放送されたCMあってこそといって過言ではありません。CMでは、「はとむぎ 玄米 月見草 爽健美茶。どくだみ はぶ茶 プーアール 爽健美茶」とブレンドされている原材料と商品名を交互に繰り返すことで、視聴者の記憶に染み込んでいきました。ちなみにそのあとは「チコリー 緑茶 大麦 なんばんきび 爽健美茶。爽やかに 健やかに 美しく 爽健美茶」と続きます。このCMはバージョンや歌い手を変えつつ、2020年まで続きました。
さて、ここで賢明な皆様なら疑問が浮かぶはずです。もしお手元に「爽健美茶」があるならば原材料をご覧いただきたいのですが、そこにはきっとこう書いているはずです。
「ハトムギ 玄米 大麦 どくだみ はぶ茶 チコリー 麦芽エキスパウダー 月見草 ナンバンキビ オオムギ若葉 明日葉 杜仲葉 ヨモギ」と。
……そう。プーアルと緑茶がないのです。いつの間に? しかも麦芽や明日葉、杜仲葉、ヨモギと知らない子までいます。つまり、ある一定の年齢以上がそらんじてきた「爽健美茶」の歌は今は通じないのです。
日本コカ・コーラに取材すると、「時代やお客様の嗜好の変化にあわせて、素材の組み合わせ、味わいは常にアップデートしています」との回答。アップデート……。「2013年にお客様からの投票を受けて、プーアル茶を加えないことで、カフェインゼロを実現し、より身近に飲んでいただける製品としています。また、過去、たんぽぽの根、小豆、びわの葉などがございましたが、現在は使用していません」と、全然知らない情報を教えてくれました。びわの葉とかたんぽぽの根なんて入っていたことすら知らずに飲んでいました。
「2023年5月にフルリニューアルした現行製品は、『ハトムギ、玄米、大麦、どくだみ、はぶ茶、チコリー、麦芽エキス、月見草、ナンバンキビ、オオムギ若葉、明日葉、杜仲葉、ヨモギ』の13種類の素材をブレンドし、やさしい恵みが詰まったすっきり香ばしい味わいに仕上げています」と日本コカ・コーラ。
聞くと、「はとむぎ 玄米 月見草 どくだみ はぶ茶 プーアール チコリー 緑茶 大麦 なんばんきび」の10種に「びわの葉」が追加されたのが2002年。そこから「杜仲葉 たんぽぽの根 小豆」などが追加されたりなくなったり、「大麦若葉 明日葉」が追加されたり、「キヌア 亜麻仁 もち麦 エゴマ ルイボス」が加わったかと思いきや、焙煎とブレンドを見直したりとリニューアルを重ねてきたといいます。
「全国発売から30年を迎えることができたことは非常にありがたく、ご愛飲頂いているお客様のお蔭でございます。特に無糖茶カテゴリーは需要の変遷が激しいのですが、上記の通り、常に時代やお客様の嗜好の変化にあわせて味わいやパッケージデザインをアップデートしてきたので、その点を評価頂けたと考えています。また、世代を超えてご支持を頂けているので、これからも魅力的な商品を提供していきたいです」(日本コカ・コーラ)
日本コカ・コーラによると爽健美茶の原材料を歌い上げるCMは、2021年以降使用されていないそうです。ちなみに2019年に中田ヤスタカさんがプロデュースしたCMソングではプーアルの位置にナンバンキビが収まっています。もしもその時の歌詞が踏襲されて今歌われるとすれば、「ハトムギ、玄米、月見草〜、爽健美茶。どくだみ、はぶ茶、ナンバンキビ〜、爽健美茶」となります。アップデートしておきましょう。
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