部下の退職、困るし寂しい! けれど……「辞めるスタッフに中間管理職ができること」描いた漫画に共感集まる(1/3 ページ)
作者さんにお話を聞きました。
右腕とも言える部下から退職すると告げられた。仕事は大変になるけれど……「辞めるスタッフに中間管理職ができること」を描いた漫画が多数の共感の声と4万件のいいねを集めています。
会社で主任を務める作者のすな(@sunamangakaku)さんは、部下の最上さんから「今月いっぱいで辞める」と告げられます。すなさんにとっては右腕となるほど頼りにしている部下で、辞めるとめちゃくちゃキツイ事態になることは明白です。それに何より、さみしい……。
もう次の仕事は決まっており、辞める決意も固い最上さん。そうなると、すなさんにできることは「応援」しかありません。心の中ではキツイ、辞めないでほしいと思いつつも、「おめでとう。こっちの事は気にしないでがんばれ」と祝福します。
最上さんは、自分が抜けると残った人が大変になると申し訳なさそうですが、「なんとかなるから気にしなくていい」と背中を押すすなさん。会社が有休消化に難色を示し、最上さんが「円満に退職したいので」と諦めようとしたときも、どんなに申し訳ないと思っても辞めるし、そうなると残ったスタッフの負担は増える――「円満退職ってよく言うけどそんなものはないよ」「だからもう自分の事だけ考え方がいい」と有休消化を勧めます。
そうして最上さんの幸せを祈りつつ、戻りたくなったらいつでも歓迎するという気持ちで見送ったすなさん。さみしさも困る気持ちもあるけれど、部下が自分の人生のために下した決断を引き留めることはできない――中間管理職が一度は経験したことがあるであろう思いに、「主人公の気持ちすごくわかる。実際これしかできない」「見送る側はそうするしかない」「最近同じ事があったので凄く分かる」と共感の声が多く寄せられました。
ねとらぼ編集部ではすなさんに、この漫画を描いた背景などを聞きました。
―― このお話を描いたきっかけをお聞かせください
すなさん 職場で「会社員だし大人なので我慢はするけどもモヤモヤしたこと」がありまして、このモヤモヤを浄化するために職場の漫画を描き始めました。今回のスタッフ退職のエピソードはその1つです。実際に退職した右腕のスタッフに感謝を込めて描きました。彼は僕の漫画を知らないので読んでないと思いますけど、いつの日か届けばいいなと思ってます。
―― 漫画は送る側の話でしたが、辞める側の立場に立ったときの経験を教えてください
すなさん 僕は今48歳で、高校を卒業して就職してから今まで2回の転職をしてます。1回目は朝から夜中まで働くという過酷な職場環境だったので、体を壊す前に1年で辞めました。2回目は働きやすい環境で8年ほど勤めたのですが、あまりに給料が安過ぎて辞めました。僕が20代のころは、今で言うブラック企業的な職場が多かったので辞める者には冷たかったですね(笑)。
―― 漫画への反響にどんなことを感じましたか
すなさん 思いの外、反響があって驚いてます。みんな頑張ってるんだなと勇気をもらえました。そして、同じような経験をされてる方がたくさんいて複雑な想いです。明るく見送るしかないのよね……。
40代後半になってくると、世間的にはもういい大人ですが、実はそんな大人じゃない……と僕自身は感じています。大人だってキツイものはキツイんですよね。なので職場の漫画はそんな大人たちに向けて描いてます。
―― ご自身と同じような立場に立つ人に、アドバイスやメッセージがありましたらお願いします
すなさん 今回の退職エピソード、辞める側も見送る側もみんないい感じに生きていきたいだけなんですよ。僕が言いたいのは、辞める側は絶対に自分のことを優先した方がいいし、見送る側は余程のことがない限り、明るく見送ってあげましょうということです。職場が違えど、ご縁があればまたいい感じに付き合えますから。
まあでも現場の本音としては、いつも人手不足なので本気で戻ってきてほしい! ですよね? わかる! ほんと現場の皆様、お疲れ様でございます!(土下座)
最後に「たくさんの方に読んでいただきありがとうございます。職場の漫画は描くのが辛いのですが、反響が大きいと続きを描く励みになるので、これからもよろしくお願いします(中間管理職に愛を込めて)」と締めくくったすなさん。X(Twitter)アカウントでは、その後の展開を描いた漫画も投稿されています。
作品提供:すな(@sunamangakaku)さん
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