男子バレー「顔ファン」の是非 世界大会に“推し活うちわ”はアリなのか? ジャニーズ後の応援を考える(1/3 ページ)

試合会場は今、アイドルの“推し活”のような応援風景が見られるようになっている。

» 2024年06月16日 07時05分 公開
[岡田有花ねとらぼ]

 バレーボールの国際大会「ネーションズリーグ」(VNL)の予選リーグで、日本代表男子チームが快進撃を続けている。予選ラウンドを終えた時点で世界ランク3位に浮上。「歴代最強」とも言われ、選手の人気も上がり続けている。

男子バレー 顔ファン 日本代表選手ののぼり(2023年に東京・代々木体育館で開かれたパリ五輪最終予選時)

 そんな中、X(Twitter)でしばしばトレンドに浮かんでいるのが「顔ファン」というワードだ。男子代表には“イケメン”と評価される選手が多い。試合会場の観客席には、各選手の名前を書いたうちわやプレートを持った女性ファンが目立ち、アイドルの“推し活”のような応援風景が見られるようになった。

 彼女らは、チームのプレイより選手個人を推しているように見え、選手の“顔”が目当てのファン、つまり「顔ファン」だと批判されることがありバレーのプレイそのものを楽しんでいるファンからは、快く思われていないようだ。

男子バレー 顔ファン “推し”選手のネームプレートやうちわを掲げるファンたち(パリ五輪最終予選時、筆者撮影)

 ただ少し前まで、バレーの世界大会では、旧ジャニーズのアイドルが前座を務め、集客に貢献していた。選手の“顔ファン”の出現は、アイドルに頼らずとも、選手が実力とビジュアルで集客できるようになった現れでもある。

弱かった男子 ジャニーズ人気を借りていた世界大会

 昭和時代は日本のお家芸だった男子バレーだが、平成の間は弱かった。1996年から2016年まで6回のオリンピックで、出場できたのは2008年の1回だけ。2012年も16年も最終予選で敗退している。

 筆者が代表戦の試合を見始めたのは2005年ごろ。当時、女子はオリンピックの常連だったが男子は弱く、男子大会の会場には空席も目立った。それを多少埋めていたのが「ジャニーズ目当て」の女性たちだ。

 バレーボールのワールドカップ(W杯)は、「スペシャルサポーター」として1995年以降、V6をはじめとしたジャニーズのアイドルグループがテーマ曲を歌い、前座を務めていた。

 だが、2023年に明るみに出た性加害問題で、ジャニーズアイドルによるサポートは終了。それと前後して、日本男子は急激に実力を付け、人気も急上昇。男子代表の試合は、ジャニーズに頼るまでもなく、チケットが売り切れるようになった。

 前男子代表キャプテンで、ドイツなどでプレイした柳田将洋選手や、19歳でイタリアに渡り、セリエAで鍛えた石川祐希選手、サウスポーのパワーヒッター・西田有志選手、攻守ともに高いレベルの高橋藍選手(高ははしごだか)など若手がグングン伸び、東京五輪で7位に入賞。その後さらに力をつけ、人気はとどまるところを知らない。

ビジュアルも人気、写真集を出す選手も

 彼らはビジュアル面でも評価が高い。石川選手と藍選手はan・anの表紙になったこともあり、藍選手は単独で写真集も出している。

男子バレー 顔ファン (画像はAmazon.co.jpより)
男子バレー 顔ファン (画像はAmazon.co.jpより)

 強さとビジュアルがそろった結果、選手やチームのプレイだけでなく、選手の見た目に魅力に感じてファンになる女性が急増。ここ最近の「推し活」ブームと相まって、“アイドルの追っかけ”のような光景が見られるようになった。

 選手のグッズを身に付けたり、推し活うちわを制作して応援に駆けつけるファンが、代表戦の会場にも激増。日本で行われる男子バレーの国際試合の観客は大半が女性が占めており、グッズ着用率も高い。

公式グッズにうちわやアクスタ

 アイドルやアーティスト発の推し活文化は、“公式”が後押ししている側面もある。

 ここ数年で推し活が一般的になり、100均などでもグッズ制作アイテムが多く売られていることに加え、公式、つまり大会運営側がその文化に乗っかり、収益源としてグッズを多種多様に販売するようになった。

 2023年秋に日本で行われたバレーボール男子のW杯(五輪最終予選/OQT)では、石川・高橋藍・西田選手などの「ジャンボうちわ」が公式グッズにラインアップ。マフラータオル、レプリカユニフォーム、アクリルスタンド、イラスト缶バッチ、コレクションカード付きキャンディなどなど、ありとあらゆるグッズが用意され、女性ファンが長い列を作った。

男子バレー 顔ファン 2023年W杯男子大会のグッズの一部(日本バレーボール協会公式サイトより)

 筆者はこの大会を現地に見に行ったのだが、1万円以上するアリーナ席に若い女性が並び、そのほとんどがレプリカユニフォームやタオルなどのグッズを身に付けていて驚いた。グッズ販売は長蛇の列で、人気選手のものは売り切れていた。

プロリーグ化で問われる収益力

 バレー選手も人気商売であり、その傾向は加速していく流れだ。2024年10月からは、バレーのプロリーグ「SVリーグ」が始動。チームの運営母体を企業から分離していき、2027年シーズンまでの完全なプロリーグ化を目指す。

 かつて多くのバレー選手は、実業団を母体に「企業の社員」として活動していたが、今後はプロとして身一つでクラブチームと契約し、スポンサーを得る選手が増える。チームの営業力に加え、個々人の力量と人気が、立場と収入を左右することになる。

 高橋藍選手や、日本代表リベロの小川智大選手などはプロとして独立しており、それぞれファンクラブからコンテンツを配信したり、オリジナルグッズを販売したりしている。選手個人が人気を得て収益力を高めることは今後ますます重要になっていく。

男子バレー 顔ファン 高橋藍選手のファンクラブでは、オリジナルグッズを販売している
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