最近増えてる生搾りオレンジジュースの自動販売機って? 工夫やオレンジ不足への対応を聞いた(1/2 ページ)
シンガポールから日本上陸。オレンジ4個を絞ったジュースを1杯350円で販売しています。
飲み物以外にもお菓子やお肉などの食品からおもちゃや日用品など、さまざまなものが買える自動販売機。その中で最近、生搾りオレンジジュース自動販売機が急速に設置を増やしています。駅や商業施設で見かけたという人もいるのではないでしょうか。オレンジ不足も報じられる中で伸びている生搾りオレンジジュース自販機、その工夫などについて聞きました。
シンガポール発の自販機
生絞りオレンジジュース自販機「IJOOZ」はシンガポールのIoTテクノロジー企業・IJOOZ社が製造。2023年4月に日本に初上陸し、IJOOZ Japan(@ijooz_jp)が国内で設置・運営を行っています。現在は、16都府県で約500台が設置されています。
自動販売機内でオレンジまるまる4個を生搾りし、水や砂糖も不使用。添加物も一切不使用で、オレンジのおいしさを存分に味わえるといいます。 280mlで350円とお手頃な価格です。
この5月には福岡県のイオンショッパーズ福岡店屋外渡辺北通り沿いで稼働が開始し、今後、九州エリアでも展開が進められていく予定。SNSでは、実際に飲んだ人たちからの「めちゃくちゃおいしい」「リピートしたい」などの反響が集まっています。
生絞りオレンジジュース自販機「IJOOZ」について、IJOOZ株式会社マーケティングチームの担当にお話を聞きました。
なぜオレンジなのか
――さまざまな素材の中でなぜ「オレンジジュース」を選んだのでしょうか。また、どんなオレンジを使っているのでしょうか
IJOOZ:オレンジジュースは果実飲料生産量トップクラスの人気のあるジュースであり、生絞りジュースのおいしさが受け入れられると判断しました。
オレンジは、弊社基準を満たすアメリカ・オーストラリア産のオレンジを契約農家から直接仕入れています。多い日で1日約12万個のオレンジを自動販売機で消費しています。
――生搾り自販機の日本上陸の理由を教えてください
IJOOZ:世界的に見ても「自販機大国」である日本は治安も含め非常にポテンシャルが高く、まだまだ需要があると判断し、コロナが一段落した2023年4月に進出しました。
――生絞り自動販売機そのもののに対する工夫やこだわりを教えてください
IJOOZ:創設者はエンジニア出身で、グローバル企業でさまざまな技術ノウハウを習得してきました。例えば、リアルタイムのオレンジの残数やカップの数などを管理しており、ビッグデータにより、売れ行きの予想や欠品となる見込みの時間も把握しています。また、オペレーションスタッフがどの自販機で補充・メンテナンス作業を行っているのかなども把握できます。
――自販機を不織布ですっぽり覆った補充の様子がSNSで話題になっていましたが、メンテナンスにあたって気をつけていることはありますか?
IJOOZ:異物が入らないように蚊帳を使用したりしています。
――どんな人が買っていて、どんな場所でよく売れているのでしょうか
IJOOZ:10代〜70代までの幅広い方にご購入いただいています。女性、学生、ファミリー連れが多い印象です。駅構内や商業施設は販売数が多いです。
オレンジ不足への対応は
――世界的なオレンジ不足が報じられていますが、どのように対応していますか
IJOOZ:オレンジ不足へは、自社で開発・製造した機械を使用していること、契約農家を持っていること、SDGsの観点から不ぞろいなオレンジや外皮に傷のあるものも使用していること、AIoT(モノの人工知能)に基づいた管理システムで、オペレーションを最適化していることで対応しています。
また、今のところオレンジの供給に直接的な影響はなく、価格を変更する予定はございません。シンガポールでは、7年以上2ドルの価格を維持しております(観光地を除く)。オレンジ高騰については、消費者の注目がオレンジジュースに集まっており、追い風ととらえています。価格高騰なのにオレンジ4個を使用して350円は安いというお声も多くいただくようになりました。
――今後の展開についてお聞かせください
IJOOZ:今後、関東、関西、東海、九州エリアを中心に、生搾りオレンジジュース自動販売機の展開を加速していく予定です。今話題の次世代自動販売機をぜひ一度お試しください!
オレンジジュースはスーパーやコンビニなどでも手軽に購入できますが、4つのオレンジを使った絞りたてのジュースが飲めるのはぜいたくな体験ではないでしょうか。自販機では搾っている様子も見られ、SNSに動画をアップしている人も少なくありません。そんなエンタメ性も人気の要因なのかもしれません。
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