国立天文台で見られる“絶景”が300万表示 「めっちゃかわいい!!」「行ってみたいなぁ」 天才的な組み合わせが生まれたワケは(1/3 ページ)

これは実際に見てみたい!

» 2024年09月29日 11時30分 公開
[深戸進路ねとらぼ]

 国立天文台で見られる“ステキな風景”がX(Twitter)で話題です。パラボラアンテナとひまわりのキュートな共演に、「え、めっちゃかわいい!!」「行ってみたいなぁ」など反響が寄せられています。

キュートな共演

 投稿者はXユーザーのなすぷる(@Nasupl_r)さん。「せや! ここにひまわり植えたろ! って思いついた人、天才では」と絶賛しながら公開したのは、パラボラアンテナが並んだ場所にたくさんのひまわりが咲いた風景写真です。

国立天文台野辺山で見られるパラボラアンテナとひまわりの風景写真 ステキ……!

 パラボラアンテナとひまわりは同じ方向を向いており、まるで一緒に日向ぼっこをしているかのようです。なすぷるさんも、「ひまわりとパラボラが同じ方向を向いてるのキュートすぎる」と心が和んだようでした。

 撮影場所は、長野県南佐久郡にある国立天文台野辺山宇宙電波観測所。投稿は記事執筆時点で8万件のいいね、300万回の表示を突破しており、Xユーザーからは「素敵です」「絵面がキレイだなー」「こういうの好き 未来都市みたい」「『自分のことをひまわりと思い込んでるパラボラ』と『自分のことをパラボラと思い込んでるひまわり』だ」などの反応が寄せられています。

国立天文台に聞いてみた

 ねとらぼ編集部では、ひまわり畑を作った理由などについて国立天文台に取材しました。

――このアンテナが南向きの理由とどのような役割を果たしているのかお聞かせください

国立天文台:このアンテナは、遠い宇宙からくる電波を観測する役割があります。電波天体は天の川にあることが多く、観測中は南側を向いていることが多いです。このアンテナは、6台のアンテナが同じ方向を向いて同時に観測することで分解能がとても良くなる干渉計という装置で、視力がとても高いのが特徴です。みんなが同じ方向を向いている様子は、ひまわりとそっくりです。

 ですが、写真のアンテナは、実は今は稼働しておらず、動いていません。国立天文台では、ここ野辺山で培われた技術をさらに発展させ、はるかに高性能なアルマというスーパー干渉計を、世界各国と共同で開発し、南米のアタカマ高原に設置しました。宇宙電波を観測する分野のうち、干渉計を使った高分解能のモードは、アルマへと受け継がれ、野辺山の干渉計は役割を終えたということになります。今では、往年の観測の様子を再現し、見栄えも良いということで、南側を向けた状態でアンテナを保管しています。

――ひまわり畑についての取り組みをはじめたきっかけや反響を教えてください

国立天文台:天文台がある野辺山高原は、自然が豊かで気候も良く、村内には自生している花も、農家さんが植えた花もたくさん咲いています。ところが、天文台の中には花がほとんどありませんでした。それを職場体験学習で来てくれていた中学生に教えてもらったのが、ひまわり畑を始めたきっかけです。

 今では、種まきを近隣の小学生に手伝ってもらうなど、ちょっとしたイベントになっています。お盆あたりから見頃を迎えるのですが、たくさん並んだパラボラアンテナと、たくさんのひまわりが、同じ方を向く様子は、来場者の方にはとても評判が良いです。立ち止まって写真を撮られている方も良く見かけます。

――国立天文台の活動状況、国立天文台野辺山の見どころやイベントのご予定などコメントをいただけますでしょうか

国立天文台:国立天文台野辺山では、高分解能モードの干渉計は運用を停止していますが、広視野モードの単一鏡がまだ現役で稼働しています。直径45メートルを誇る巨大アンテナは、ミリ波という種類の電波を観測する装置としては世界最大級の大きさです。

 さらに、電波観測の要となる受信機という装置があるのですが、国立天文台や国内外の大学の独自開発により、最先端のものが搭載されています。この、広視野モードで世界最高の性能を使って、目では見えない冷たく暗い宇宙を、電波を使って日夜調べています。

 宇宙には、調べきれていない領域というのが、実はまだまだたくさん残っていて、広視野モードを使って探索範囲を広げるということは案外重要です。全体像を捉えることによって初めて気づけるようなこともありますし、しらみつぶしに調べることで初めて見つかる不思議な天体もあったりします。それに、スーパー干渉計は、視力はすこぶる良いのですが、実は視野が狭いので、広視野モードの望遠鏡と連携することが大事だったりします。

 国立天文台野辺山の見どころは、そんな現役バリバリの巨大アンテナが動いているところを見られるところです。冬の観測シーズンは迫力満点です。そのほかに、往年の干渉計がズラリと並ぶ様子もSFさながらの光景で圧巻です。最近は、長野県南牧村が観光事業に力を入れており、有料になりますが、ガイドツアーや、ナイトツアー、4D2Uシアターを見学できる学びの部屋ガイドなどが盛況です。イベントの詳細は、イベント情報のページをご確認ください。

画像提供:なすぷるさん

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