“初心者向けのプラモ”をベテランが絵の具で塗ってみたら…… 初心者向けとは思えない“驚がくの仕上がり”に「目からウロコ」(1/3 ページ)

洗浄するところからスタート。

» 2025年01月24日 20時00分 公開
[羽野源一郎ねとらぼ]

 戦闘機のプラモデルを題材にして、初心者に水性塗料を使った塗装方法を紹介する動画がYouTubeに投稿されました。さまざまなテクニックを伝えているこの動画の再生数は、記事執筆時点で1万回を超えています。

【初心者向け】ハセガワの安いF-14を絵の具で塗ってみた【筆塗り】

飛行機模型を絵の具で塗装

 動画が投稿されたのは、プラモデルを独自に塗装したり、模型用の道具をレビューしたりしているYouTubeチャンネル「プラモ塗装フルスクラッチやろう是」。今回は、ハセガワから販売されている「F-14 トムキャット」をアクリルガッシュで塗っていきます。

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F-14トムキャットのプラモデル F-14トムキャットのプラモデルを塗る

 F-14のキットは1977年に発売されたもので、パーツ数は比較的少なめです。使用する絵の具は油分に弱いため、まずは全てのパーツの表面を洗剤「キッチンマジックリン」で洗浄。乾いたら説明書の指示に従って、一部のパーツに穴を開けます。

 今回の作業は組み立てと塗装を平行して実施し、場合によっては先に細かい部品を塗装してからパーツを組み立てます。各部位の固定には、瞬間接着剤と継ぎ目に流し込むタイプのセメントを使用。セメントが固まるまでには時間がかかるのでマスキングテープを適宜使います。なお、接着面に塗料が付着してしまったり、キット製造時に生じた突起「バリ」を見つけたりしたときはヤスリがけなどで対応します。

 塗装作業時に参照するのは、GSIクレオスが公開しているカラーチャート。調色はワックス用の塗料皿を用意し、プラスチック製の食品保存容器の中で行います。食品保存容器の場合は水を少しそそいだ後にキッチンペーパーを敷き、その上にクッキングシートを広げることで乾かないパレットとして使うことができるそうです。また、パイロットやミサイル、コックピット内の計器などの細かい部品は、あらかじめ竹串に刺したり、棒を取り付けた板に貼り付けたりして塗装しやすくしておきます。

コックピットから作業開始

 最初に塗装する部位はコックピット。塗料の膜を強化するための床用ワックスと各材料を交ざりやすくさせるための「マジックリン」、ターナー色彩のアクリルガッシュの白色とランプブラックを交ぜて濃いグレーの塗料を作り、平筆でコックピット部分に塗布。塗ったらすぐにメイク用のスポンジでたたき、塗料を伸ばします。

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F-14トムキャットのコックピットを塗装 白を少し交ぜた塗料でエッジを際立たせる

 キットに付属しているデカール(台紙ごと水に浸し、剥がして使うシールのようなもの)も一部貼り付けますが、ガッシュで塗装するとデカール軟化剤は使えません。そこで「アクリル絵の具用のつや消しニス」を使用。ニスを薄く塗った部分にデカールを貼り、その上からもう一度ニスを塗ってつや消しと貼り付けたデカールの補強をします。

マスキングテープが貼られているF-14トムキャットのキャノピー マスキングテープを細く切って使う場面も

 コックピット内部の塗装やデカール貼りが終わったら、機首と主翼、胴体を組み上げます。エンジンのファンは、ガッシュよりもメタリックな印象を出せる模型用のペンで銀色に塗装。内側を薄いグレーで塗ったエアインテークにファンを付けて、胴体部分に接着します。マスキングテープで保護したキャノピーも機種部分にセットしたら、いよいよ全体を迷彩カラーに塗っていきます。

機体を迷彩模様に

 まず、少し青味を持たせた薄いグレーで全体を塗装。続いて、ベースとなるグレーに黒色とサップグリーンを交ぜたら機体上面の一部に塗ります。ここでブラシから「小さくちぎったスポンジ」に切り替え、フリーハンドで点を打つように黒味を強くした塗料をたたきながら付着させていきます。一通り黒い点を付けたら、青やサップグリーン、白などを交ぜて色味を調節し適宜塗布。機体の色の境目をどんどんぼかし、最後はスポンジを使って表面のガッシュに吸わせるイメージでワックスを塗布します。

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少し濃くしたグレーで塗装された翼と塗装前の翼 色の違いはこれくらい
黒い塗料で迷彩模様に塗られたF-14トムキャット 黒っぽい点を一通り塗った状態

 迷彩模様の他にも、動画ではさまざまな“塗りの知識とテクニック”が登場。立体感を出すためのスミ入れは主翼の可動部や点検ハッチなどに絞って施し、主翼を動かしながら塗ることで「胴体との間に生じた機械油とすす由来の汚れ」を再現しました。

翼と胴体が重なる部分に機械油風の汚れを塗り足す 機械油が付着している様子を再現

 キャノピー部分をずっと保護していたマスキングテープを剥がし、エアブラシで正面を軽く塗装。細かいパーツを付け足し、各部を修正・加筆すれば完成です! シンプルな作りのプラモデルが、実物のF-14をそのまま縮小したかのように仕上がりました。

塗装されたF-14トムキャットのプラモデル 塗装完了!

「めっちゃ参考になりました!」「目からウロコ」

 コメント欄には、「ちょうどスタンプ塗装やろうと思っていたので、めっちゃ参考になりました!」「スポンジでたたいて塗る技法は知ってましたが、なるほど、筆で塗ってからスポンジでたたけばいいんだ」「パーマメントバーニッシュにそんな使い道が……」「スケール模型を全体塗装してしまうのには“目からウロコ”でした!」「窓枠のマスキングは、あらためて勉強になりました」などの感想が寄せられています。

動画提供:YouTubeチャンネル「プラモ塗装フルスクラッチやろう是」さん

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