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日本のイラストレーター、小野眞智子さんは最近、世界の一流クリエイターが集まるアラブ首長国連邦(UAE)のAbu Dhabi Art Hubに招かれた。
小野さんははじめ、自分の作品が非常に好意的に受け入れられたことに驚いた。彼女のかわいい絵は新鮮で、多くの人から質問を受けた。作品を気に入り、購入する人も多かった。アラブの文化世界では、「カワイイ」のジャンルに入る作品はほとんどなく、人々はかわいいものに飢えていた。彼女は、アラブ世界にかわいいものへの需要があるから、自分の作品はこんなに受けたのだという結論に至った。彼女のかわいいイラストは、アラブのアニメ・漫画ファンが集まるさまざまなワークショップでも非常に人気がある。
一方で小野さんは、アラブ世界では「文化」という感覚をつかめないと感じている。アラブ世界は急速に発展して、遊牧民的な風景は高層ビルに取って代わられており、日本の茶会のような文化遺産の名残が見られないという。おそらくそのために、アラブの文化界は“カワイイ”文化を珍しいものととらえ、自分たちの文化にも同様のものを切望しているのだろう。
実際、Abu Dhabi Art Hubを創設したアフメド・サレ・アル・ヤフェイさんはまさに、このアートがアラブ世界の文化になり得ると信じてアートスペースを運営している。
言い換えれば、“カワイイ”はいつか世界平和に貢献できるかもしれないということだ。
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