初ワンマンを「無観客」「Ustream」で バンド「忘れらんねえよ」のライブが忘れらんねえ:ねとらぼ知ったかぶり
会場も「東京の野外」とだけ告知されたのみ。いざライブが始まると――。
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さて突然ですが、今回は1月30日にUstreamを使って開催された、ロックバンド「忘れらんねえよ」の初ワンマンライブについて取り上げたいと思います。
記念すべき初ワンマン……なのに……!
「なんでこんなことやってんのか、全然わかんねえ!! たぶん飲み会のノリで決まったんすよ」「モニタの先にいるちっちゃい部屋にいるあんたに、気持ちをこめて歌うから!」――。
「無観客ライブ」と称したこのイベントがスタートしたのは午後2時。都内の野外会場で行うことはあらかじめ告知されていましたが、それ以上の詳細は明かさずに実施され、当日の模様は音楽配信サイト「OTOTOY」によってUstreamでライブ配信されました。
ライブをUstream配信するのは今や珍しくないことです。ただそのライブがバンドにバンドにとってもファンにとっても特別な“初ワンマン”で、あえて観客を入れずに行うというなら話は別。しかも時間は視聴者が集まりにくい平日の昼間です。「忘れらんねえよ」が、ロックフェス「カウント・ダウン・ジャパン12/13」に出演するなど、バンド界で決して無名でないことを考えると、特殊を通り越して暴挙(?)とも言えるような……。そんなわけでどんなライブになるのか筆者は1人の音楽好きとして密かに注目していました。
時間になると、配信画面には代々木公園野外ステージに立つメンバー3人と、がらんとした客席が……。Ustreamのソーシャルストリームには「本当に無観客だー!」と驚きと笑いのコメントが流れていきます。漫画「モテキ」の久保ミツロウさんも「初ワンマン無観客で代々木野外ステージ!」とツイートするなど、ライブをご覧になっていた様子。
寒空の下、半袖で、力いっぱい歌詞とMCを叫び続ける柴田隆浩さん(Gt、Vo)。「モニタの向こうで膝をかかえてみているあんた。あんたのために歌ってるから! 一緒に新しい景色を見に行こうぜ!」――そう言い放って、本編の最後14曲目に、この日発売だった新曲「この高鳴りをなんと呼ぶ」を披露しました。「聴いた瞬間にドリーミンな気持ちにさせてくれるポピュラリティと殺傷力を持った名曲」と、DJとしても知られるダイノジ・大谷ノブ彦さんが自身のブログで評している楽曲です。
会場の空と同様、一点の曇りのない前向きな歌詞が、最高に晴れやかなメロディーにのって、がらんとした会場に響きます。明らかな勝負曲を、発売日に、見えない観客に向けて声を枯らして歌う姿。「一緒に世界を変えよう」というメッセージが真っ直ぐに画面から伝わる、素晴らしいパフォーマンスだと感じました。なお会場には、場所を予想してかけつけたファンも20人ばかりいたようです。
とは言っても、客がほとんどいないなかでパワフルなパフォーマンスを披露するのは難しいこと。そんな逆風のステージをあえてUstream配信するということに、業界の常識を蹴飛ばすロック精神と高い熱量を感じずにはいられませんでした。ネットを使ったライブ配信の面白さを再確認しつつ、良質なメロディーと話題性、信じたくなる無敵感を持ち合わせた「忘れらんねえよ」は、多くの人に自信をもってお勧めします。
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