消費者庁がKDDIに措置命令 「iPhone 5の75Mbpsサービス、人口カバー率96%へ」 → 実際は14%でした
auでiPhone 5を使っている人はご注意を。
KDDIは5月21日、同社の「au 4G LTE」広告の一部について、不当景品類及び不当表示防止法第6条の規定に基づき、消費者庁から措置命令を受けたことを発表した。iPhone 5の「4G LTE」提供範囲について、カタログやサイトなどでは「受信最大75Mbpsの超高速ネットワークを実人口カバー率96%に急速拡大(2013年3月末予定)」などと記載していたが、実際は2013年3月末時点でも、75Mbpsサービスの実人口カバー率はわずか14%にすぎなかったという。
KDDIは現在、800MHz、1.5GHz、2.1GHzの3つの周波数帯でLTEサービスを提供しており、このうちiPhone 5が対応しているのは2.1GHz帯のみ。このため他の機種では75Mbpsサービスのエリア範囲内でも、iPhone 5ではエリア外になってしまうケースがあったようだ。また発表資料によると、当初から「iPhone 5が対応する周波数帯域については、75Mbpsサービスを利用できる地域を実人口カバー率96%に拡大する計画はありませんでした」とのこと。
今回の措置命令を受け、KDDIでは今後、上記内容を一般消費者に周知徹底するとともに、広告チェック体制を強化するなどし再発防止に努めるとのこと。併せて、代表取締役社長の田中孝司氏を含む責任者6人の報酬を一部返上することも発表された。
追記
実人口カバー率14%だったのは「下り75Mbps」の高速LTEサ−ビスのみであり、「下り37.5Mbps」のLTEサービスはそれより広範囲で提供されていた(正確なカバー率は非公開)とご指摘いただき、一部表現を訂正させていただきました。
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