本格的な生麺がたった10分で作れるという「フィリップス ヌードルメーカー」。6月に発売されて以降、ネット上で評判を見かけるたび使ってみたいと思っていました。だって「炊飯器レベルで気軽に使える存在」なんて言われたら、「ちょっと持ち上げすぎじゃないの!」と疑いつつも気になってしまうのが食いしん坊のさだめです。
そんなわけでフィリップスさんに1台お借りしまして、しばらく我が家のキッチンで試すことにしました。もう先に結論言っちゃいますが、おいしいパスタやうどんが完成しちゃって私の食欲がヤバイという感じになっています。夏バテ気味だったけど、自家製の冷たいうどんウマー。つるつるっといけちゃうわー。
しかしヌードルメーカーは実売想定価格が3万2200円前後と決して安くはありません。欲しいけど、おいしいものができ上がるだけじゃ満足できない! という消費者は多いハズ。果たして10分という手軽さは本当なのか、後片付けはどれくらいの手間がかかるのか、サイズは……その実力を検証してみましたよ。
気になるポイント1:サイズ
資料によるとサイズは(幅)215×(奥行き)343×(高さ)300ミリ。パッケージの箱がデカかったので、本体を取り出してみると「意外とちっちゃい!」という印象を持ちました。まな板1枚分くらいの広さと電源を確保できればオッケイ。ダイニングテーブルなどの上に置いて使えば問題なさそうです。
我が家ではキッチンの作業台に置いてみたのですが、ヌードルメーカーを出したまま空いたスペースでほかの作業をしようとするとさすがに手狭でした。手軽さを売りにしている商品だからこそ、給湯ポットや炊飯器みたいにいつでも使える状態で出しておきたいと思ったのですが、キッチン周りのスペースに余裕がないと難しいですね。
気になるポイント2:準備はどれくらい大変なの?
ヌードルメーカーは「3ステップでカンタン製麺」というのが売り文句。(1)粉を入れる、(2)スタートボタンを押す、(3)液体を入れる――が終われば、5分ほどで麺ができあがると説明されています。3ステップだと! ズボラな私、歓喜! スーパーで薄力粉や強力粉をたんまり買い込んできましたよ。
まずはパスタを作るぞー! 付属のレシピブックを見ながら進めます。粉を軽量カップとキッチンスケールで測り、続いて液体(卵と水と食塩を混ぜたもの)も準備。水は5度以下が目安なので、あらかじめ冷やしておく手間(というほどではないが)はかかりますが、下準備はあっという間に完了しました。
マシン側の準備で必要なのは製麺キャップを取り付けることくらい。このキャップには小さな穴がたくさん開いていて、ここから材料を押し出し麺状にします。付属の製麺キャップ(4種類)を取り替えるだけで太麺/細麺、丸麺/角麺とアレンジできちゃう。使わないキャップはマシンの下側に収納できます。キャップの穴が小さいので、見分けがつきづらいところはちょっとマイナスポイントかなあ。
8月下旬には「シート用キャップ」なるアイテムも追加発売され、ギョウザの皮やラザニアも作れるようになるそうです。生地をお好みの幅に切れるので、これつまりあれだ! 二郎みたいな太麺も可能……!?
気になるポイントその3:製麺その実力
えいっ。いよいよマシンに粉を投入です。ふたをしてスタートボタンを押すと、中でかくはん棒が回転し始めました。ふたの穴から液体を少しずつ流し入れると、粉は水分を含みそぼろ状に。こんなにポロポロで大丈夫なんだろうかと不安を覚えるのですが、この状態が◎なのだそう。こね時間は基本5分で終了です(コシ調整ボタンを押せば8分まで延長が可能)。
すると今度はかくはん棒が逆回転。材料をすくい上げるようにして前側に集めていきます。そしてこの後720キロの圧力で麺を押し出すのです。ウニョウニョ〜! 出てきたー!!! あなたは……まぎれもなく……麺ですね……! さっきまであんなにポロポロだったのに、こんな美しい娘(麺)に育って母ちゃんはうれしいぞ。
材料が無駄にならないよう、かくはん棒は回転&逆回転を繰り返し、最後の最後まで押し出そうと頑張ってくれます。端に残った塊を箸などで真ん中に寄せてあげればさらに無駄なく麺に。製麺が終わって中を見てみるとほとんど何も残っていませんでした。製麺キャップにつまっている20グラムほどが使い切れずに残るのみです。
下準備からここまでかかった時間は20分ほどでしょうか。初めてだったので冷水を用意するのを忘れたり、レシピを見ながらだったりして手間取りましたが、慣れれば「10分で作れる」はウソじゃありません。製麺というと職人が力をこめてこねるイメージがありますが、こんなに簡単にできるとは。気をつけるべきは粉の計量くらいで、あとは失敗するポイントが見当たらないです。
気になるポイントその3:とにかく味だろ、味!
さあ、麺をゆでましょう。この湯気の向こうに俺たちの天国が待ってる! 生麺はゆで時間が比較的短く済むのがいいですね。ゆでる途中でちぎれるようなこともなく、つるつるピカピカに仕上がりました。ソースをかけて完成。写真はトマトとナスとベーコンとモッツァレラチーズのパスタです。もちもちの麺にチーズがからむ、からむ!
粉さえ用意すれば、こんなにもあっさりと“形”になるのか……と感動を覚えました。しかも何のスキルも求められない! 子どもでも作れる! 生パスタはお店で食べるもの――そんな感覚はこれを期に捨てます。我が家がビストロ! リストランテ! トラットリアです……! おおい誰かワインを持ってきてくれぃ!
ヌードルメーカーで作ったうどんもなかなかのものでした。コシを強めに調整して作り冷やして食べてみるとこれが大正解。ネギとミョウガとしょうがをのせて、だし汁を少しかけて……麺そのものを味わう、ある意味ごまかしの効かない一品だったのですが、それでもおいしいぃぃぃ!!! 使い切れない麺は打ち粉をしておけば、とっておくことも可能。はい、明日も麺確定です。
気になるポイントその4:片付け
ヌードルメーカーは、素材をこねる容器、かくはん棒、製麺キャップなどのパーツでできていて、これらをばらして丸洗いできます。ミキサーのように鋭利なパーツはありません。炊飯器に比べたらパーツは多いけど、マシンに残った粉はしばらく置いておけば乾いて剥がれやすくなるので、片付けは深刻な手間ではありません。製麺キャップの詰まりはキャップごと冷凍して固めた後、ふたで押し出すとパコッと外れます。これが意外と快感。
結局のところ、製麺の簡単さについては文句のつけようがなく、メンテナンス性にも優れ、ヌードルメーカーはできる子だ! というのが個人的な結論。棚の中にしまってほこりをかぶるのはもったいないので、キッチン周辺にスペースを確保して炊飯器、コーヒーメーカー、ミキサー、給湯ポット……その並びにヌードルメーカーを加えたいところです。そうすれば、今日は白米? それともナ・マ・メ・ン? そんなぜいたくな悩みがあなたの家庭にやってきますよ。
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