玉吉さんの元気な姿にファン安堵 「ラブラブROUTE21」上映会で語られた、「ラブラブROUTE21」が未完に終わった理由
玉吉ファンにとってはお宝映像満載のイベントでした。
新宿ロフトプラスワンで9月22日、昨年実写映画が公開された「ラブラブROUTE21(トゥエニーワン)」の特別上映会が行われ、原作者・桜玉吉さんも映像で出演しました。録画映像とは言え、玉吉さんがこうした場に現われるのはかなり珍しく、玉吉ファンにとっては貴重なイベントとなりました。
イベントの前半では、昨年、末満健一監督により実写化された、短編映画「ラブラブROUTE21」(約30分)を上映。後半では玉吉さんへの映像インタビューや、「O村」ことコミックビームの奥村勝彦編集総長による、伊豆の玉吉さん邸探訪記などが上映されました。
映像の中で玉吉さんは「ラブラブROUTE21」の連載時を振り返り、「(なんで書こうと思ったのか)覚えてない」「たぶん一発ネタだったんだと思います(笑)」とコメント。ただ、当時の担当だった広瀬さん(ヒロポン)が面白がってくれたことは覚えており、「広瀬くんが面白がってくれたからだろうね」とも。
また、作中では未完のまま終わっている「ラブラブROUTE21」ですが、玉吉さんの中では「別れないと同棲漫画じゃない」という考えが強くあり、あの2人は最後、何らかの形で別れて終わるはずだったそう。ある意味、映画とは真逆の結末だったとも言えます。ただ、なぜ完結させられなかったかについては「一番大事にしていた分だけ、とっとと収めちゃえという感じにはならなかったんじゃないかなあ。それをちゃんと書くにはこのコマ割りで、左から右へ読むこの漫画ではややツラかった。大事にしすぎちゃったんだよね、たぶん」とのこと。作品と真摯に向き合いすぎてしまったために、だんだん続きが書けなくなっていったと振り返りました。
ちなみに映像では、玉吉さんはお馴染みの「お面」姿ではなく、口元だけをマスクで隠した、比較的素顔に近い形で登場。O村さんによる探訪記では、マンガさながらの掛け合いも見られ、そのたびに会場からは大きな笑いが起こっていました。
最後、末満監督が奥村編集総長に「2人が別れるまで書いてほしい」とリクエストすると、奥村編集総長は「え゛ーっ」と露骨にイヤそうな顔をしつつも、「いやー、まあなあ、やりかけたモン途中でやめるっつーのもナンだな。せっかくこういう形で(末満監督との)出会いがあったわけだから、なんとか、うん、前向きに努力するよ」とコメント。意外と前向きな奥村編集総長に、会場からは大きな拍手があがり、イベントは幕を閉じたのでした。
なお、「ラブラブROUTE21」本編映像やインタビュー、探訪記などを含むイベントの様子は、ニコニコ生放送(有料)でも同時中継。見逃してしまった人も、年内いっぱいはタイムシフトで見られるようにするとのことです。
コミックビームでは夏から秋にかけ、創刊20周年を記念して、桜玉吉さんにちなんださまざまなイベントを開催する「桜玉吉祭」を開催中。これまでにも玉吉さんのLINEスタンプや、Tシャツなどのオリジナルグッズがリリースされています(関連記事)。
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