1890年代、階級社会がまだ根強いヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台に描く、貴族とメイドの禁断のラブストーリー「エマ」。著者の森薫さんは自他ともに認めるメイド好きであり、その細やかな描写は必見です。
良家の家庭教師を引退してロンドンで隠遁(いんとん)生活を送っている老婦人・ケリーの下で、幼いころから使用人としての教育を受け、家事全般を一人で取り仕切るメイドとして暮らしていた主人公のエマ。ある日、ケリーの元教え子で良家の跡取り息子・ウィリアムが訪れたことで、二人の許されない恋愛が始まることになります。
そんな「エマ」を紹介してくれるのは、メイド関係の仕事をしたことがあるというあじちゃん。自身のメイド経験から作品の魅力を熱く語っていただきました!
絵の表現にひかれて
―― 「エマ」を読み始めたきっかけを教えてください。
働いてたクラシカルなメイドさんのお店に、この漫画の3巻だけ置いてあったんですよ。休憩中にパラパラ読んでたら面白くて全巻まとめ買いしてしまいました。
―― 途中から読み始めたのにハマってしまったんですね。どんなところにひかれたんでしょうか?
途中からだったのでストーリーの本筋というよりは、メイドさんが働いている姿だったり、イギリスのお嬢様のスカートのヒラヒラだったり、絵の描写を中心に夢中で読んでいた感じですね(笑)。
―― あじちゃん自身がメイド関係の仕事をしていたこともあって、作品の世界観はとても魅力的に映ったんでしょうね。
理想の上司はメイド長のアデーレ?
―― あじちゃんが仕事をする上で、「エマ」のキャラクターから影響を受けたことはありましたか?
エマとメイド長のアデーレさんの完璧な仕事ぶりにほれて、こんなかっこいいメイドさんになりたいって思いました。
他の飲食の仕事でも、メイドさんばりのテキパキした配膳や、ゲストに気を負わせない気配りを意識するようになりました。私すぐに影響されやすいので(笑)。
―― 素晴らしいですね! お客さんも本格派の接客を受けられるなんてうらやましいです。特にメイド長のアデーレさんがお好きということですが、印象的なシーンはありますか?
お屋敷に勤める他のメイドさんは、結婚していなくなってしまうことが多いと作中でも書かれているんですが、アデーレさんは結婚よりも仕事に生きるって感じなんですね。
恋人を振って、その素振りを見せることもなく「仕事を忠実にきっちりしていることが素晴らしい」と言っている巻があって、すごく印象に残っています。私は結婚しちゃいましたけど(笑)。
―― お幸せそうで何よりです(笑)。アデーレさんの魅力についてもう少し詳しく教えてください。
他のメイドさんが騒がしい感じの中で、アデーレさんだけはピシッとしているんですよ。絶対的なメイド長としての立ち位置を確立していて、部下に対する気配りが厳しいながらにもあって、理想的な上司像でもあります。
―― 「エマ」の登場人物からいろいろな影響を受けているんですね。本日はありがとうございました!
著者・森薫さんの細やかな描写にひかれる本格派メイド&禁断ラブストーリー「エマ」。エマとアデーレさんの師弟関係にも、ぜひ注目してチェックしてみてください!
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