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映画「マトリックス」で有名な「ウォシャウスキー姉弟」の弟、アンディ・ウォシャウスキーさんが女性に性転換し、「リリー・ウォシャウスキー」となったことを正式に発表しました。かつて兄弟だった2人は、姉妹としての新たな一歩を踏み出しました。
LGBTコミュニティーのためのメディア「Windy City Times」で発表した声明文の中でリリーさんは、一部メディアの“脅威”に迫られ、発表に踏み切ったいきさつを説明しています。
それによると、イギリスのDaily Mail紙の記者を名乗る人物がリリーさんの自宅におしかけ、取材のアポイントを取ろうと接触。リリーさんより早く女性に性転換し、4年前に「ラリー」から「ラナ」と改名し女性になったことをカミングアウトしていた姉とともにマスコミを避けていたリリーさんは、同紙が引き起こしたある事件を思い出します。
それは、男性から女性に性転換した小学校の教員を「子どもたちの繊細な純真さに悪影響を与える。体も職業も取り違えている」とした記事。記事が出た3カ月後に教員は自殺してしまった事件です。Daily Mailが接触してきた目的は明らかで、さらしものになる前に、自らカミングアウトを決意したのです。
リリーさんは、敵意に満ちた世界の中で生きていかなくてはならないトランスジェンダーの厳しい現実を嘆きながらも、姉のラナさんをはじめ、家族や友人の支えに感謝しています。
男か女かの単純な二者択一の概念を超えた対話を呼びかけ、「もう1つの世界の可能性を示すためにも、楽観主義を貫く」と声明文を結ぶリリーさん。勇気と知性にあふれる作品をどんどん生み出してほしいですね。
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