江戸時代、「好色五人女」「日本永代蔵」「世間胸算用」など数々の浮世草子を残したことで知られる井原西鶴。その西鶴が手掛けた作品の一つで、男性同士の恋愛を描いた短編集「男色大鑑」が、現代BL作家たちの手によりBL漫画としてコミカライズ(アンソロジー)されることが決定。5月14日に「男色大鑑-武士編-」(KADOKAWA)が、6月15日には「男色大鑑-歌舞伎若衆編-」(KADOKAWA)が発売されます。価格は各1000円(税別)。
「男色大鑑」が出版されたのは今から300年以上も昔の1687年(貞享4年)。全8巻からなり、武家社会の「衆道」に殉ずる人間たちを描いた前半部分と、当時流行した歌舞伎社会の若衆たちの愛を描いた後半部分で構成されています。日本ではあまり知られていない作品ですが、20世紀初頭には英語やフランス語に翻訳されるなど、海外では読まれていたようです。
前半の「男色大鑑-武士編-」では、一人の若衆をめぐって朋輩の武士たちが仲違えをしたり、殿様が寵愛する美童に家臣が横恋慕したりと、命を懸けて恋の道を貫いた男たちの生き様が描かれます。執筆陣はオトノアヲさん、雁皮郎さん、九州男児さん、黒井つむじさん、時東穹生さん、眞山りかさん、宮木りえさんの7人です。
後半の「男色大鑑-歌舞伎若衆編-」では、江戸初期の華美な歌舞伎舞台の裏側で、金で体を買われながらも真の愛を貫いた若衆たちの美しき恋模様が描かれます。執筆陣はARUKUさん、阿弥陀しずくさん、大竹直子さん、雁皮郎さん、九州男児さん、黒井つむじさん、眞山りかさんの7人です。
装画は両作ともZAKKさんが担当。いずれも敬愛大学・畑中千晶教授による解説が収録されます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- LGBTを扱った映画が、映画界に新たな歴史を作り、古典となっていく
キャロルはいいぞ……。連載「ネットは1日25時間」。 - キティさんまさか…… サンリオピューロランドにてボーイズラブ小説原作の朗読劇が上演決定、特定層ざわつく
おそらく一般向けの内容になってるとは思いますが、キティさん……! - やおい文化以前に各国の女性が書いたBL小説たち 「古典BL小説集」を平凡社が発売
19世紀から腐女子はいた? - ゲイアートの巨匠は“一般誌”で何を伝えるか
『さぶ』『Badi』といったゲイの専門誌での連載や、海外ではゲイアートの個展を開くなどしてその名を知られる田亀源五郎さん。5月25日に第1巻が発売された『弟の夫』の魅力を中心に田亀さんに迫る。 - 同性カップルに「子ども」が誕生する日 遺伝情報を基に遺伝データを生成
2月3〜14日、国立新美術館で展示。 - BLだけでごはん何杯でもいけるらしいよ 腐男子の日常を描く「腐男子高校生活」のアニメ化が決定
主人公は腐男子。 - アッー! ニメイトさん アニメイト新潟店で2月14日に男性スタッフが男性客に壁ドン+耳元で愛の言葉をささやく謎企画実施
バレンタイン、それは新しい扉が開く日。