ミュージシャンのテイラー・スウィフトとカニエ・ウェストが繰り広げる因縁の対決に、ウェストの妻、キム・カーダシアンも加わり混迷の様相を呈しています。
問題となっているのはウェストの楽曲に含まれる「俺は今でもテイラーと寝たいかも」「だってあのビッチは俺が有名にしてやったんだ」といった歌詞。彼の7枚目のアルバム「ザ・ライフ・オブ・パブロ」に収録されている「Famous」という曲の言葉です。
ウェストは、この歌詞はスウィフトの了承を取ったものだとしましたが、スウィフトのスポークスマンは否定。するとウェストは次のような内容をTwitterに投稿します。
俺はテイラーをディスってないしディスったこともない。俺はアーティストだから感じたままに表現するし、妻にも問題ないか聞いたら大丈夫ってことだった。歌詞はテイラーに電話して了承を得た。彼女はあの歌詞を面白いと言った。
ビッチっていうのは、ニガーっていうみたいに、ヒップホップの世界では愛のある言葉。俺はこのアイデアを自分だけのものだとさえ思ってなくて、テイラーにも何かしようと考えてる。友達と食事してるとき、テイラーは「私を有名にしてくれたんだから、カニエに対して怒ることはできない」って言ったんだ。
この数日後、スウィフトはグラミー賞のスピーチで、「成功を妨害しようとする人」と暗にウェストを批判した発言をするなど、中傷合戦は激化。そこにウェストの妻、カーダシアンも参戦し、「テイラーとウェストが電話で歌詞について話していた」とテレビや雑誌で“証言”。「被害者ぶっている」「夫をディスっている」とテイラーの態度を批判するとともに、2人が電話しているところは録画してあり、テイラーの弁護士からはそれを破棄するよう要請されたことを明かします。そしてカーダシアンは、渦中の音声動画をSnapchatなどで公開してしまいました。
動画には、問題となった歌詞「俺は今でもテイラーと寝たいかも」のフレーズをウェストがゆっくりと読み上げ、それを感じ良く受け入れるスウィフトの声が収録されています。会話中のスウィフトからは「ここは冗談として通っているところがすごくかっこいい」「このことを私に言ってくれて感謝してる」など、ウェスト対して好意的と取れるコメントが確認できます。
ただし、動画には編集が加えられており、ところどころでブツブツと途切れているため、スウィフトとウェストの会話に連続性がないこと、そもそもなぜウェスト夫妻は動画を撮影したのかなども含め、疑問は残ります。
この動画投稿を受けてスウィフトは7月18日、Instagaram上に画像化されたテキストを投稿。「動画の中で、ウェストが歌の中で自分のことを「ビッチ」と呼ぶだなんて言っている箇所はない」「そもそもそんな内容は存在しない」「世界に向けてビッチ呼ばわりされた人間の感情がコントロールできるわけがない」などと反論。一方で、「もちろんこの歌を好きになりたかった」、ウェストの「きっと君も気にいる」という言葉を信じたかった。フレンドリーな関係を築きたかった。彼は私に歌詞を聴かせてくれるって約束したのに守ってない、など、複雑な心境も明かしつつ、「この物語から、私のことははずしてほしい。2009年からずっとよ」と結んでいます。
「2009年」というのは、当時19歳のスウィフトが、女性アーティスト部門でビヨンセを抑えて受賞した「MTVビデオ・ミュージック・アワード 2009」のこと。ここでウェストは壇上に乱入し、「ビヨンセのミュージックビデオが最高」と発言した事件が2人の因縁のはじまり。ちなみにスウィフト、このときがウェストとの初対面だったと語っています。
ウェストが「俺が有名にしてやった」と言っているのもこの事件を指している様子。当時、壇上で大ブーイングを浴びたウェストは謝罪し、その後2人は和解したのだと思われていましたが、スウィフト側にはまだしこりが残っていたのかもしれません。この後のスウィフトの動向も注目されますが、これ、決着付くのかな……?
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