advertisement
放送倫理・番組向上機構(BPO)は、2014年12月28日にテレビ朝日で放送された「世紀の瞬間&未解決事件 日本の事件スペシャル『世田谷一家殺害事件』」について「放送倫理上重大な問題があった」との見解を発表しました。
同番組は2000年12月30日深夜に発生した世田谷の一家殺害事件を扱ったもので、番組への申し立てを行ったのは事件当時隣に住んでいたという被害者遺族の1人。申立人は“被害者の顔見知りの犯行であること”や“犯人は被害者に強い恨みを持つこと”などを否定していましたが、番組中に登場するFBIの元捜査官は犯人像を「被害者家族の顔見知り」「強い怨恨を抱いている人物」と見立てており、本来食い違うはずの両者の見解を「面談場面での恣意(しい)的な編集などにより(元捜査官に)賛同しているかのような形で放送された」として人権侵害があったことを主張していました。
BPOは、人権侵害には当たらないものの、元捜査官に賛同していると受け取られる可能性が高い内容で「放送倫理上重大な問題があった」と判断。申立人の考えや被害者遺族であることを配慮する必要があることを理解していたにもかかわらず、誤解を招きかねない形で制作を行っていたと指摘し、今後は放送倫理の順守をさらに徹底するよう勧告しています。
関連記事
- BPOがTBS「ピラミッド・ダービー」審議入りを正式発表 出演者はブログでTBS社長に公開質問
出演者「TBS上層部は相手の立場にたって考えていない」 - 映像加工し出演者「脱落」扱いに TBS系「ピラミッド・ダービー」がBPO審議入り
出題順がオンエア上では入れ替えられ、出演者の1人が途中で脱落、最終問題では編集で「いなかったことにされる」という演出がなされていました。 - フジテレビのバラエティー番組「カスペ」に、BPOから「放送倫理上問題あり」との判断
フジテレビは「あなたの知るかもしれない世界6」内の企画コーナーに関して、この放送の取材に応じた男性から申し立てを受けていた。 - ”芸人おむつ脱がせ”でBPO審議入りしていたテレビ東京の「ざっくりハイタッチ」 BPOが見解を発表
「深夜帯番組だから青少年のことは考慮しなくてよいという時代ではなくなりつつある」としています。 - TBSテレビ「アッコにおまかせ!」に人権侵害があったとしてBPOが勧告 佐村河内守さん謝罪会見に関する放送で
「聴覚障害」というテーマに対して正確な説明がなされる必要があった。 - NHK「クローズアップ現代」のやらせ問題 BPOが「重大な放送倫理違反」と意見発表
「著しく正確性に欠ける情報を伝えた」としています。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.