恐竜……それは、はるかなる太古の息吹……。図書館でも、小さな子どもさんから大人まで、とっても人気のジャンルです。「恐竜は学説によってどんどん変わっていくジャンルだから、本も新しいものをチェックしておかないと、恐竜界に置いていかれちゃうよ!」と、司書の勉強会でも話題になるほど、変わらぬ人気ぶりです。
今はもう存在していない恐竜たち。でもその姿を実際に見ることが出来たら……興奮高まりますね。実は、そんなわくわく感と、全国あちこちで巡り合えるんですって。
日本全国の「恐竜像」と会える場所、200カ所以上を掲載!
こちらの同人誌は、恐竜好きの方々から寄せられた情報をぎゅっと1冊にまとめた本です。小さな遊具から、実物大!? というほど大きなモニュメントまで、実際に訪れることができる公園やテーマパークがなんと220カ所も掲載されています。カラー写真付きで、公園名、住所、最寄駅まで載っていて、これは便利。
なによりその恐竜公園物件への細やかな目配り具合がすごいんです。恐竜・古代生物の立体像が1つでもあれば掲載されているため、テーマパークや公園に限らず、住宅展示場の庭、お寺、干し芋専門店などなど、こんなところにも恐竜が!? と驚くほど、恐竜像があればどこでもチェックされています。
なぜだかとっても愛らしい! 恐竜像の眼差しと愛あふれるコメントに胸きゅん
たくさん情報が載っているので、ひとつひとつのコメントはごく短く、画像も小さなものですが、愛嬌あふれる恐竜たちの姿に心ひかれます。ゴツゴツした見た目なのに、つぶらな瞳。それが白目と瞳の微妙なバランスで「んっ!? 恐竜ってこんな目だったっけ?」と図鑑を見たくなるようなお顔になっていたり、同じ型の遊具もそれぞれの公園で色がちがっていたりと、どの子も個性のある出で立ちです。実物は決して見ることができないだけに、「恐竜って、きっとこんな姿だよね!」という、作り手の想像力の発露を感じます。
個人的には、埼玉県はんにゃの丘公園の大型海獣パレオパラドキシアさんに目が止まりました。なんですか、このまるっとした口元のシルエット。そして、そっとつき出された前足。海の中を優雅にお散歩しているみたいな姿……こんな、魅力あふれる像に実際に会えてしまうとは、心ときめきます。
写真に添えられたコメントがこれまたきらりと光るんです。アパトサウルス、エピオルニス、タルボサウルスなど具体名をあげたり、「おちゃめな表情」と造形もチェック、「駅からのアクセス情報がすごい(徳島県勝浦町 恐竜の里、最寄バス停から徒歩80分)」など、注目点をちゃんと教えてくれつつも、時に「ティラノの目の位置が違う……」とついついツッコミを抑えきれないところに、ひしひしと愛を感じます。
情報は今でもアップデート中。恐竜と出会ったら教えたくなるかも
しかし、これだけ手広く掲載していると、避けられないのが情報の変化です。お店や観光ガイド本の宿命の「閉店してしまった」という事態を、この本では“絶滅”と表現しておられます。絶滅……納得です。
でも、一方で新しい恐竜像もつぎつぎ発見されているようですよ。こちらのページで最新情報を収集中とのことです。
毛が生えたり、カラフルな色になったりと、いろいろな説が現れつつも、変わらず愛される恐竜像たち。あなたのお近くにもきっと1体あるのでは? 見かけたら「ここにあったよ!」って誰かに言いたくなりそうです。
サークル情報
サークル名:恐竜倶楽部
Twitter:@dtmkancho
Webサイト:http://www.dinotoymuseum.com/link/link07.html
連絡先:info☆dinotoymuseum.com(☆→@に)
今週のシャッツキステ
実は今回の本、「あっ、こちらのご本、私も持っています!」とノアちゃんと意気投合した本なのです。そんなノアちゃんと一緒に“恐竜っぽいポーズ”で。まわりのメイドから「もっと爪っぽく!」「ちょっと手が恐竜っぽさあります」などなど、叱咤激励(しったげきれい)の声が飛び交った1枚です
著者紹介
司書メイド ミソノ:秋葉原カルチャーカフェ「シャッツキステ」でメイドとしてお給仕する傍ら、とある大きな図書館で司書としても働く“司書メイド”。その一方で、こよなく同人誌を愛し、シャッツキステでも「はじめての同人誌づくり」「こだわりの特殊装丁」の展示イベントを開く。自身でも同人誌を作り、サークル活動歴は「人生の半分を越えた辺りで数えるのをやめました」と語る
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