台湾・西門町にある「萬年商業大樓」をご存じでしょうか? いわゆるオタク系のお店が多い、日本では「オタクビル」と呼ばれる事も多いこの商業施設。日本のアニメや漫画に限らず、いろいろなお店が立ち並ぶそうです。地元の人によると「衣食住、娯楽の全てがこのビルで解決できるよ!」とのこと。衣食と娯楽は分かるけど住まで!? 一体どのようなビルなのでしょうか、早速お邪魔してきました。
入口付近に掲げられたフロアガイドを見ると、地下1階は軽食などを扱うフードコート、1〜4階が店舗フロアとなっています。さらに5階はゲームセンター、6・7階はビジネスホテル、その上の8・9階は映画館、最上階の10階は漫画喫茶と、何でもありありの構成。確かに衣食住と娯楽が全て詰まっています。ゲームセンターと映画館に挟まれたビジネスホテルは防音面が少し心配な気が……。
入口をくぐると、古びた外観からは想像もつかないほど明るいフロアが広がっており、今どきの若者がお買い物を楽しんでいました。香水ショップ、腕時計専門店、つけまつげショップなどが立ち並び、「オタクビル」とは程遠い印象。なんとここでピアスも開けられるそうです。もしや既にオタクビルではなくなってしまったのか!? と不安がよぎりましたが、エスカレーター横にちゃんとフィギュアやぬいぐるみを扱うショーケースが並んでいました。
エスカレーターで2Fに上がると、まず飛び込んでくるのはブランド品の中古販売ショップ。ここはブランドフロアなのか……と探索していると、高級ブランドのベルトや財布とともに並べられた駄菓子を発見。なぜこれらを一緒に並べようと思ったのだろうか……。そして駄菓子は超人気商品だそうです。この階にオタクショップは皆無で、代わりにファッションやスニーカーが充実していました。
今のところオタク向けといえる店は1店舗のみ。台湾ではもうアニメや漫画は流行っていないのか……? と意気消沈しながら3Fへ。フロアについた瞬間、その心配は吹っ飛びました。なぜならまず目に飛び込んできたのがガンプラショップ、しかも明らかに1・2Fより人が密集しています。その他のお店もガンプラや模型、ミリタリー用品店などオタク心をくすぐるものばかり。下の階とは明らかにターゲット層が違う気がします。お値段は日本と同じぐらいの物から、「これ、こんなに安くていいの!?」とマニア垂ぜんの物までさまざま。お店によって品ぞろえも違うので、宝探し気分でいろいろ回ってみることをオススメします。掘り出し物が見つかるかも。
4Fは女性向けを取り扱う店がちらほらありましたが、3Fと同じような雰囲気。女性向けのグッズや雑誌は、アニメイト台北店やらしんばん台北店のほうが多い印象。「ここではあまり取り扱っていないかな!」と店員さんが教えてくださいました。
5Fにはフロアをぶち抜いて作られたゲームセンター。ほとんどが日本のゲームです。
この商業ゾーンの上にビジネスホテル、映画館、漫画喫茶が続く「萬年商業大樓」。実は日本統治時代からある建物で、当時は劇場としての運営だったそうです。1970年代から現在の形態になり、現地の人に限らず観光客にも長く愛されるこのビル。台湾文化と日本文化が入り交じった不思議な空間ですが、話のタネに訪問する方が絶えないとか。この雑然とした感じ、日本ではなかなか味わえないかも?
(あゆみん)
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同じアジアだから、ブームが連動しているのかも。