自主製作映画「SLUM-POLIS」で注目された新鋭・二宮健監督の最新作「MATSUMOTO TRIBE」が4月15日から1週間、新宿武蔵野館で上映されます。全キャスト実名出演で現実と虚構が入り交じる世界で映画の“演出”の妙が感じられると、映画業界の内外から注目が集まっています。
同作は、自分に絶対の自信を持つ無名の俳優・松本ファイターが、映画「トイレのピエタ」で知られる松永大司監督の新作映画オーディションに参加し、過酷な現実を突きつけられるというストーリー。
主に描かれるのは、「役者」と「1人の人間」の間にある心の葛藤ですが、同作が注目されるのは、松本さんをはじめキャストが全員実名で出演するなど、いわゆるフェイクドキュメンタリーの構成を採りながら、劇中に組み込まれた仕掛けも手伝って、気付かないうちに「現実」を超えた「芝居」の世界に入り込んでしまうこと。映画の“演出”とは何かを感じられる意欲作です。
二宮監督が学生時代から撮り続けていた「MATSUMOTO」シリーズの3作目にして完結編となる同作。前2作が学生映画界を舞台としていたのに対し、今作の舞台は日本映画界。プロの映画監督となった二宮監督が、松永監督をはじめ、「合葬」の小林達夫監督、「ディアーディアー」の菊地健雄監督など日本映画界の新鋭監督に演技をさせながら、自らの追求する「演出とは何か」という問いに答えを出そうとしています。
同作には、映画「お盆の弟」で知られる大崎章監督や、女優の佐津川愛美さんなど多くの映画監督、女優などが称賛のコメントを寄せているほか、松本穂香さんの事務所の先輩でもある女優の有村架純さんも公式サイト上で、「本編全てが嘘で作られたものかもしれないし、嘘のはずが、本当になっていったのかもしれない」と意味深なコメントを寄せるなど関心の高さがうかがえます。4月21日までの公開期間、劇場では監督や出演者による連日のトークショーも予定されています。
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