地球の長い歴史を化石や地層などから分類する、地質時代。そこに千葉県に由来した時代区分が登場するかもしれません。
国立極地研究所らによる研究チームが、同県内の地層を「GSSP(地質時代の境界を観察、研究するうえで最も優れた地層)」として申請することを発表。審査が通過したら、約77万〜12万6000年前を指す表現として「チバニアン」が誕生するとしています。実現すれば、国内の地名を使った日本初の地質時代名称に。
GSSPは、地質時代の区分を標準化するために、世界で1カ所だけ認定されているもの。一部で決定していないものがあり、地球で最後の地場逆転(地球のS極とN極が入れ替わる)が発生した更新世前期、中期の境界などが挙げられます。国立極地研究所などの研究チームは、千葉県市原市の地層「千葉セクション」を6月7日にGSSPとして申請。ここでは地場逆転の時期が従来の説より1万年以上遅く、約77万年前だったという研究成果などが上がっており、かねて認定が期待されていました(関連記事)。
千葉セクションがGSSPとして認められた場合、命名慣例にしたがって「千葉の時代」を意味する「チバニアン」が、約77万〜12万6000年前の地質時代を指す表現として採用される見込み。そうなれば「CHIBA」の名前は国際的に知られるようになり、もちろん海外の教科書などにも記載されるはずです。
イタリアにも候補になっている地層が存在し、こちらでも申請が行われる予定。GSSPの決定は、国際層序委員会(ICS)、国際地質科学連合(IUGS)などでの投票結果を踏まえて行われます。千葉県の世界デビューが実現するのか、今後の展開に期待です。
(マッハ・キショ松)
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