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なぜ再び「タイラー」なのか? 「無責任ギャラクシー☆タイラー」プロデューサーに聞いた

直球で聞いてみました。

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 「無責任艦長タイラー」以来、約25年ぶりの新作アニメ化となる小説「宇宙一の無責任男」シリーズ。前アニメシリーズでは原作キャラクターをアニメ用に翻案し、当初は原作ファンから賛否を呼びましたが、そんなギャップを補って余りある魅力で今なお愛され続ける作品になりました。原作ファンとアニメ版ファンの不毛な争いが沈静化し切ったと思われた矢先での新作「無責任ギャラクシー☆タイラー」の発表。なぜ今再び「タイラー」なのか? 企画プロデュースを手掛け、製作会社ドリームクリエイションの代表取締役を務める石塚治寿さんにお話を聞きました。

なぜ再び「タイラー」なのか? 「無責任ギャラクシー☆タイラー」プロデューサーに聞いた いよいよ7月11日から放送開始!

きっかけはミュージカル版「タイラー」

――いきなりですが、どうして今「タイラー」をやることになったんですか?

石塚 きっかけは昨年やった舞台版の「タイラー」だったんですよ。ジャスティ・ウエキ・タイラーが軍を退役した後に、とある惑星で起こったドタバタを舞台にしたオリジナルスピンアウトなんですが。 2016年5月に「タイラー!」、2017年2月に続編「タイラーx2」として上演しています。こちらの劇団を主催している朝倉薫さんが原作者の吉岡平さんの師匠に当たりまして。せっかく舞台版をやっていて、アニメ版も25周年という節目のタイミングだし、どうせならもっと盛り上げたいよねという話がお2人の間でありました。舞台版にドリームクリエイションからも俳優が出演していたご縁で、「アニメをやろう!」となったときに、うちも関わらせていただくことになったんです。

なぜ再び「タイラー」なのか? 「無責任ギャラクシー☆タイラー」プロデューサーに聞いた 舞台版タイラーのポスター

――そんな経緯があったんですね。ではストーリーは吉岡先生と朝倉さんが共同で作っていったのでしょうか?

石塚 お2人に加えて、長年朝倉さんのサポートを務めた麻草郁さんにもシリーズ構成としてご参加いただいてます。3人に原作者グループとして組んでいただき、最終的に麻草さんにプロットを書いてもらう形を取りました。麻草さんは舞台版でも演出助手を務めていて、世界観への理解も深く、吉岡先生からも太鼓判を押していただきました。

――吉岡先生がアニメ化の決定を正式発表の2週間前に聞いたとツイートされていて、まさか吉岡先生がほとんど関わっていないのではとちょっとだけ心配してました。

石塚 いやいや(笑)。企画自体は進行していたんですけど、先生にチェックしてもらったのはプロット時と、あとは途中で何かあればという感じだったので、決定のご連絡が遅れていました。3人によるプロット作業がとても早かったんです。2017年の初め頃に「こんな感じで行こうか」と話をして、麻草さんが即座に書き上げてくれました。ミュージカル版を経て、過去作への造詣が深かったのも幸いしましたね。前のアニメ版とはキャラクターデザインからして違う方向性になっているので、賛否両論は避けられないとは思いますけれども、テイストを損なわないという意味ではご安心いただければと思います。


――少し安心しました(笑)。キャラクターのお話が出ましたが、今回の新たな主人公「バンジョー・ウエキ・タイラー」はそのまんま、楽器のバンジョーを持っていますよね。タイラーは原作(富士見ファンタジア文庫版)だとよく歌を歌ったり、そもそも植木等さんのクレージー映画が作品の元ネタの1つになっていたりしますが、この辺も意識されているのでしょうか?

石塚 それは狙ってるとは思いますよ。バンジョーはプロットの段階から入っていましたからね。

なぜ再び「タイラー」なのか? 「無責任ギャラクシー☆タイラー」プロデューサーに聞いた


蓄積してきたショートアニメのノウハウ

――今回キャラクターデザインを手掛けられている北奈つきさんは、普段は声優などもやられている方だと知って驚きました。

石塚 北奈さんの起用は木村(寛)監督の推薦です。私も北奈さんの細かなプロフィールまでは知らなかったんですが、木村監督への信頼もありましたし、何より上がってきた絵を見てこれで行けると思いました。

なぜ再び「タイラー」なのか? 「無責任ギャラクシー☆タイラー」プロデューサーに聞いた タイラー(右)とヤマモト372号(左)。初キャラクターデザインとは思えないかわいらしさがある

――新作の「無責任ギャラクシー☆タイラー」は5分枠のショートアニメとのことですが、木村監督は過去にも「リコーダーとランドセル」シリーズや「はいたい七葉」など、5分アニメの経験が豊かですよね。

石塚 そうですね。私は既に3作品でご一緒してまして。「リコーダーとランドセル」シリーズ、「ミリタリ」「だんちがい」と、いずれもショートアニメだったので、安心して作品を任せられてます。3月ごろにシナリオを起こして、4月にはコンテ作業に入ってました。コンテはショートアニメとはいえ、週に2〜3本というハイペースで上がってきました。

――シナリオも監督が書かれているんですか?

石塚 麻草さんのプロットを元に、木村監督に書いていただいてます。ちなみにショートアニメでは分業するメリットが少なくて、1人でホンを書いてコンテを切って演出したほうが無駄がないんですよ。そういうところでは過去の経験値が生きています。

――キャストについてはどうでしょう。

石塚 こちらも賛否両論だとは思いますが(笑)。「タイラー」は現在連載されているわけではなく、四半世紀も前の作品ということで、当時から作品を知ってくれている人以外にも気付いてもらうきっかけが欲しかったんですよね。「無責任ギャラクシー☆タイラー」ではうちのほかにアース・スターさんにも製作に入っていただいてるんですが、実はアース・スターさんと組ませていただくのは初めてだったんですよ。

――アース・スターさんもショートアニメに強いイメージがあったので、初タッグというのは少し意外でした。

石塚 単純に、「あいまいみー」のドリームクリエイションと「てーきゅう」のアース・スターが組めば面白いものができるぞという確信があったんですよね。主演の2人はアース・スタードリーム所属の小出ひかるさん(バンジョー役)と高尾奏音さん(ゴザ168世役)にお願いしています。他にも乃木坂46の樋口日奈さん(ヤマモト372号役)など、意外性がありつつ、はまり役な配役になったのではないかなと。まだ発表はできませんが、「あ、やっぱりこの人も来るんだ!」という方も控えてますので、そちらも楽しみにしていてください。

――ところで、前のアニメシリーズでは製作会社が「タイラープロジェクト」という名称でしたが、今回は「無責任委員会」になっていますね。これはどなたのアイデアだったんですか?

石塚 それは私です。製作委員会を新たに組んでますので、新しく考えてみました。

――なるほど。それでは、放送直前ですが新作がどんな「タイラー」になるのか、最後にメッセージをお願いします。

石塚 時代的にも真面目くさったものはやりたくなかったんですよね。「気楽に行こうよ」というコンセプトで、ショートアニメらしく気軽に見れるアニメを目指しています。ぜひ肩の力を抜いて、「気楽に」ご覧いただければと思います。

なぜ再び「タイラー」なのか? 「無責任ギャラクシー☆タイラー」プロデューサーに聞いた

「無責任ギャラクシー☆タイラー」放送予定

AT-X:7月11日から毎週火曜日 21時55分〜22時00分

テレ玉:7月13日から毎週木曜日 25時30分〜25時35分

tvk:7月14日から毎週金曜日 26時55分〜27時00分

KBS京都:7月14日から毎週金曜日 26時00分〜26時05分

サンテレビ:7月17日から毎週月曜日 26時00分〜26時05分

※特別編成などにより、放送時間が異なる場合があります

※ニコニコ動画、バンダイチャンネル他でも配信予定

(C)吉岡平/無責任委員会


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