漫画の違法配信サイトが問題となっています(関連記事)。ある漫画家が、罪悪感なく違法サイトを利用するファンと、その無自覚によって作品と作家が殺されてしまう現状を漫画にしてTwitterに投稿したところ、大きな反響を呼んでいます。
投稿したのは、ジャンプ+で「マッチョグルメ」を連載していた成田成哲さん。マッチョグルメはボディービルダーが好きな食べ物を食べるだけという、設定の濃さが魅力です(関連記事)。
漫画では、違法配信サイトに対する作家の嘆きをファンと作家との会話で表現しています。登場するファンは、違法配信サイトで作品を読んだと言います。その姿に罪悪感は微塵も感じられません。
ファンは「いやー面白い漫画がタダで読めるなんて良い時代になりましたね!」と話します。このファンは世の中の仕組みが分かっていないらしく「何で○○先生の作品途中で終わっちゃったんでしょう?長く続いて欲しかったなあ」と残念そう。
作家はこのファンに「単行本の売り上げで作品の存続が決まる」と説明します。そして「アナタのように『面白い』と言いつつ、違法サイトの運営だけに広告費を供給する人々が無自覚のうちに作品と作家を殺すんですよ」と警告。
最後のコマでは「頑張って描いた作品がタダで読まれるなんて、辛い時代になりましたね」というセリフで締めくくられます。
投稿ツイートには多数のコメントが寄せられました。レンタル、古本、漫画喫茶、公式の漫画アプリなどは作家に還元されるのかという質問が多く寄せられており、成田さんは「対価を払っているだけまだマシ、けれども新品単行本や電子書籍を購入してもらうのが作家としては一番うれしい」と返信しています。
画像提供:成田 成哲(@bisekai1)さん
(高橋ホイコ)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 漫画の海賊サイトの闇を体操のお兄さんが解説する漫画、共感集まる 「出版不況だからこそ野放しにしてはいけない」
pixivコミックで人気の『うらみちお兄さん』の久世岳さんがTwitterで公開。 - 漫画海賊サイトを追い詰めた松文館の執念 損害賠償金は作家へ分配 「やる価値は十分にあった」
2017年に管理人逮捕が話題になった海賊サイト。今冬に違法アップロードサイトと示談を成立させた著作権管理会社と本件を担当した弁護士に、経緯やサイトの実態を取材しました。 - タイトルで検索すると違法サイトがトップに…… 漫画家が1カ月間「違法アップロードサイト対策」をしてみた結果
Googleへの通報の過程と結果を漫画で描いています。 - ニュースサイト「BUZZAP!」、押井守作品の違法アップロード動画を記事で紹介 「大胆なことされますね」と押井メルマガが指摘
YouTubeに違法アップロードされていたOVA作品「天使のたまご」を記事に埋め込んでいた。 - 「フリーブックス」が突然の閉鎖 「ONE PIECE」や「キングダム」など著作物の違法アップロードが問題視
ここ数日になって、著作物が大量に無断投稿されているとして非難の声を集めていました。