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自動販売機の「硬貨を何回入れても戻ってくる」現象ってどうして起こるんですか? メーカーに聞いてみた

本物のお金なのに、なぜ使えん……。

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 みなさんは、自動販売機を使いますか? 

 僕は寒い時期になると、高校時代、部活の帰りによく友達と一緒にホットココアを買っていたことを思い出します。ちなみに、厳密に決まっているわけではないのですが、自動販売機の缶入りホット飲料は55℃前後にあたためられています。

 ところで、自動販売機で少し不便なのは「硬貨を何回入れても、そのままカチャンと釣り銭口へ送られる」という現象が時々起こること。偽銭を使っているわけでもないのに、どうして受け付けてもらえないことがあるのでしょうか。

「裏返すと入る」説

 この件についてネットで調べると「硬貨は片面だけで判定されるので、裏返して挿入すると通りやすい」という情報が。サンデンというメーカーに話を伺ったところ、「片側だけの識別ではございません」とのことで、同社の自動販売機では硬貨の両面を使って判定を行っているようです。

 他社製品の仕様は分かりませんが、少なくとも「硬貨を裏返す方法は、必ず有効なわけではない」といえそうです。

「汚れていたり、摩耗していたりすると識別されない」説

 また、「硬貨に汚れがついていたり、摩耗して重さや凹凸の形が変わっていたりすると識別されにくい」「ふいたり、酸性の液体につけたりしてキレイにすると改善する」というような説明も見受けられます。

 確かに、ホコリやサビに覆われた貨幣は識別しにくそうですし、硬貨の寿命はとても長いとされていますが、何十年も人の手を渡り続けたら、多少すり減ることもあるでしょう。しかし、これらの情報は本当なのでしょうか。

 大手自動販売機メーカー・富士電機に話を伺おうとしたところ、「硬貨・紙幣の識別に関する内容については、防犯的理由及び技術機密事項より、回答をお断りさせて頂いております」とのこと。他のメーカーにも取材しましたが、はっきりした回答を得ることはできませんでした。

原因がよく分からないのは、セキュリティ上の必要悪?

 今回の調査では「こうしたら必ずうまくいく」という結論を出すことはできませんでしたが、よく考えてみれば当然の結果なのでは? もしも硬貨の識別方法を公開してしまったら、それを悪用して偽銭が作る人が現れる可能性がありますから。

 「なぜか本物の硬貨まで使えないことがあり、その原因がよく分からない」というのはスッキリしない話ですが、「利用者側がちゃんとお金を払わなければ、商売は成り立たない。そのためにはセキュリティも大切」と割り切るほかないのかもしれません。

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