1995年から1997年ごろにかけて、「13星座占い」が話題になったことがありましたね。「13星座占い」とは、従来の12星座占いに「へびつかい座」を足したものです。
しかし年月がたつにつれて、13星座占いは話題にもあがらなくなり、すっかり「12星座占い」に落ち着いていきました。
今回は「本当のところは12星座なの? 13星座なの?」というギモンにお答えします!
そもそも「12星座」はどうやって決まってるの?
そもそも「星座占い」とは、西洋占星術を簡略化した占いです。
西洋占星術では、占う対象者の出生時(+場所の緯度・経度)や現在の日時で「ホロスコープ」を描いて占います。このホロスコープとは、天動説での惑星や星座の位置関係を図にしたものです。
一方12星座占いは、生まれた月と日付だけで黄道にかかる12星座に分けて占ったもの。
黄道というのは、太陽の通り道のことです。星といえば「夜に見える」イメージが強いですが、実際には昼間にも星の光は届いています。ただ太陽がまぶしすぎて見えていないだけなのです。その太陽の通り道を黄道とよび、その黄道と重なる星座を黄道12星座と呼んでいるのです。
さて、黄道にかかっているのが12星座なのか13星座なのかが問題なのですが、実は星図で確認すると黄道13星座が天文学的には正しいことが分かります。
どうして黄道がずれてへびつかい座が加わった?
地球の自転の軸にあたる直線を自転軸と呼びます。この自転軸、実は不変なわけではありません。
コマを回すときに、首(軸)の部分をよく見ていると円を描いていることに気が付きます。地球の自転軸も同じように、約2万6000年周期で首振り運動をしているのです。これは、地球の歳差運動と呼ばれています。
歳差運動によって太陽の見える方向が変化するので、黄道の位置が時代によって少しずつ変化するのです。余談ですが、この歳差運動によって、黄道だけでなく北極星も変わるんですよ。
したがって現代の黄道には13の星座がありますが、約2000年前には12星座だったのです。
「新しい星座が発見された」は間違い
13星座占いのよくある誤解として「新しい星座が発見された」「一時的にへびつかい座が黄道に食い込んでいた」等があるのですが、これらは全て間違いです。
確かに地球の歳差運動で黄道の位置は変わりますが、それは数百〜数千年規模の話であり、13星座占いが流行った1995〜1997年頃だけ黄道にへびつかい座があったというわけではありません。
実際には「数百年にわたって、西洋占星術師の間でへびつかい座が無視されてきた」「一部の占星術師がそれを疑問に思って13星座占いを作ってみた」というだけなのです。
ちなみに私は13星座では何座なの?
ところでみなさん13星座占いでは何座にあたるかはご存じですか? せっかくなので13星座での自分の星座を確認してみましょう!(ただし、出典によって若干の日付のずれがあります)
- 3/13〜4/19 うお座
- 4/20〜5/14 おひつじ座
- 5/15〜6/21 おうし座
- 6/22〜7/20 ふたご座
- 7/21〜8/10 かに座
- 8/11〜9/16 しし座
- 9/17〜10/31 おとめ座
- 11/1〜11/23 てんびん座
- 11/24〜11/30 さそり座
- 12/1〜12/18 へびつかい座
- 12/19〜1/19 いて座
- 1/20〜2/16 やぎ座
- 2/17〜3/12 みずがめ座
なぜ13星座は定着しなかったの?
突如あらわれた13星座占い、実は西洋占星術師の間では批判的でした。
その根拠として、そもそも13星座占いの発端が「黄道にはへびつかい座があるのに、なぜ星座占いにはないのか」といわれていたこと、13星座が1995年に一人の占星術師ウォルター・バーグの試験的な取り組みで”作られた”ものであること、13という数字が不吉であることなどが挙げられています。
西洋占星術は、海王星発見時には当時生きていた人々の統計をとってホロスコープに組み込むなどの取り組みもありましたが、天動説の採用や12星座での維持など伝統を重んじる傾向もあるので、1995年に突如出現した13星座占いに対する反応は存外冷ややかだったのです。
また円を13分割というのも、ホロスコープが描きにくくなりそうですね。
やっぱり星座占いは「12星座」で?
本気で信じているわけではなくても、雑誌やテレビでついついチェックしまう12星座占い。
12星座の方が新しく星座を覚えなくていいし、しっくりくるなあ、という方も少なくないのではないでしょうか。
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