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コレラや炭疽、チフスなど、この世界には数々の菌がありますが、なかでも「自然界最強の毒素を持つ」とされているのが「ボツリヌス菌」。これが放つ毒素は、わずか1グラムで100万人以上の命を奪うほど危険だといわれています。
実はこの「ボツリヌス菌」という名前は、ソーセージに由来。今回は、自然界最強とうたわれながら、実は身近に存在するボツリヌス菌(ソーセージ菌)の雑学をご紹介します。
自然界で最も危険なボツリヌス菌とは
ボツリヌス菌の危険性に関しては、国内の各種行政機関が注意喚起を行っています。それらの情報によると、この菌が出す毒素について以下のようなことが知られているそうです。
- サリンの20万分の1の分量で、人間の命を奪う
- 筋肉がマヒするなどの症状があり、重症に至ると呼吸ができなくなってしまう
- 第二次世界大戦中には、生物兵器として生産されていた
- ボツリヌス菌は自然界に広く存在するうえに、熱にも強い
- 酸素が少ない環境に強い菌(嫌気性)で、缶詰やレトルト食品のような真空包装で増殖するおそれがある
ボツリヌス菌の学名「Clostridium botulinum」の「botulinum」は、ラテン語の「ソーセージ」「腸詰め」に由来。19世紀末のヨーロッパでは、自家製のソーセージなどを食べて「ボツリヌス菌食中毒」にかかる人が多かったことから、この名がついたといわれています。なお、現在、市販されているソーセージには、ボツリヌス菌の増殖を防ぐ効果がある「亜硝酸ナトリウム」という添加物が使われていることが多いようです。
ボツリヌス菌が出す毒素に関しては、100℃で数分以上加熱することで毒性を失うとされていますが、それを出すボツリヌス菌には、通常の調理では死なないほど熱に強いという厄介な性質があるとのこと。そのためか、厚生労働省は「一般的に、ハチミツは包装前に加熱処理を行わない」という理由から、1歳未満の子どもにはハチミツそのものだけでなく、ハチミツ入りの飲食物も与えてはいけないとしています。
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