JALが自転車輪行用の箱「SBCON」を開発 自転車ファンが「泣いて喜ぶ」のはなぜか?(3/3 ページ)
そもそも「輪行」って、何?。「いきなりロングライド!!」著者アザミユウコさんにも対策を聞きました。
「ならば、箱に入れればいいじゃないか」にならないワケ
さて、前述したきちんと養生して……というのは国内便の話です。国際便では荷物の扱いが国内便よりもっと雑になる可能性があり、さらなる対策が必要でしょう。
海外輪行をしたことがある別の友人は「ウン万円する運搬用ケース」を買っていた人と、自作ケースを作っていた人がいました。丈夫な箱に入れておけば、安心度はグンと上がります。確かにそうですよね。一般的な手荷物を、普通のバッグではなく強固なスーツケースに入れて預けることと同じです。
ならば国内便でもこの箱を使えばいいじゃないかと思います。ところが国内旅行においては、「この箱の扱いに困る」のです。
国内便の空港にこのサイズの箱を預けられる場所は、残念ながらほとんどないそうです。また、宿などに置いておくにしても空港から宿まで運ぶ手段に困ります。旅行計画によって、自転車旅行では特に、気持ちよく走って移動して毎日違うところに宿泊したり、帰りは別の空港で乗るようなことも多いでしょう。自転車が壊れるのは避けたいが、目的を考えると自由さがかなり奪われてしまいます。
だからうれしい、航空会社が用意してくれる専用ケース
そんな自転車乗りの事情から、「航空会社側が箱を用意してくれる」ことが画期的であり、とってもありがたいサービスなのです。
レースに出場するようなガチな人は、空港から宿まで車を手配して移動している人もいます。しかし、それ以外に安心できる方法ができたならば、筆者のような自転車ファンはもちろん、ガチな自転車乗りも使いたい場面があるサービスとなりそうです。
JALが共同開発したこの「SBCON」は、2018年8月から国内線ツアー商品用としてサービスを開始します。そして、将来的には個人でも利用できるようにするとのことです。
愛車でスゲー景色の場所を自由に走りたい。何より気軽に、飛行機を使った遠地への自転車旅がしやすくなるのがとてもうれしい。JR東日本には“全席サイクリスト専用”とした房総方面への特別列車「B.B.BASE」(関連記事)が運行しています。飛行機においても、「これまでとは違う体験」「サービスの質」を提供し、特に地方活性に向けた消費行動を喚起させる施策、今後も増えて、便利になっていくことを願います。
何より筆者は、飛行機の利用をためらい九州旅行を諦めることがなくなりそうです。大分県に行って、中津(からあげの聖地)でからあげ食べて、メイプル耶馬サイクリングロード(耶馬溪鉄道の廃線跡!)走って、別府温泉に入る旅行がしたいぞー!
(高橋ホイコ)
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